炎に包まれた村
オキャーマ北部の寒村、カイオ集落では、そこらじゅうの民家という民家から火の手が上がっていた。
時折AAの大きな銃声がしたかと思うと、パッと民家が燃え盛る炎に照らされる。そこには青色のAAが闇夜に浮かび上がっては、猛スピードで次の獲物を探しに行き、また次の民家を火の海へと変えていく。
青色のAAが集落の民家を軒並み火の海に変えると、青いAAのコクピットは開き、中からGIカットの男とも女ともつかない小柄な軍人が重装備で飛び出し、逃げ惑う人々に後ろからアサルトライフルの縦断の雨あられを浴びせ、次々と倒していく。
と、その軍人の前に、乳飲み子を抱いた母親がうずくまっていた。母親は軍人の足下にひれ伏し、必死で子供の命乞いをしている。
「この子はまだ赤ん坊なんじゃ。こらえてつかあさい!」
「お前らはワイの大切なもんを奪うた!こらえる訳にはいかんのじゃ!」
軍人はすがる母親を突き飛ばすと、幼子もろとも母親にアサルトライフルの銃口を向け、引き金をしぼった。
「ハッ!」
ブルネットの長い髪の女は、乱雑な自分のアパートの部屋で、この集落の夢から覚めたのだった。
「夢……じゃったんか」
女は独りつぶやくと、ぼんやりした頭で枕元の時計を見た。
「おえん!もうこんな時間じゃ!」
女はベッドからパンツ一枚の姿で飛び起きると、
すぐさまシャワールームへと向かった。
熱いシャワーを浴びて、女の小ぶりな乳房や尻はほんのりと桃色に染まっていくが、女は全く意に介することなく、熱いシャワーを全身に浴びせていく。
あまり洗濯してなさそうなバスタオルで彼女はごしごしと乱暴に身体を拭くと、部屋のクローゼットから新しい下着と派手なドレスを取り出して着替えはじめた。どうも彼女の仕事は、夜の蝶らしい。
彼女は身支度を整えると、大急ぎで彼女の勤め先のバーへと向かっていった。