ある日森の中
とりあえず入り口側に向かわせた狼達が帰ってきたから入り口の方が近いと分かったので一緒に入り口の確認をしに行ってるけど・・・
「長い!そして景色が全く変わらない!」
ははは!かれこれ1時間は歩いてるけど全く変わらないなぁ!唯一変わったのはギドラの死体が有るか無いかだけだよ。
「いや本当に長すぎない?」
狼達を派遣して30分位で戻ってきたような感じがしたけど未だに変化がない、全力で行って戻ってきたのか?だとしたらもう少しかかりそうだな。片道でこんなに時間かかるとは思わなかったよ
「ねぇ君たち?入り口までまだ時間かかるかな?」
なんて狼に言っても・・・いや首縦に振ってるし時間かかるのか。
そういや調査して来てくれとか一匹残して案内とかちゃんと聞いてたし今更か
「そういえば忘れていないとは思いますが念のため、ダンジョンを出るとダンジョンコアを通して話をしているのでこの念話やダンジョンの機能が一時的に使えなくなるのでご注意下さい」
「確認ありがとうございます」
すっかり忘れてたよ!エリン様が言ってくれなかったら普通にエリン様とかに話しかけようとして焦ってた奴だ。とりあえず覚えてる振りしとこう。
「しかし歩きでダンジョンの外まで行こうとは物好きですね、機能を使えばすぐですのに」
「???今なんと?」
「ですので機能を・・・まさかこれも忘れていたのですか?」
やばい!連鎖的に色々忘れてるのバレる!でも流石にここからまた歩くのは辛いから諦めて聞こう。
「申し訳ない、完全に忘れてるから教えて欲しい」
「これに関してはチュートリアルでの事でしたので覚えていると思ったのですが」
[エリン様の視線が冷たいを通り越し絶対零度(な気がする)あなたはどうする?]
【1:謝る】【2:説明もう一度コール】【3:責任を押し付ける】【4:無言】
なんてやってる場合じゃないな、覚えてないのが悪いし普通に謝ろう
「すまない」
「はぁ・・・仕方ないですね、まぁその機能は取得だけで説明等はありませんでしたからね。使い方としては[機能一覧からダンジョン内転移を選択するとダンジョンの全体マップがコア、及び脳裏に浮かぶので行きたい所を選択すれば転移が完了]となります。※ダンジョン関係者は複数同時に転移可能となりますが転移する際はダンジョンマスターからの許可が必要となります」
ふむふむ機能一覧からね
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☆ダンジョン機能一覧 総DP (残DP1130)
・ダンジョン拡張 (5000DP)
・階層追加 (5万DP)[現在のダンジョン1階層]
・ダンジョン内転移
・甘味複製(地球)(300DP)
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本当にあった、これに気付かないってどんだけ間抜けなんだ俺・・・この調子だと他にも忘れてそうだな。帰ってきたらもう一度確認しよう
「えーとダンジョン内転移選んでっと・・・は?」
あの、最初にいた地点から5km先が出口なんですが、そんで奥も5km・・・え?拡張一回で5kmも拡張できるの?しかもこの縦と横の広さで?一体何を想定して拡張する広さを決めたんだ。とりあえず今は出口に行ってみるか、一緒にいる狼達も指定してっと[ピッ]
「うっ!気持ち悪い」
目の前が急にグワングワンして気づいたら転移って・・・これ目を瞑ってないと毎回酔う奴だ。
「やはり肉体は魔族でも精神は人のままですね。そういう人の感性を持つ方は転移酔いを起こしやすい傾向にありますので」
そういうのは先に言っといて欲しかった。おかげで気持ち悪い、そして狼達が近くに転移してきてるけど問題なさそうだ・・・羨ましい
「とにかくこれで初めて外に出られる」
祝!初外出!まぁすぐ戻ってくるけどダンジョン周辺の様子見だけね?
「先ほどもいいましたがダンジョンの外に出ると機能の全てが使用不可能になるので注意して下さい」
「軽く見て回るだけだし大丈夫大丈夫!」
(この人、フラグ立て過ぎでは?)
さてさて、では探索としますか!
[ダンジョンマスターがダンジョン範囲外に出た事により一時的に機能が使えなくなります、ご注意下さい【ヘルプセンターが切断されました】]
ダンジョンを出るとそこは森の中だった、普通よりは大きいが山に面した普通の洞窟の入り口である様に見えるがこれがダンジョンの入り口のようだ(とはいえギドラが入れる大きさではないが・・・どうやって入ってきたんだ?)
