第10話 頼られる男子はお風呂でも悩む
虎太郎は3年の先輩であるヴァルロッテを、31人目の婚約者にすることに決めた。
相手も了承してくれて、ヴァルロッテの実家ももちろん快諾。婚約は成立した。
そこまではいいのだが、問題が残っている。
虎太郎は悩んでいた。
「さて、どうしたもんかな」
「おにーちゃん、なにか考えごと?」
風呂場で物思いにふけっていた虎太郎を、一緒に風呂に入っている妹の白雪が話しかけた。二人とも裸ん坊だ。幼児の頃から、虎太郎と白雪は一緒にお風呂に入っている。今さら珍しいことでもない。今日のお風呂当番は白雪。だから白雪が一緒にいる。それだけのことだ。
「ああ。オレは悩みが多いからな。男子ってのは、悩んで大きくなるもんだ」
「へー。そうなんだ。でもちっともお兄ちゃん、おっきくなんないね」
「身長のことを言ってるわけじゃ……」
ザバーーー
シャンプーハットをしている虎太郎の頭を、お湯が流れていった。
「……うわぁ! 髪流すときは、先にいえよ。目をつぶりたいんだから。びっくりするだろ」
「あ、そうだった。てへ♪」
「いつになったら覚えるんだよ。もう中学生だろ。バカ白雪。鳥頭!」
「チキンヘッドって、ナゲットみたいなやつ? ああ、髪流したよー」
「過去形じゃ意味ねーだろ!」
兄妹で噛み合っているのか微妙な会話を、お風呂場でしていた。
お風呂の外には本日の添い寝をしてくれる猫子がいる。
「声がしたみたいだけど、平気かい? 虎太郎御大。猫さんもお風呂に入ろうか?」
「大丈夫だよ、猫。白雪に髪流されただけだから。いちいち気にしなくってもいい」
「そうかい」
猫子はそれで更なる追求を止めた。恋菜であったら、最初に虎太郎が声を出した段階で、すぐに風呂場に入っている。でも猫子はしない。双方ともに虎太郎を愛しているし大切にしてもいるが、恋菜はより虎太郎の身を大切にし、猫は虎太郎との距離感を大切にするのだ。
「それでおにーちゃん。悩みってなに? 白雪がきーてあげよっか?」
なにも考えてない白雪だが、それでも兄のことは大切なので心配してくる。
「白雪じゃ役に立たないから別にいい」
「あーー、そんなこと言って。白雪すごいんだよ」
白雪がぷんすか怒ったように言った。白雪は柔道で中学の県大会にも出場した。中学生レベルとしては、かなり強い方に属する女子だろう。とはいえ東の横綱になった経験がある超高校級の恋菜や、規格外に強いヴァルロッテの凶暴さとは比較もできない。
人類レベルで強い恋菜&ヴァルロッテ。中学生レベルで強い白雪。比べられるわけがない。
そしてなにより、虎太郎の悩みは腕力では解決しない。
「はいはい、わかったぜ」
「ぷーー! わかってないなぁ! わたしが頑張っちゃったら、悩みだってすぐに解決するからね」
「ほーー、そうかそうか」
ちっとも信じない虎太郎である。
「いまはねぇ。うーーーんと、わかった。縦四方で解決だね」
ちょっと考えたあとで、白雪が言った。
虎太郎には、発言の意味がわからない。
「縦四方? なんだそれ?」
虎太郎が知っている『縦四方』とは、柔道の縦四方固めだけだ。柔道の寝技である。もちろん悩みの解決に役に立たない。
頭の悪い白雪が、虎太郎の知らないことを知っているのかと思い、虎太郎は興味をもった。
「んーーとね。えーーと。説明しづらいなぁ」
「お前は、説明がど下手だからな」
「むーー、もういい! やってあげる」
白雪はひょいと虎太郎をお姫様抱っこして、そのままお風呂マットに仰向けに寝かせた。
