第二楽譜:旅の始まり
青い空、白い雲、緑の草の絨毯、草原をかける魔物
「ロクス!そっちに行ったよ!」
現在、トカゲを直立させたような魔物と戦闘中である
「まかせろ!」
サーナの悲鳴のような叫びに笑って答える
トカゲの長い爪による攻撃を防いだ。そのまま鍔ぜりあいになる
鍔ぜりあいの最中、ロクスは急に力を抜き、剣を回した
トカゲはバランスを崩し、倒れそうになった
その剣を回した遠心力を利用し、トカゲの首筋に蹴りを叩きこんむ。トカゲの2m近い巨体は吹き飛び岩に叩き付けられた
「止めだ!」
立ち上がろうとしたトカゲの体に剣をつきたてた
断末魔の叫びをあげるとピクリとも動かなくなった
「…ふぅ…」
一息ついて後ろを振り向くともう一匹トカゲが迫っていた
(ガードが…間に合わない!!)
トカゲのタックルを受け、軽々と吹き飛ばされ岩に叩き付けられた。吐いた息から鉄さびの味がする
……死んだ…
そう諦めかけた時、向かってきたトカゲを火の玉が吹き飛ばした
「…ふん!アンタの為に攻撃した訳じゃないんだからね!」
カナメが聞いてもいないことに顔を赤くしながら答えた
火の玉に打たれたトカゲは逃げ出したみたいだ。とりあえず、俺は休む
「ウッホホーイ!」
奇声をあげながらピエールが槍を振り回し、トカゲを滅多打ちにしていた
トカゲがある程度弱ると槍で首を跳ねた
ヤツはふざけているがやるときにはやってくれる。だから信頼している
そしてクロは本を読みながらトカゲ3匹いっぺんに相手をしていた
足技だけで互角に渡りあっている
「話にならん」
本をバンッと閉じると急にトカゲ達は倒れた、何をしたのか全く見えなかった
「届け…私の祈り…【ヒールウィンド】」
サーナの声が聞こえ涼やかで柔らかい風が俺を包む、傷がみる内に消えていく
「ありがとう、サーナ」
礼を言うとサーナはヒマワリのような笑みを返してくれた
一息つくと仲間の様子を見てみた
サーナは仲間に魔法をかけて回っていたし、ピエールは歯を無駄に輝かせている
クロは本の続きを読んでるし、カナメは俺と目が合い
「ふん!」
って聞こえて来そうな感じで顔を背けていた
アシュカーはトカゲの肉や鱗を剥いでは鞄に摘めていたとまあ、個性豊かな仲間達との旅は景気よく続き、この後の戦闘も難無くやりすごせたが…まさか、あんなところでヤツラが暴走するとは…
現在地:平原→鉱山まで後一日
その朝だった
俺は珍しく早起きした。起きていると言えば俺とピエール位だ
「おーう!ロークス!朝稽古だ。付き合ってくれたまえ」
と俺を見るなり意気揚々と槍を取ったが
ギュム!
運悪く、クロの足を踏んでいるではないか、油の切れた人形のように首をピエールに向けてから
「叩き壊す」
の一言でピエールをボコボコにし始めた「うは!ロークス!ピーンチ!ヘルプミー!」
なんだか助けを呼んでいるが巻き込まれたくないため放置
とりあえずまだ起きていない女性陣を起こしに行こう
「……しかしまぁ…」
安らかに寝息を立てている女性陣を見下ろしため息をついた
「…なんで皆下着?」
恐らく交えの服が少ないからコマメに脱いで魔法で洗濯してるのだろう…とりあえず「起こすか」
とりあえずサーナの肩に手をかけようとした。
「インザスカイ!!」
ピエールが飛んできて俺にぶち当たった、前のめりに倒れ、右手に何か柔らかい感触、唇に青春の味、サーナがいきなり目を覚ました
「いやぁあああああ!!このヘンターイ!」
顔を殴られ、体が宙を舞う。俺は四回転半して地面に叩き付けられた「ロクスの…バカ!!ひっく…ウェェェン!」
地面から起き上がりサーナをなだめるが泣きやむ気配がない
カナメは
「サイテー!」
と俺に張り手をした。痛い、アシュカーは今にも刀を抜かんばかりだし、クロは我かんせずと本を読んでいる
ピエールは俺の肩を叩いて頷いた
……テメェが元凶だろ。このヤロー
とりあえず切り捨てといた
鉱山についてもサーナは俺に口をきいてくれなかった
しかしこの鉱山が閉山した理由が…まさかコレだったとは…