表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

『夏のホラー2022』投稿作品

ラジオドラマの呪い

作者: 桜橋あかね

「………よし、これで完成」

そう僕が呟く。


この日は、ラジオドラマ用のホラー作品の脚本を書ききったのだ。

……まあ、締め切り日の前日に間に合わせたんだけど。


ラジオドラマの脚本を書き始めて、早5年。

様々な作品を書いてきたけど、ホラー物は苦手。

どうやったら怖がらせるか、そこが悩みどころなのだ。


今回の作品は、心霊スポットの除霊をする祓い師が逆に呪われる話。

今までの祓った霊が強力になって再び現れ、『彼』に仕返しをするというのだ。

で、最後は『彼』も地縛霊になる……


ちょっと強引なオチだけど、仕方がない。


原稿をドラマの監督にファックスを送る。


「これで、返答待ちと」


翌日、その監督から電話が来た。

『よぉ、毎度の事ながら面白い作品やなぁ。改善点は無いし、このままで行こう』


「本当、ですか?」


『ああ』


その返答を聞いて、安心した。

……のだが、()()がそのドラマの収録日に起きた。


▪▪▪


「ほな、今日はよろしくな」

監督が、ドラマの出演者にそう挨拶をした。


今回の出演は、これも贔屓にしている演劇団の皆様にお願いした。


「それでは、収録を行いましょう」

団長がそう言うと、団員の皆は収録室へ入っていった。


『……ここが、今回の現場か』

と、第一声が聞こえ、収録が始まる。


順調な滑り出し、となったのだが……急に収録室内の電気が消えたのだ。


『な、何が起こっているんだ!?』

室内に居る団員達が、慌て始める。


「おい!どうなっている!」

監督がスタッフにそう怒鳴る。


「……わ、分かりません」

スタッフの一人が、そう返す。


『き、きゃぁぁ!』


その団員の中の一人が叫んだと思ったら、電気が再び付いた。

そこには、叫び声を上げた女性団員が泡を吹きながら横たわっていた。


収録はそこで打ちきりになり、警察の取り調べが行われた。


……女性団員の死因は、検査をしても解らなかったと聞いている。

不可解ながらも、これ以上の捜査は困難とされた。


▪▪▪


ちなみに、この事件があったスタジオには昔から『いわく付き』があるみたいなのだが、これと関係があるのかも知れない。


その証拠とは大袈裟ではあるが、この事件の後にこのスタジオは閉鎖になったという。


――そのスタジオの敷地内から、白骨遺体が見つかったのはまた別のお話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 霊が出てくるような話だから、死体さんを刺激してしまったのかなと思いました。今回の事件とドラマの内容が似ているのも、偶然の一致で片付けられない気も……。
[良い点] ほ、ほ、ほ、ほんげぇぇーーー!! ( >Д<;)
[良い点] ううう怖いです((((;゜Д゜))))))) 私ホラー苦手なんですけど、今ホラー書いてます。オチまで分かっているのに、なかなか筆が進まないという訳の分からない状態です。それで他の作者様のホ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