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異常な日常

この作品は、第一弾作品mazeの設定を引き継いだ別ルートになっています。作品テーマが違うので同設定の別物と思って頂ければ幸いです。


もしよろしければ、mazeの1話だけ先に読んでからこちらをお読み下さい。


今回は一切本文でアニメネタを出さない予定です。

 「電気……消して?」


 とあるラブホテルの1室のベッドの上で2人はお互いの視線を絡ませていた。少女の右側に腰をかけて、左手で優しく頭を撫でながら少女の長くて綺麗な髪を何度もなぞる。少女は……たしか名前は絵里ちゃんといっただろうか。絵里の瞳が段々と潤んでいくのがわかった。そういう雰囲気になっていくと、絵里は恥ずかしさからか少し視線を外してそっぽを向いた。


 男の右手は絵里のおでこに向かった。触れるか触れないか、そんな力加減で軽く前髪をかきあげつつ耳を通り越して頬へと移動する。指が耳に擦れたり頬をウロウロとしていると絵里の体がほんの小さく震えるのがわかった。


 そのまま絵里の顎のあたりにある手に少しだけ力を入れてこちらを向かせた。目を閉じて首を斜めにかしげて交差するように、絵里の唇に自分の唇を重ねた。時間にして5秒くらい2人の唇が触れ合う。男はその後すぐに目を開けた。瞳を閉じたままの少女の顔を体を起こしながら観察をする。絵里はその2秒後にゆっくりと目を開いた。


 再び吸い込まれるように絵里の口元へ。最初は同じように唇を合わせると、次に絵里の上唇を自分の上下の唇で軽くはさむ。次は絵里の下唇を。それから絵里の唇を自分の舌で湿らせながら同じように繰り返した。摩擦の減った唇の間へ、奥へと舌を進ませると絵里の舌が出迎えていた。円を描くように舌を動かして、ザラザラな感触とツルツルな感触を絵里に味わわせる。逆方向に舌を回したり8の字を描くように舌を動かしたりしていると、それに応えるかのように絵里の舌使いも活気を帯びてきていた。


 男はしばらく楽しんだ後一旦舌を戻して軽いキスをして体を起こすと、見つめながら絵里の体を覆っているバスタオルに手を掛けようとした。


 「大樹さん……電気」


 トロンとした目つきで懇願するように絵里は目の前にいる男、栗原クリハラ 大樹ダイキに向かってお願いをした。


 「ホテルってさぁ電気ついてても暗いっていうか重苦しい空気っていうか、そんな気がしない?」


 大樹はそういって同意を求めた。嘘ではない。本当にいつもそう思っていた。


 「それにさ絵里ちゃんの顔を見ながら、シタイんだ」


 言いながら自分の左手が腕枕になるように絵里をベッドへと寝かせる。


 「恥ずかしいよぉ」


 絵里はバスタオルの上から両手で胸を隠すと、顔だけ横向きにして視線を外した。


 やべぇ、超キャワゥィ。


 大樹はガードの疎かになっている絵里の耳に狙いを定めた。息を吹きかけると吐息と共に絵里の体が反応する。耳の形に沿って舌を這わせると我慢できずに絵里から声が漏れた。


 「耳ダメぇ……弱いからぁ」


 右手で耳を押さえながら甘い声を出す絵里の様子を楽しみつつ、今度は腕から脇へと攻撃目標を変更した。くすぐったさを抑えきれずに絵里はベッドの上で少し暴れた。その隙にバスタオルの繋ぎ目へと大樹は指を忍ばせていた。動いたせいでバスタオルははだけて、絵里の白くて弾力のある瑞々しい裸が露になった。


 「絵里ちゃん、すごくキレイだよ」


 絵里に覆いかぶさり長く長くキスをした後、大樹は全身の味見を開始した。







 「大樹さんて、実はSなんですか?」


 メールと電話だととっても優しいお兄さんの感じがしたんですけど。セーラー服に着替えながら絵里はほっぺたを膨らませている。


 「全然Sじゃないよ?優しくしたよね?」


 「だって電気消してくれないし……言葉攻めするし……」


 ボソボソっとした声で不満を漏らした絵里の頬は少し赤みを帯びている。


 そんな絵里を後ろから抱きしめながら大樹は絵里の耳元で尋ねた。シャワー上がりの石鹸の匂いが鼻をくすぐる。


 「やだった?」


 不安に怯える子供のような大樹の問いに、言葉ではなくキスで絵里は答えた後に付け加えた。


 「でも、絶対にイヂワルですっ!」



 道を聞きながら車で絵里の自宅そばまで送り届け、キスをして別れた。左ポケットからジッポを取り出し、車内では我慢をしていた煙草に火を点けた。ジッポのオイルの匂いとマルボロの独特の匂いが辺りを包んだ。


 ーー写メよりも可愛かったなぁ。


 今日初めて会った絵里の顔と感触と、そして絵里の中にいた暖かさを噛み締めていた。




 大樹のそばにいる女の子が割とコロコロ変わるのは日常茶飯事だった。


 お酒も好き、煙草も好き、ネットも好き、パチスロも好き、女の子も好き、SEXも好き。



 大樹は恐らく依存症なのだ。


 ストレスを抱えたり落ち込んでしまった時、心が苦しくてたまらない状態で何かにすがって救われる。いや救われた気がするだけでもいい。


 大樹にとってのそれが性行為だった。欲求というよりむしろ、嫌な状況からの逃避だったのかもしれない。


 生きている実感が欲しい、強い刺激が欲しい。とにかく自分の存在意義が欲しくなる。それに男性にとっての性行為は、男らしさの象徴、力や存在価値の証明にもなりうる。相手から求められる事で自分に魅力がある事を認識し、女性を言ってみれば支配する事により自分を誇示する。


 さらにはそこに大きな快感もあるのだ。抗う事は容易ではない。


 こうして大樹は底の見えない深みへとはまっていった。

今までの反省を踏まえ、描写を増やそうと思ったらエロ作品に。


途中で飽きて描写が疎かにならないといいのですが。

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