「なにを……」
と、いうまもなく白雪がのしかかってきた。うつ伏せで虎太郎を押さえつける。頭の位置は虎太郎と逆方向。つまり白雪の足が、虎太郎の頭の脇に来ている。
「うっぷ! なにすんだ」
「はい、これが縦四方固め。おにーちゃん逃げられる?」
白雪が試すようなちょっと上から目線の口調で言った。
虎太郎がじたばたしても、白雪はびくともしない。女子が体重をかけてのしかかっているのだから、男子が逃げれるわけがない。妹だろうが年下だろうが、関係はない。虎太郎の腕力は小学生レベルだ。
全裸の白雪は、大股を広げて虎太郎にのしかかっていた。その細くて密度の濃い太もも、ぷにっとしたお尻も、恥じらいをもって隠さねばならないデルタ地帯も、すべて丸見えだ。うつ伏せくっついているから、垂れ下がっている柔らかおっぱいは虎太郎の腰の上に乗っかっている。
白雪の方も、虎太郎の股間のぞーさんが見えていることだろう。
「ちょっと待てよ。縦四方って、本当に縦四方固めかよ!」
これでどうやって悩みが解決するのか。意味がわからない。妹の股間を見たり、こちらのぞーさんを見られたりして、悩みが解決することなんてありえない。
「どう、おにーちゃん?」
「どうもこうもないだろうが。っく、くそ。どけって」
「動けないでしょ? 抑え技で、白雪はトーナメントを勝ち上がったんだよ。寝技はすごいんだから」
白雪の寝技のキメはたしかにすごい。ただし虎太郎の非力な膂力では、寝技が決まっていようが決まってなかろうが関係ない。白雪にのしかかられただけで、身動きがとれないからだ。腕力の差がありすぎる。
「どけよ、白雪!」
「悩み事、解決しそう?」
「するわけねーだろ。馬鹿かテメーは!」
さすがに大声を上げすぎたせいで、外で待っている猫子が心配になってお風呂の扉を開けた。
「虎太郎御大、ずいぶん大声を出しているけど、どうしたんだい?」
ガラガラガラっと開けられたお風呂ドア。猫子の目には、性的な奉仕をしている体勢で抱き合う兄妹が見える。
一応、柔道の技でもあるのだが、男女が全裸でやっているとそうは見えない。
「えーっと、これは……。白雪嬢は何をしているのかな?」
「おにーちゃんの悩み相談だよ。猫おねーちゃん」
「なるほど。よくわかった。ふむふむ、つまり……虎太郎御大。白雪嬢がまた小さな脳味噌で、とっぴな行動をとっているのかな?」
「大正解だ。さっさとこの馬鹿をどけろ!」
「えー、おにーちゃん。悩み解決しようよぉ」
ぷりぷりと挑発するようにお尻をふる白雪。
白雪の脳内では、虎太郎がこの縦四方固めを脱出できたら、悩みも綺麗に解決することになっている。脳の回路は人それぞれであり、白雪の思考方法は他人に理解されることはない。
が、白雪の勘の良さはまれに神がかっていることがある。一切の理論的な経路を取らず、結論だけは正しいことがある。漢字も数字もちゃんと読めないしのになんとなく電車とバスを乗り継いで、おばあちゃんの家に辿り着いたこともある。
「ぐ、むむ」
「ほら白雪嬢。そこどきなさい。そういう行為はベットでするもので、お風呂でするものじゃないんだよ」
「裸じゃないとダメなんだけどな。パジャマ着てたら意味ないんだよ」
「安心したまえ。ベットでも裸でする行為だ。ほらどいてどいて」
猫子が白雪を持ち上げようとした。
「ちょい待て猫。1つ聞くぞ、白雪」
それを止める虎太郎。
「なにー、おにいちゃん?」
「これで本当に、悩みが解決するのか?」
