城下偵察・新たな出会い
燦々と輝く太陽に透き通った綺麗な青空。
なんという城下偵察日和でしょう!
今日、私はお父様にお願いして、念願の城下に行きます!
「エリル様、じっとしてて下さいね」
城下に行くためには、変装をして執事のヒナトから離れないという約束です。そのために今、ヒナトに変装の魔法をかけてもらうとこです!
ヒナトは、錬金術師と物体自在操作師という二つの 職章で二つの魔法が使えるという凄い人!。
そんな彼は、目をつむり両手を広げると魔法陣を浮かび現す。
「我、禍神に仕えし者我に永遠の縁に誓い魔の力よ現れ偽りの者となりて時付せよ」
「?!」
ヒナトが何やら詠唱し、私の体が青と紫の綺麗な光に包まれる。
「エリル様、変装魔法が出来ました」
ヒナトが出した鏡で、魔法にかけられた別の自分の顔をまじまじと見る。
「す、凄い…!」
淡い桃色の髪は綺麗な紅色で、瞳は右が白金色で左が太陽の様な明るいオレンジ色。
あれ?左だけ変わってない?何で左だけ?
「ヒナト、何で左だけ色が変わっていないのですか? 」
「恐らく、エリル様の………っ、私の魔力で全てまでは出来なかったみたいです。」
何か言いかけ、ヒナトは怪訝そうに私の顔をまじまじと見る。
「…!準備も整いましたし、そろそろ玄関へ行きましょう。リベル様がお待ちです。」
「ええ、そうね」
数分の沈黙の後、ヒナトが沈黙を破り王宮の玄関まで向かう。
あの沈黙はなんだったんだろう?
広い廊下を歩きながらずっと考えていたけど、玄関でお父様と護衛の人達と会って、城下に行くドキドキ感で考え事が消え去った。完全にではないけどね。
王宮から50分かけたとこに城下はある。
馬車の中で揺られながら外の景色を見ていたら一面に賑やかな人達と綺麗な家が沢山見えた。
「わぁっ!!凄い、綺麗!」
初めて見た世界に思わず窓から身を乗り出しそうになった。
「危ないですよエリル様。」
何とか、ヒナトが身を乗り出そうとした私を止めてくれて、セーフ。
危な危ない…………。変な汗が出てきたのをヒナトがサッと拭いてくれた。
「エリル、初めて見た世界に興奮してしまうのは分かるが、外には良からぬ輩もいるし馬車は早く動いてるから危ない。気をつけるんだよ」
「はい…分かりました…」
向かいに座っているお父様に叱られてしまった。
気をつけなくちゃ。
そうこうしているうちに、馬車は止まった。ヒナトに馬車から下ろして貰い、右や左に前や後ろを見渡す。
色んな家があって色んな物がある!
思わず走って行ってしまいそうだったけど、お父様との約束を守ります!
「エリル、今からこの建物の中に入ってお話を聴くんだよ。城下を遊んで回るのはその後だよ」
お父様は立派な建物を指さし、私の頭を撫でる。
この建物は執政諸務所というらしい。ここで沢山の事をまとめているみたい。
この建物に入って、大人の人達に挨拶して、長い長い話を聴いて……。
やっと開放されたよ!
「んー!風が涼しい!」
「エリル様、どこか行きたいところありますか?」
行きたいところ…決めていなかった。
「私は今日、初めて城下へ来たので何があるのか分からないので、まだ決めていません…」
腕を組んで、本や話で聞いたり見たりした事を頭に思い浮かべるが沢山ありすぎてどれから行こうか分からないよ!
「それではエリル様、僕が城下を案内を致しましょう」そう言い手を差し伸べられ、私はその手を握る。
「ヒナト、城下に来たことがあるんですか?」
「ええ、この国の王宮に来る前までは色々な国に行っていました。この国も王宮に踏み入る前日に色んなとこを見て来ました。ですので、ご安心ください!より良い場所を案内できます。」
そう言い、にっこり笑った顔は楽しそうだったけど少し悲しそうにも見えた。
そして、ヒナトに手を引かれ城下の中心地へ向かう。
城下偵察の話になりました!
執事のヒナトの見え隠れする影、これから明かされるかもしれません。
そして、この回からエリル目線です。他の人の視点のお話は、題名にその人の名前を入れます!/小説内で出てきた職章とは、仕事をする上で必要な知識みたいなものです。例えば、錬金術師だったら学者さんとか薬剤師さん等。
基本的に職章は一人一つで、ヒナトは希な存在です
■アドバイス・感想お待ちしています。お手柔らかに(´∀`*)