プロローグ:フェアリーガール
森の町、シラク
すっかり暗くなった夜道を俺は歩いていた
「いや!やめて!」
柄の悪い男達に囲まれた少女を見つけた、町についたばかりで少し悩んだがやはり助けよう
「おい!何をしている!」
男達が一気に振り返った
「なんだテメェは?俺達はこの町を仕切る…ぶほぁ!」
話を聞くのが面倒なんでとりあえず殴った
「テメェ…覚悟は…ギャア!!」
二人目も殴った。
あー…めんどくさ…
「……とりあえず…全員殴っとくか…」
拳をボキボキならしてから三分後…
「に、逃げろー!」
チンピラ達は脇目もよらず逃げていった。少女を見てみた
少女は俺と同じ旅人で職業は神官だろう。背中に羽が生えている、彼女はフェアリーだ
「大丈夫か?」
少女は大分乱暴されたみたいだ。顔は痣だらけだし、服は破られていた
「…ヒック…うっく…あなた…だれ…?もう…乱暴しないで…」
涙を流しながら俺を拒否する、とりあえずマントをかけてやる
まあ…長旅で汚いがないよりはマシだ
「俺はロクス、ロクス・ヴィンテージだ。俺は乱暴はしないよ」にっこり微笑むと少女も自己紹介を始めた
「…私はサーナ…サーナ・レイです…」サーナは涙を拭きながら自己紹介をしてくれた
「サーナか。いい名前だ、君、宿はどこだ?そこまで送ろう」
サーナに俺は手をさしのべたが首を横に振られた
「いえ…けっこうです」
まだ信用がないのだろうか、幾等言っても首を横に振るだけだ
もしや…
「君…宿がないのか?」
そういうと彼女は顔を真っ赤にしてこっくりと頷いた
うーん…放置するわけには行かないし…仕方ない
「サーナ、俺の宿に泊まらないか?一応シャワーはあるし食事と暖かい寝床もある」
まあ…下心が無いわけではないが…無理矢理はしない
「…いいの?……変な事しない?」
サーナに釘をさされギクリとした。する必要はなかったと思うが…
「…ないよ。じゃあ行こうか」
サーナに手を差し出すとそれを握り返してくる小さな暖かい手、これが…俺、ロクスとサーナの出会いだった