「その為にしてるんだよ。白雪だって、ほんとはしたくないけど、お兄ちゃんが悩んでるからしてるんだよ。どう? 悩みはどんどん解決しない?」
「その気配もねえけど、わかった。やってやる」
虎太郎は意味がわからないが、とにかくこの白雪の『意味のわからない勘の良さ』に乗っかってみることにした。
白雪のJC全裸縦四方固めを抜けだそうと身体を捩る。が、逃げられない。完璧に決まっている。そもそも虚弱な男子が、きちんと柔道を習っている女子に敵うわけがない。
「っぐ、くそ……」
腕力でやっては抜け出せない。白雪の太ももがびったり虎太郎にくっついていて、そもそも上半身はまるで動かせない。下半身を動かせたところで、まったく意味が無い。
仰向けで身動きがとれない虎太郎の頭上に、猫子がたっていた。ショーツが見える。今日は水玉の綿パンツだ。色気がないけど触り心地がよくって、添い寝してもらう時に履いてもらうのは虎太郎のお気に入りだ。でも口に出して言ったことはない。男子が女子の下着に口を出すなんて、虎太郎の美意識が許さないのだ。
しかし猫子は虎太郎の好みを察していて、添い寝に来るときは必ず綿のパンティーを履くことにしている。
「白雪嬢の考えることは、ほんとうにエキセントリックだね。猫さんは世界でもそうとう賢い方だと思っているけど、白雪嬢の考えることだけは理解できない。でもそれが虎太郎御大に大切なことだというなら、猫さんはいつだって御大の味方さ」
猫子はそう言って、虎太郎の頭の隣にボディーソープを置いた。
「猫、なんの真似だよ……あ、そっか!」
虎太郎は自由になる首を動かして、頭の重さでボディーソープをプッシュしてだした。また頭を上げて、プッシュして出す。何度も繰り返すうちに、ボディーソープからヌルヌルの石鹸がどんどん出てきた。
「んーー、なんか冷たいね。おにーちゃん」
「うっせぇ、黙ってろ……よし」
虎太郎の身体が石鹸に塗れる。からだを動かすと、ピッタリくっつく白雪のまわりにもソープは塗られだした。兄妹ともに全裸でヌルヌルのニュルニュルだ。
「これでよし! いくぜ」
目の前でお尻を振って油断している白雪の動きに合わせて、ニュポンと右手だけ縦四方から抜けだした。
「あん♡」
抜け出すときは、もちろん石鹸のヌメリにみちた腕が、白雪の太ももとお股をこすりながら通過する。白雪はきっちり固め技をして腰も腿も押し当てていたので、より摩擦が強くなって声が漏れてしまう。
片手だけでも抜け出せれば後は簡単だ。素早く片側によって、左手も抜け出す。
「でたぜ!」
「わぁ、すごいすごい。おにーちゃん、白雪の縦四方固め、抜け出せたね! がんばったぁ♡」
白雪は身体を起こして、ぱちぱちと拍手をしながら虎太郎の健闘を祝した。体中が、胸もお腹もお股もボディーソープでヌルヌルだ。白雪の健康美の上に脂肪がほどよくついた綺麗な裸体が、石鹸でつやつやとテカっている。
「ま、まあな。オレが本気だせばこんなもんよ。猫、助かったぞ」
「猫さんは何もしてないさ。御大の頑張りだよ。状況はどうあれ、白雪嬢の抑えこみを抜け出せる男子なんて、世界中を探してもいないだろう。たいしたものさ。さすが猫さんの婚約者だ」
猫も虎太郎を評価した。
「婚約者、か」
そこで虎太郎はまた当初の悩みに戻る。
新しい婚約者、ヴァルロッテができた。31人目の婚約者だ。
他の婚約者にも紹介せねばならない。
しかし問題はヴァルロッテの性格だ。少々どころではなく難がある。恋菜とは毎日喧嘩ばかり。このケンカは仲の良さそうなケンカだろうが、相性が悪いものもいるだろう。