「外は今朝なのかぁ・・・空気が冷えてて美味しい!」
狼達が近くにいるから獣臭さはあるけど、それも自然なら普通と思っておこう
「初めての外で登山か森林浴か・・・悩むな」
情報収集なら山だけど、軽く見るだけっていったし少し森を歩くだけにしておこう。山上り始めたら止まりそうにないからね
「それにしても、森は普通だな」
あんなに大きな蛇とかいたんだしもっと木の一つ一つが大きかったり森自体が魔境的なのを想像してたけど、なんてことのない森だな。
「とりあえず迷わないように連絡役としてダンジョン入り口に一匹残って他は付いてきてくれ」
たしか狼って遠吠えでお互いの情報を伝えられるんだよね?もし伝えられなかったら迷子になりそうだな。
こうして俺は森に行く事になったけど、まさかの形で初対面するとは思わなかった。
~~~~~~~~~~~~~~時は少し遡り~~~~~~~~~~~~~~~~
【辺境の開拓地・ミル村】
「行ってきます!お母さん!」
「いつも言ってるけど森の奥には行っちゃいけないよ!ここ最近は森の生き物が妙にざわついてるから何かあったのかもしれないから余計にね」
「分かってるよ!大体皆は畑に行ってるのに何で私は野草取りなの?」
「そりゃ今のアンタじゃレベルもないしスキルとかも育ってないだろ?もう少し大きくなったら手伝ってちょうだい」
「でも森は危険だと思うんだけど・・・」
「そうは言っても見回りの騎士様や狩人の家の人達、冒険者の人達はこの辺で見るのは普通の猪や鹿が多くて狼や魔獣は森の奥から滅多に出てこないって話だから危険なんて少ないわよ、それこそダンジョンでも近くに生まれてスタンビートでも起こらない限りはね。ほら!早くいかないとお昼までに帰ってこれなくなっちゃうよ!」
「ふーん・・・騎士様達が言うならそうなのかな?いってきます!」
もう何度も森に入ってるけど私は鹿さんを遠目に見た事しかないから皆が怖がってる狼や魔獣っていうのがどれ位怖いのか分からないなぁ・・・騎士様達も緊張してたし、騎士様が冒険者の人と模擬戦をしてたの見たけど騎士様達より強い魔獣ってどれだけ強いんだろ?きっと倒せれば私もLVを一気に上げられて皆の役に立てるかな・・・でも今のままだと負けちゃうよね。うん、とりあえずは薬草やキノコとかを取ってスキルを少しでも上げていこう。
(でも最近取ってる辺りだともう薬草殆ど取れてないんだよね、もう少し別の場所を探すべきかな?)
「聞いたか?冒険者の一人が森の奥でギドラが移動した痕跡を見つけたみたいだぜ?」
「あぁ・・・なんでも最近まで他の魔獣達の縄張り同様普段通りだったけど急にどこかへと行っちまったらしい。しかも近くにいる他の餌である動物達を深追いせずに」
「あの貪欲な大蛇が?冗談だろ?それでどっちに行ったか位は検討付いてるのか?」
「あぁ、どうやら山の方に向かったらしい」
「山?あんな危険地帯にあの縄張りから出たことがない大蛇が行くってのか?それこそ冗談だろ?」
「俺達もそいつが酒を飲んでた状態で言ってたから冗談かと思ったけど素面でも言ってたし本当らしい。」
「じゃあ後で見回りの連中全員駆り出されて調べたりしなきゃいけないかもな」
「最悪騎士団の派遣までありえるかもしれないな」
「はぁ?こんなとこまで騎士団が出張ってくるか?確かに未開拓地が多いがこっちらへんには大きなダンジョンが殆どないし攻められた事もないんだろ?攻めてくる余裕のあるダンジョンまで成長してない所ばかりのこっちにたかが魔獣一匹の行動が変わった位で来てくれるはずないだろう」
「それもそうか、それにもし山の方に新しくダンジョンが生まれてギドラが引き付けられたんだとしてもギドラ相手じゃ生まれたばかりのダンジョンじゃ相手にならないだろうな。暫くしたらギドラが縄張りに強くなって戻ってそれで終わりだな」
「ちげぇねぇ!そうしたら今まで通り手出しせずに観察してればそれで依頼完了だな!」
ガハハっと笑いながら巡回の冒険者の一団が森から帰ってきたようだ・・・今の話が聞こえた限りだと魔獣が山の方に行ったってことだよね?なら少し奥まで行って薬草を探しても問題ないかな?巡回の人達が帰ってきたばっかだし危険な動物とかも暫く寄ってこないだろうし、ちょっと奥に行く位ならいいよね?
「おや?君はカリンさんのとこの、今日も薬草取りかい?」
「はい!今日は何時もより沢山取りたいと思ってます!」
「それはカリンさん達も喜ぶだろうな!そうそう、カリンさんとかなら言ってそうだけど一応言わせてもらうね?ここ最近動物や魔獣の動きが活発になってるからね。少しでも異変を感じたらすぐ引き返してくるんだよ?」
「分かりました、教えてくれてありがとうございます!」
「はっはっは!いつも礼儀正しいなお嬢ちゃんは!まぁこちらも警備を任されている身だからね、これも仕事の内さ」
そういって村の出入り口を警備している騎士の人と話をしてから森に行くことになった、特にいつもと変わらない一日だ。
「うーん・・・やっぱりここら辺だともう殆ど薬草が取れないなぁ」
私は何時も薬草を取っていた場所に来たけど予想通りあまり薬草が取れなかった。それでも一応最低限は取れたから帰っても問題ないけど。
「騎士様に沢山取るって行ったしなぁ・・・もう少し奥まで見てみようかな?」
(たしか魔獣が山の方に向かったって聞いたし少し位なら奥にいっても大丈夫だよね?)
