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第7楽譜:寄り道

久しぶりの更新です

今回はちょっとラブってます

サーナに地獄花のエキスを接種させて三日が立った

「ロクス…そろそろ寝なさいよ」

カナメが心配をして、ロクスの肩を叩く

「いや…サーナがこうなったのは俺のせいだ。絶対寝ない」

ロクスの顔は緑色になっている、極度の緊張と疲労、寝不足からだ

「…本当に大丈夫?」

念を押して聞いてみたが

「ああ…バリバリ元気

「そんな緑色じゃ説得力ないわよ!」………」

突っ込まれてしまった、だけど寝るわけには行かない

早く元気になった姿をみたい!それに…心配で寝れないのだ(涙)

「…ん…」

サーナがゆっくりと目を開いた

「サーナ!」

ロクスがサーナを抱きしめ…ようとした

「サーナ!!」

カナメに突き飛ばされ、しっくいの壁に突き刺さる

カナメは泣きながらサーナを抱き締めた

「カナメ…どうしたの?そんなに泣いて…」

「な…なんでもないわよ」

相変わらず素直じゃないなあ…と壁に突き刺さったままロクスは思った

「あの…カナメ…ロクスは…ロクスは?」

カナメは涙を拭うと指を指した

……上半身が埋まってますね……

「ロクス?大丈夫?」

ロクスは埋まりながら答える

「だいじょばないよ…抜いて」

カナメと二人がかりでロクスを引き抜く

壁の中から緑色のロクスが出てきた

「…サーナ!」

サーナに勢い良く抱きつく

「きゃ!?ちょっ…大袈裟…ってあれ?」

ロクスは抱きついたまま寝息を立てていた

「…もう…カナメ、外すの手伝って?」

カナメは頷くとロクスを取り外しにかかる…がはなさない、絶対にはなさない…

「…取れないわ」

「えっ…しょうがないなあ…」

ロクスに抱きつかれたままベッドに入るサーナ

「このまま、寝かせてあげましょ…」



「ん…」

ねちまったか…ってオイオイ!

隣にはサーナが静かに寝息を立てていた

「……かわいい…」

近くで良く見ると綺麗な顔だ

正に天使の様な寝顔だ、思わずキスをしたくなる…ていうかしようとしてる

「ん…」

げっ!目を覚ました…こ、殺される

「…クスっ」

サーナは怒らずに笑っただけだった

「…おはよ♪」

ロクスは赤面し小さな声でおはようと言った

「地獄花…とって来てくれたんだ?」

黙って頷く

「…ボロボロになりながら…ありがとう…」

サーナに強く抱きつかれる

「…俺のせいだったし…さ、サーナを…死なせたくなかったんだ…」

照れながら呟くように言う

「ロクス……大好き♪」

ギュっと抱きつく力が上がる

小さな胸が麻のシャツを通して当たっているのが分かる

鼓動が早くなる

サーナがロクスを上目使いで見上げ目を閉じる

顔をだんだん近付けて…サーナの吐息を感じられるほど…

「うは!起きたかい?ロークス」

バッと二人で離れた

「お…おう!起きたぞ!」

サーナは顔が真っ赤だ、恐らく自分もそうであろう

「顔が緑色だぜ!ロークス!」

って緑色なんかい

「わ…私ご飯作ってくるね…」

ああ…行ってらっしゃい…しばらく顔も見られないよ…トホホ…

ピエールから聞いた所、俺は一週間寝てたらしい

道理で腹ペコな訳だ

「まあ…いいや…飯出来るまで風呂入ってくる」

ドラゴンの血とかで汚い、サーナ、よく一緒に寝れてたな…

鎧と内服を脱ぎ、シャワーを浴びる

アー…生き返る…

髪を洗い体に付いた血を擦り落とす

「ふう」

風呂から上がり、体を拭く、予め持ってきてあった服を着た

鎧とかは後で洗うとしてとりあえずは飯だ

俺は部屋についている木のテーブルセットに座り、窓の外を眺める

「雲ってるなあ…」


見事なまでの曇天を見てため息をつく

「……出かけられないなあ…」

買い物とか行きたかった、鎧にヒビとか入っていて正直ヤバい

そんな事を考えているとドア越しにサーナの声が聞こえた

「ロクス〜開けて下さ〜い」

窓から離れ、ドアを開けるとサンドイッチやらチキンやらの皿を抱えたサーナが入って来てテーブルに置いた

「作り過ぎちゃった♪」

うん。作り過ぎ

10人前はあるぞ?

「テへ♪のこさないでね」

オウ、ジーザス

これは…無理かな?……そんな…ウル目の上目で見ないでくれ…

食うしかないか…

「いただきます!」

勢いよく食べるロクス、サーナは笑顔で見つめている



「……ゲフ…ご、ごちそうさま…」

テーブルに突っ伏すロクス、完食である

「お粗末様…」

サーナはニコニコしながら皿をかたす

ロクスの部屋にある水道でチャチャっと洗う

「ねぇ」

エプロンで手を拭きながらサーナが問掛けてくる

「ん?」

テーブルから顔を上げてサーナを見る

「これから買い物行きません?買いたい物があるの〜」

ん…雨が降りそうですが?

「大丈夫!すぐだから」

とロクスの手を引き、買い物に連れて行った



「…あの二人いい感じね?」

窓からカナメは二人を眺めている

「…確かにな。残念だったな…カナメ、ロクス取られて」

アシュカーがカナメにニヤリと笑うとカナメはそっぽを向く

「別に…あんな男位…」

やっぱり残念そうだな。アシュカーはそう思った




「げっ…降ってきたな…」

パラパラと雨が石畳を叩く

「走るぞ!」

ロクスは新しく買った鎧とサーナの魔導書の袋を担ぎ走る

「うん!」

サーナも後ろからおっかけてくる

最初はパラパラだった雨がザーザー降りになった

「…サーナ!アソコの空き家を借りるぞ!」

空き家のドアを開けて中に入る

「…くぅぅ…ビショビショだ…」

麻の服を脱ぎ絞るとサーナの方を見る

サーナの白いワンピースのような普段着は濡れていて肌にくっついていた

「……」

サーナは無言で背中を向け、指で壁を指し、あっち向けと言っていた

「う…すまん…」

俺はおとなしく従った

サーナが服を脱ぎ、絞る音が聞こえた

「ねぇ…ロクス…」

サーナが急に話しかけてくる

ドキリとした

決して振り向こうとしてた訳じゃない

「…な…なんだ?」

ちょっと声が裏返ってしまった

「ロクスってさ…どうして旅してるの?私は話した通りお兄ちゃんに会いに行くだけだけど…」

なるほど…まだ話してなかったっけ?

旅の理由

「ああ…あれは一年前だったなあ…」

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