どうしたものかと、虎太郎は悩んでいたのだ。
「えへへーー、白雪は役に立てたかな?」
白雪がなぜか偉そうに、手を腰において言った。身体を隠そうとする意思がないどころか、積極的に見せようとしているフシがある。
でもこういった白雪の性格も、バカでエキセントリックな部分も、他の婚約者たちはいまいち知らない者も多い。ぱっと見は運動のできる美少女の白雪は、外見のよさから誤解されやすい。ホントは猛烈な馬鹿なことは、深く付き合わないとわからないのだ。
そういった部分は、縁の深い恋菜や猫子でしかわからない。
(いや、そうではないかもな)
少なくとも今この風呂に一緒にいれば、白雪が普通のバカではないことは誰の目にも明らかだ。悩んでいる兄に対し、縦四方固めをしてくるのは通常なレベルのバカではありえない。
「風呂、か」
裸の付き合い、という言葉もある。みんな一緒に風呂に入れれば、ヴァルロッテも心を開いて、周りも心を開いて、お互いに打ち解けてられるかもしれない。
でも虎太郎を含めて32人もいる。上は成人女性から、下は中学1年生までいる。普通の風呂に入れるわけがない。入れるとしたら大浴場だ。
「猫子。スーパー銭湯って、貸し切りできるかな?」
「できないよ。そういうサービスをやってるところはない」
「だよなぁ」
「必要なのかい?」
「ああ」
「ならば方法はある。樹里亜先輩に頼めば、大丈夫だろうね」
「……樹里亜先輩か」
橘樹里亜。高校2年生。橘財閥のお嬢様である。虎太郎の20番目の婚約者だ。虎太郎の婚約者の中では、文句なしのぶっちぎり一位の財力を誇っている。
虎太郎の一個上の先輩で、虎太郎とは別の学校に通っている。樹里亜は虎太郎と同じ高校にいくことを希望した。財力に物を言わせて宮前高校を買収し、無理やり自分を転入させようとした。虎太郎の家の隣を地上げして、そこに自分の別荘を建てようとした。
虎太郎のために、手段を選ばないところがある。非常に誇り高い性格『だった』のだが、現在は異なる。
虎太郎はちょっと苦手だ。
「樹里亜先輩だったら、頼めば簡単にしてくれるだろけどよ」
「バスで行ける郊外の健康ランドを、橘財閥は所有しているよ。年中無休だけど、月に一度だけ設備点検で休日になる。もう一日くらいお休みにしたところで、それほど大事ではないだろうね」
「そうだな。ってーか樹里亜先輩だと、新規でオレ用に新しい銭湯を建てそうだけど」
「そうだね。御大の名前を冠したレジャーランド建設の計画立案をしてくるかもしれない。でもそこら辺は、事前に釘を差しておけば問題ないだろう。樹里亜先輩は物分かりがいいからね、御大にだけ」
「ああ、物分かりいよな。俺にだけ」
虎太郎限定で、樹里亜は物分かりがいい。というか媚びへつらって、どんな要求でも最大限に叶えようとする。
「どうするんだい?」
「ん、……」
迷いはするが、他に良い考えも思いつかなかった。
「……よし。決まったぜ。ジュリア先輩に頼んで健康ランドを貸し切って、俺の新しい婚約者を皆に紹介する」
「ヴァルロッテ先輩かい?」
猫子がさらっと言った。別に隠し立てしているわけではないので、宮前高校の生徒はみんな知っている。
「おにーちゃん、ようやく新しい人を増やしたんだぁ。これでようやく40人だね」
白雪が言った。
「31人だ。なんで30の次が40なんだよ。数くらいちゃんと覚えろ。二桁だぞ」
「はーい♡ ねーねー、おにーちゃん。白雪は役に立った? 悩みは解決した?」
