049
マグマによって隠された穴に僕らは入る。
最初からその穴の中は狭い。大の大人一人が入るには、かなり無理のある大きさだ。
腰をかがまないと、先に進めない。
先頭はラジノ、その後ろからケンコ。
ケンコは人型になった。脱皮、変身?の時は僕とラジノはなぜか遠ざけられたが。
そのケンコの後ろを僕が続く。VIP護りと言われ、僕の後ろにチャマ、殿がセレニエルだ。
屈む人型ケンコが、僕の前にいた。屈んでいるので、大きなお尻がよく見えた。
ケンコが人型できているのは鉄の鎧、だけど人型に戻ると白いパンツだけだ。
だからか、ケンタウロスはズボンを履けないのは。
そのため、僕は自然と顔を背けていた。見るとすごく照れてしまうからだ。
ケンコのお尻の誘惑と戦いながら、穴を前へと進む。
「これはこれで……」
「どうしたのだ?」
大きなお尻を振りながら、前にいたケンコが聞いてきた。
「いや、別に」
「それがしは慣れているから平気だ、意識してもらっても、団長殿なら……構わない」
「何か意識していないか?」
「大丈夫だ」何が大丈夫かわからないが、ケンコの衣装は早く買わないとな。
スカーラの街に行かせたら、人型衣装も買わせておかないといろいろまずい。
「それよりもアモンだ」
「アモンがどうしたのだ?」
「あいつは何がしたいのだろうか?」
僕は全然理解できなかった。
アモンは、本気で僕らを殺そうとしているようでしていない。
この砦の中では彼は圧倒的な力を見せながらも、本気が見えないのだ。
殺せそうで、殺さない、その理由がどうしても気になった。
「あたしにはわかりません」最後尾には、天使のセレニエルがついてきていた。
「チャマはどう思う?」
「わかりませんが、戦う意志はなさそうですね」小声だけど考えてモノを話すチャマ。
見た目は一番小さいけど、一番頭がいいチャマ。
「そんな気はするな。やつの意図がわからない」
「ただ、分身を結構な数、使っているから消耗も激しいと思う」
「そっか。やはり詳しいな。チャマは」
「う、うん」チャマは褒められていた。
「そういえば、あの黒い玉はなんですか?」セレニエルが聞いてきた。
「あれは投影機の一種かな、映像を見せる類のやつ。
ただ、あれには魔力を最初に込めるので消費はないと思われる。やんっ!」
「チャマちゃん」僕の後ろのチャマが急に可愛い声を出した。
僕の背後で、セレニエルがチャマの足を引っ張っていた。
「あわわっ、セレニエルさん。何を」
「チャマちゃんいいなぁ、足細くてスタイル良さそう」
「ええっ、何を」
僕の後ろで何を話しているんだよ。
ちょっと気になるが、僕は前を急ぐことにした。
急いだ先には、
「ん?」僕の顔の前を、柔らかいものに突っ込んでしまう。
単純に理解した。それはケンコの大きなお尻だ。
「ご、ご、ごめケンコ」顔を赤くして、すぐに離れた。
「いえ、団長殿。出口ですから」
そう言いながら窮屈そうに、ケンコが前に進む。
進んだ先には光が差し込んできた。視界が広がっていた。
そこは、松明の明かりがはっきりと見えた。
割と大きな部屋だけど、木製の棚が見えた。だけどその棚は、ほとんど空になっていた。
部屋の奥には一人の老人が、ゆりかごに座ってくつろいでいた。
老人の肌は、紫色の肌でガリガリ。頭が禿げて、顔はしわだらけで、口に白いひげ。
その老人は白いバスローブを着ていた。
「やつだぜ、本体の」
先に立っていたラジノが、舌なめずりしながら剣を抜いて構えた。
「ようこそ、わしがアモンだ」
ゆりかごに座る老人は、ボクらを見るなり座ったまま言ってきた。




