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僕がつくる異世界の騎士団  作者: 葉月 優奈
七話:ぼったくりと大男の騎士団
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山小屋に入ると、僕らは吹雪から解放された。

入る前はそれほど感じなかったが、かなり広い山小屋だ。

僕ら六人は、山小屋の暖かさが身にしみていた。

レンガで作られた暖炉の前に、みんなが集まろうとする。

暖炉のあるロビーでスマホを確認、WIFIが使えるようだ。

最近は、WIFIを使える場所を確認する癖がついていた。まあ、大事なことだしな。


「ふうっ、暖かい」

「はい、あったかいです」

ケンコとチャマは、すぐに暖炉のそばに移動していた。

セレニエルも暖炉のそばで、スライムの如く溶けてだらけていた。


「全くだらしないな」

「セレニエルも、情けないわね」ラジノとサジナエルが侮蔑する。

そんな中、僕はなぜかカウンターで話をする。


「おいでやす、ナジェフ小屋六号へようこそどす~」

そこにいたのは髪の色は黒くて長いけど、耳が尖って、白い肌の若い女。

長袖の緑色のブラウスに、黄色のロングスカートを着ていた。

ただ、発音がちょっと関西弁というより京都弁のようなアクセントだ。


「すまないが、今日はここで暖を取りたい。吹雪も強くなったし」

「分かりました、お食事付きどすか?それとも素泊まりどすか?」

「どうする?」僕は近くにいたラジノに聞いた。


「くそっ、何者だ?」

ラジノが急に身構え、腰にぶら下げた剣の柄に手を添えた。

そこには、一人の男。異様な姿で、フラフラとこっちに近づいていた。


「気をつけろ、そいつおかしい」

よく見ると、その男はプロレスラーのようなマスクをつけていた。

筋肉質の体で、ジャージみたいなものを着ていた。肌は残念ながら露出されていない。

視線を感じた僕は、立ち上がるとその人間がカウンターの方を向いていた。


「なんだ?こいつは?」

「お前か?」マスク越しに僕を見てくる大男。

僕は身構えて、スマホに手をかざす。


「お客さん、どうしたんどす?」

「ここに誘拐に協力した精霊使い(ドルイド)がいると聞いたのだが」

「精霊使い(ドルイド)?僕のパーティにはいない」

「本当か?」

マスク男は、じっと僕を睨む。

プロレスラーのようなガタイのいい男が、僕に迫ってきた。

すぐさまラジノが剣を抜いた。


「こいつ、悪魔じゃないか?」

そう言いながらラジノは、急いで僕の前に割り込む。

悪魔と聞いて、僕はスカーラでの話を思い出した。

僕は石板の騎士団、団長(プレイヤー)だ。

ラジノの言葉に、暖房にいたケンコも急いで駆けつけた。


「なるほど、そうか。団長殿を狙いに来たのか、許せん。私が相手になる」

「邪魔をするのか?やるのなら……」腕を振り上げて、僕を殴ろうとする大男。

「しまった」そう言いながらも、僕は右手で顔をカバーしようとした。

そして、ボゴッと大きな音を立てて僕の前で一人の人間が倒された。


「いってえなっ!」僕の目の前で、顔を押さえて剣を手放したラジノ。

そうだった、僕がラジノをリーダー設定しているからラジノが身代わりになった。

鼻血を出したまま大男を、睨んでいるラジノ。


「すごいわ、これが噂の男壁ね」

「ラジノさん、手当しますっ!」

サジナエルが、興味本位で感心する。

すぐさま神官のセレニエルが、倒れたラジノに駆け寄る。

ラジノが倒された恐怖で、一瞬僕の顔が青くなる。


「くそっ、これはやるしかないか」

ケンコと、サジナエルも僕の前に立つ。

流石にチャマの魔法は、属性火なので室内では使いにくいか。

セレニエルは、倒れたラジノの看病をしていた。

敵である大男も、腕をブルブル振り回している。


「おやおや、何をしているのです?」黒髪の女店員が、カウンターからゆっくり出てきた。

肩には、ピンクの小さなゾウのようなものを乗せていた。

大きさはリスぐらいの小動物だ。


「それは、まさか……」

「だとしたら、どうします?」

黒髪の女店員が言うと次の瞬間、ゾウの耳が羽のように飛び上がった。


「やはりそうか」マスク男が、僕にさらに近づいてくる。

格闘近接は得意そうな太った男は、腕をブンブン振り回す。

だけど、女店員はにやりと笑っていた。


次の瞬間、ピンクのゾウは笛のようなものを吹いていた。

その音は、とても心地よい子守唄のようなもの。

女店員は、手にお椀のようなものを持って音を反響させていた。

僕は、なんだか急にまぶたが重くなった。


「なんだ……新手……なのか?」

僕は気がついたら、目の前が真っ暗になっていた。



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