白雪が目をキラキラさせて、『褒めて褒めて♪』オーラを全身に纏いながら聞いてきた。
そんな妹はちょっとうざったかったし、悩みが解決したわけではない。でも方針が決まってかなり気持ちは楽になったのも事実だ。
ヴァルロッテ先輩をどう他の婚約者に紹介するか、という悩み。
お風呂でみんな裸の付き合いをしてもらえれば、そのうち仲良くなるだろう、という答えを得た。
「ああ、かなり役に立ったぜ。っていうか白雪、お前はほんとにバカだけど、バカバカしいほどバカすごいな」
虎太郎はお風呂で濡れている手で、白雪の黒髪ショートカットをぐりぐりと撫でた。
「わーい♪ おにーちゃんに褒められちゃったぁ♡」
「99%ばかにしてるけど、でもすげーのは認める」
白雪は何一つ理解することのないまま、とりあえず回答だけは得る達人である。
「そいじゃあ、この体中のボディーソープを落として、風呂にはいるぞ。猫、でてけ」
「はいはい。ちゃんと温まるんだよ。今日は猫さんと白雪嬢が添い寝だからね。恋ちゃんみたいなあったかたっぷりの、おっぱい枕はないんだから。冷えたら風邪をひくよ」
猫子はそういいながら風呂から出て行った。もちろん猫子も、虎太郎が風邪を引くような添い寝はするつもりはない。虎太郎がちゃんとお風呂で温まってくるための方便である。
あまり近づき過ぎない。ベタベタしない。それが猫子の虎太郎ハーレムにおける立ち位置の置き方だ。それは『猫子のことをを虎太郎は嫌わない』という絶対の自信があってこそできることである。お互いに信頼をしているのだ。
その真逆が樹里亜である。樹里亜は可能な限り媚を売ろうと近寄ずき、高価なプレゼントを贈って虎太郎の歓心をかおうとする。
虎太郎にとっては、もちろん猫子の方がありがたい。樹里亜も昔は誇り高いお嬢様だったのだが……。
(樹里亜先輩に頼み事か。ほんとに気をつけねーとだな)
虎太郎は改めてそう心を引き締めた。虎太郎のために健康ランドを建設することも、土地付きで建物を虎太郎名義でプレゼントすることも、樹里亜は簡単にしてくる。「どうか貰って下さい」と揉み手をしながら。へつらった笑顔を浮かべて。
そういう醜い樹里亜を見なくてすむように、出来れば昔の誇り高い彼女に戻ってもらう為に、虎太郎は最大限に注意をする必要があった。大切な婚約者なのだ。
「えへへー。にゅるにゅるー♪。おにーちゃん。にゅるにゅる楽しいね」
白雪はまた虎太郎に抱きついた。ボディーソープがたっぷりついた身体を、虎太郎の小さな胸板に擦り付けた。
「てめーは悩み事がなくっていいな。オモテウラもねーし」
「えー。おにーちゃんまだ悩んでんの?」
「うっせーな。あとあんまりくっつくな。おっぱいがヌルヌルして気持ち悪いんだよ。シャワーで流すぞ」
「うにうにーー♪」
白雪は円を描くように、くっついた身体をぐりぐりと動かした。愉快げに笑いながら、兄妹のスキンシップを楽しむ。
風呂場の外で、猫子がそのあまりの楽しげな様子に、すこし嫉妬していった。
「……猫さんも一緒にぬるぬるしたかったね。今から服を脱ぐから、混ぜてもらってもいいかい?」
「まざんじゃねーよ、ボケ。さっさと台所に言って、味噌汁とか温めとけ。夕飯前には樹里亜先輩に電話かけるんだからよ」
虎太郎は猫子に指示をだすと、白雪と一緒にシャワーを浴びてボディーソープを洗い流した。
身体も綺麗になったし、悩みもずいぶん楽になった。バカだけど大した妹だと、虎太郎は改めて思った。