もう、やだ。
新作です。よろしく!
アディカ王国。この国は強豪国として有名であり特に軍事においては、横に並ぶものなしと言われる程の国であった。さらにこの国の特徴として、軍の中にも女性だけで作られた軍隊があり、世間一般で言うところの令嬢も男性と同じ様に武術や魔術を嗜んでいる事。また、多くの男性が階級関係なく料理や裁縫することである。
この様に、男女差別が他国より少なく比較的豊かな国だが、そんな強豪国にも大きな問題がある。その目下の問題は次期国王についてである。現在、この国には二人の王子がおり、勿論長子である第一王子が次期国王とされているが、今留学中の第二王子も大変優秀であり、今王国では密かに第一王子派と第二王子派に分かれている。
国の第一王子の婚約者であるミディ・ナリティエ公爵令嬢は幼少期から第一王子の婚約者として未来の王妃として相応しい女性となれるよう日々努力している。
だが、ここで一つ大きな問題がある。それは第一王子である彼が彼女の事を全く眼中にいれてないことである。
9歳の時に彼と初めて会ったが、その時に言われた一言は今でも鮮明に彼女は覚えている。
それは、第一王子の父親。現国王と彼女の父が勝手に決めてしまったいわば政略結婚であり、年若き第一王子は頭でわかっていても心まではついていかなかったのだろう。彼女に逢い上から下まで値踏みするような目で見た後、開口一番でこう言い放った。
「父上、私はこんな愛らしくない方でなくもっと愛らしい方と結婚したいです。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
因みにそれから私は、愛らしく見えるように常日頃から化粧をするように言われた。
本当は、化粧を自分でするのではなく専属の者にしてもらう方がいいと言うことは知っていたのだがどうしてもあの王子を見返してやりたくてそこは譲ってもらった。
そして出来上がったのが、ピチピチギャルもビックリするケバゲバガールだ。最初私の姿を見た家の者全てが叫んだり泣いたりしていたがあまり気にしないようにした。
それだけでなく、彼を見返せる様に全てにおいてまるで猪やゴリラのように猪突猛進して努力していた為今では第一王子に女を捨てた生き物と言われている。
この第一王子。私との相性がとことん最悪らしく今や色々な女性と浮気?をしておりその内の一人には子供まで出来ているのだから救いようがない。
はっきり言ってこんな男こちらからお断りしたいのだが、父がそれを許さなかった。
元々より強固な権力を欲していた父はこの婚約をその地盤にしようとしているのだ。
そんなこんなで、私は今病室のベットで寝ている。
何故かって?その性格最悪王子の弟、第二王子にボコられたからだよ。
理由は簡単。
第一王子である兄の婚約者から外れろというものだ。
別に好きであの男の婚約者でいるわけではないのだが何故か自分の兄の不祥事が全部私のせいだと言う実に不愉快な妄想をしている。
出来ればあまりかかわり合いたくないのだが。
はぁー。