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僕がつくる異世界の騎士団  作者: 葉月 優奈
一話:世界の災いと僕の騎士団
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002

あれから三十分後、鐘が鳴って教室を出た。いや、そのまま校舎を出た。

ここは埼玉のとある大学。僕は今、大学のキャンパス内を歩いている。

そして、僕はそこに通う大学二年生『鈴木 浩生(ひろお)』という大学生だ。

半袖シャツにジーンズというラフな格好で、左手にリュックを背負い、右手で持っていたスマホを見ていた。

衣替えを終えた十月のこの季節、学校の庭の木々も赤く色づいていた。

教室を出て、中庭を歩く。今はちょうどお昼の時間だ。


「また、浩生はゲーム?」

僕の隣には、一人の女がいた。

長袖のカーディガンをまとったポニーテールの女。

彼女の名は、『神崎 美幸』。同じ大学で、同じ学科の同級生だ。

ただ、それだけの関係ではないのだが。


「僕がゲーム好きなの、知っているだろ」

「ふーん、まあいいけど」

「まあな」

美幸の方を振り返らずに、スマホをいじっていた。

僕の目の前の画面は、ゲーム画面だ。


「よく飽きないわね」

「飽きているよ」僕はスマホを見ながらすぐに答えた。


「飽きているなら……」

「まあ、ライフワークの一つみたいなものかな。

ほら人間って、メシ食ったら歯を磨くだろ、風呂も一日一回入るだろ。それと同じ」

「それがスマホのゲームとどう違うのよ?」

「一応これ、『ユーベル ファンタジア』だし。中学からやっている」

僕が今やっているのは『ユーベル ファンタジア』というゲーム。

王道ファンタジーRPGの触れ込みで人気のゲーム。


元は十年以上前に流行った携帯ゲームソフト『ユーベル ワールド』が、スマホ版に進化している。

プレイヤーは騎士団を率いて、ファンタジー世界ユーベルを冒険する。

スタミナを消費して、シナリオを進める一般的なスマホゲーム。


「『ユーベル ファンタジア』は、昔から続いているわね。

課金必要だし、あたしはとっくに飽きたわよ。

『ユーベル ワールド』はやっていたけど、これはパスね。浩生はいくら課金しているの?」

「僕は課金してないよ。スマホゲームって課金者よりも無課金者を多く残ったほうが長寿だから。

とにかく、昼間の『騎士団戦』は外せないんだって。

長く続けているから、ギルド仲間にも迷惑かかるからね。

どうしても、スタミナを消費したいから」

僕は美幸の隣を歩きながら、スマホをずっと見ていた。


「ねえ、浩生」

「なんだ?」

「今日はわかっているでしょ」

「おし、勝利」

スマホ画面では、『騎士団戦』勝利の文字が踊った。


「なによ、ゲームばっかりで。忘れているんじゃないでしょうね」

「忘れていないよ、サークルの集まり。バイト終わり六時だから、七時に駅前のいつもの居酒屋だろ」

「そうじゃなくて!もういい……大事な日なんだから!」

最後に隣の美幸が、ふてくされた顔を見せていた。



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