想定外
悪魔や妖怪が人間に取り憑くと言う現象は少し目線を変えて見るととても楽しい物だったりするのかなと思います
「まさか本当に…」
私は意識せずに呟いていた、ネットで調べて見様見真似で悪魔召喚の儀式を行ったらそれっぽい男が出て来たからだ
『我が名はアスタロト、私を呼び出したのは貴様か?望みはなんだ?』
男は如何にも悪魔っぽいセリフを発した、正直、召喚が成功するとは思っていなかったので少しだけ驚いた、どうやら本物の悪魔は呼び出した人間の望みを聞いてくれるらしい、なら私の次のセリフは決まっている
「帰れ」
悪魔っぽい男は目を丸くして固まっていた、状況が理解できないと言った感じだ
『貴様は悪魔を呼び出せたのだぞ?しかも低級な悪魔では無くこのアスタロトを』
「知らん帰れ」
『そうか…さらばだ小娘よ…』
この悪魔はアスタロトと言うらしい、アスタロトは魔法陣に手を置いたままこちらをチラチラ見てくる、帰るよ?本当に帰るよ?と言いたげだ、早く帰れよ
『小娘よ今1度チャンスをやろ…
「早く帰れ」
鬱陶しい事になかなか帰ってくれない、なんだこいつ
『冷静になれ、特別に私がどれだけ凄い悪魔か教えてやろう』
何やら語り出した、帰ってくれないようなので私はしばらく部屋を後にしようと思いその場を立ち去ろうとした、まったくさっさと帰れよ
『ちょ、待て何処に行く』
悪魔の囁きとは程遠い焦った声が聞こえたが私は意に介さず歩き続けていると後ろから待てえええと聞こえた、次の瞬間私は足を掴まれ顔から床にダイブした
「何すんだこのハゲ悪魔!」
『フサフサだ!何でだ貴様正気か!?』
「正気だ離せ変態」
『離すものか!断じて離さんぞ!』
どうやらかなりめんどくさい奴を召喚してしまったらしい、このままだと何時離すかわからないので私は仕方なく話を聞いてやる事にした
『まったく、私は凄い悪魔なんだぞ?それをいきなり帰れと突き放すとは』
「まったく、はこっちのセリフだ、どうすれば帰ってくれるんだ?」
『何故帰そうとする!何のために悪魔召喚の儀式をしたんだ貴様は』
「そ、それは…とにかくお前は私の召喚したかった悪魔とは違うから帰れって言ってるんだ」
『どの悪魔だ!?ルシファーか?ルシファーの奴なのか?私だって同じくらい凄い悪魔なんだぞ』
相当取り乱してるのか、もう悪魔の威厳も何も無い口調で話し始めた
『だが私を前にその毅然とした態度、私が今まで会ってきた人間の態度とは違い寧ろ気に入った、どれ少し貴様の過去を見てやるとするか』
「いや帰れよなに自然と留まろうとしてんだ」
私のツッコミを無視してアスタロトは自分の額に手を当て目を瞑った、マジで早く帰んないかなこいつ
【5分後】
『貴様は10歳の頃に両親が死んでから1人で暮らしてるのか』
「おお本当に過去が見えるのか、驚き」
『当たり前だ、そして貴様の望みもわかった、叶えてやろう』
私の本当にしたかった事を知られたのは癪だがこいつはそれを叶える事が出来るようだ、私は少し期待した、だが、コイツが発した次のセリフで期待は見事に裏切られるのだった
『今日から私が貴様の家族だ』
第1話なのにとても短くて面目無い…、思いついた事を書いただけですが少しでも口角が上がっていただけたら幸いです