表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/12

依存

この途中から、新ルートに入ります。

 電話が終わって数ヶ月が経った。やる気が起きない。


 寂しい、寂しい、寂しい。


 絶えられなくなっていた。携帯を意味もなく触る。なんだこれ。1人でいたくない。



 ふととあるコミュサイトに目が行く。暇潰しにいいかもな。これサクラとかどうなんだ。

 

 登録を済ませ数人に送信する。しばらくして返事が返ってきた。


 「塾の先生なんですか?すごいですね^^」


 塾でも小中学生とはよくしゃべっている。高校生もそのノリでいいのかな?

 

 不安を抱えつつまた返事をする。

 

 仲良くなった子が数人できた。

 

 アド交換もできた。

 

 電話もした。

 

 会ってみる?と恐る恐るメールする。


 「いいよー^^」


 意外にも軽くOKがもらえた。

 

 実際に会ってみる。

 

 可愛いぞ。寂しさを紛らわすには十分だった。

 

 脈略も無くくすぐったりしてみる。

 

 頭を撫でてみる。

 

 とりあえず褒めてみる。

 

 悪い気分はしてないみたいだ。


 


 今日初めてあったのに。



 おかしな雰囲気になってきた。

 

 キスしてみよっかな。怒られたら謝ろう。

 

 ……受け入れられた。

 

 この先も?


 「しよっか」


 女の子は頷く。あれ、マジで?


 これで気分を良くしてしまった。携帯に登録したメル友は消えてはどんどん増えて行く。

 

 没頭した。ひたすら繰り返した。

 

 最初のうちは名前や人数を覚えていたのだが、面倒になった。






 こうして依存はエスカレートしていく。刹那的ではあるが寂しさが紛らわせるのに加えて、必要とされている感覚に陥った。求められればそれに応えたい。例えそれが仮初の愛だとしても。愛で無かったとしても。


 禁断症状こそ出ないものの完全に中毒となっていった。中毒になりつつ自分を防衛しようと、正当化しようと常に脳に働きかける。


 麻薬じゃないもの害なんてない。


 相手を傷つけなければ問題ない。


 別にいつでもやめられる。


 

 病気利得を得る為に否認をする。言い訳を続ける。


 

 俺は可愛そうなんだ。親のせいなんだ。だから依存してもいいよね?


 人間はいつか死ぬんだ。だから依存してもいいよね?


 これで心が安らぐんだからいいじゃない。法に違反してなきゃいいじゃない。




 大樹は自分が依存症だとは思っていない。しかしその思考はまさに、依存症以外の何物でもなかった。


 感覚が麻痺して、どうやって人を好きになるのかわからなくなっていた。いつも遊んでいる女の子達は見て可愛いとは思う。行為にも及ぶ。でも好きかと云えば少し違った気がした。そばにいてくれれば嬉しい。だがそれだけだった。他の子でも良かった。それを愛と呼べないという事は自覚する事ができている。



 じゃあ、愛ってなんだろう。


 香織に対する気持ちは愛だったと言える。きっとそれと同じような気持ちになったら愛なのかな。


 そう考えるともう3年以上恋愛をしていない事になる。この先、人を好きになる事はあるのだろうか。


 怖くなって祐治に相談をした。全てを話して。祐治がくれたアドバイスは、とりあえずメル友などを切れ、というものだった。


 大樹はその日、登録されている女の子のメモリーの半分を消去した。それ以上はまだできなかった。

 


 そうして過ごしているうちに、大樹は1人の女性と出逢う事となる。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