そうして私はいつもより森の奥に入って行くことにした。周辺はいつもより獣臭が多いけど森の浅い場所と同じで小動物以外見かけない、所々で木が薙ぎ倒されているのが見えるけどなんでか大きな動物とかも一切見えない。そして薬草は普段誰も取っていないからか沢山取れるしキノコとかも一杯ある。
「あっ!暫くスキル上がってなかったのにもう上がった・・・ふふっ、やっぱり奥に来てよかった!薬草もこんなに沢山取れたしお母さん達もきっと喜んで褒めてくれるよね!」
あっ!あんな草むらにも薬草がある!ふふっ、今日は運がいいな。こんなに沢山取れるのも魔獣が山に向かってくれたお陰なのかな?でも結局なんで魔獣は山にいったんだろ・・・うーんやっぱり考えても分かんないし騎士様や皆が何とかしてくれるよね!
《ザワザワザワ》
「あれ?急に静かになった?」
さっきまで鳥の鳴き声とか聞こえてたのに急に飛んでいったけど・・・確かこういう時って早めに逃げた方がいいんだよね?大きな何かがいる時によくなるって言ってたし、、籠の中も結構一杯になったしもう帰ろう。
「....ァ?」
?声が聞こえたけど見回りの冒険者かな?それとも騎士様?どっちでもいいけど一緒に連れて帰って貰おうかな、流石に怒られるかもしれないけど危険になるよりはいいよね。
「えーと確か声が聞こえたのは向こうからかな?・・・ェッッ!?」
え、何あれ?狼?それにアレって人・・・?でも村であんな肌焼けてる人見たことないし、それに体が震えて。お母さんに聞いたことある、確か人類の敵である魔王や魔人それに連なるダンジョンの主は本能で敵だと分かるって。もしかしてあれがそうなの?
「うん?どうかした?何か見つけたのか?」
見つかった!??助けを求めてもこんな奥に来たんじゃ聞こえないだろうし、、逃げても狼の方が早いよね。うぅ、どうしたら・・・
~~~~~~~~~~~~~~時はほんの少し遡り~~~~~~~~~~~~~
【ダンジョン入り口】
さてさて森とは言ったがどこにいくか・・・ん?
「あれあっちの木が沢山折れてるとこってもしかして」
ギドラの通り道か!それなら他より視界も確保できるし何より安全だろう!よし!ギドラの通り道を進んでいこう!
「えーと今いるのは4匹で1匹ここに残して行くとして3匹か、また狼の群れとかきても何とかなるでしょ!」
まぁどうしようもなければ仕方ないとして魔法・・・は危険だし物理は危険というよりちょっと、ケチャップとか色々浴びるから嫌だけど最悪は物理で頑張ろう。
「そうだ!狼達!近くに何か隠れてたり大型の獣や魔獣が近くにいたら教えてね?」
狼達が頷いてくれる。戦闘なんかしないに越したことないからね!うんうん!
少し歩いたらすぐ帰って防衛のことを考えないとね。
「束の間のが付くけど平和っていいねぇ」
狼達が周辺を警戒してくれてるからか鳥の鳴き声一つせずシーンとしてるけどねぇ・・・あれこれ本当に狼達が原因だよね?
「エリン様に聞こうにも繋がらないんだった、覚えてられるかな?」
まぁ忘れてても暫くまた外に出ることはないでしょ。これから忙しくなるし、それに次に行くなら山を登って周辺の地形を上から把握しにいくから余り関係ないだろうし。気にしなくていいか!
~~~~~~~~~~~~~~~1時間経過~~~~~~~~~~~~~~~~
「長い!」
ギドラの奴どこまで遠くからダンジョンに来たんだよ・・・いやギドラのサイズ的には近いのか?とりあえず俺からは遠いと感じるとだけ言っておこう!
「はぁ・・・思ったより遠くまで来ちゃったかな?あまりに変化がなさすぎる」
てかこれさっきダンジョン歩いてた時と全く同じ状況じゃないか!なんでダンジョン出てまで変化が景色のあるなししかないんだ!改善を要求する!
「まぁ後もうちょっとだけ行ったら帰ろう・・・流石に最後まで行ける気がしない」
それにギドラの巣に行って蛇が大量にいたら反射で魔法放っちゃいそうだしね。切りのいいところで引き返そう。
「さてさて、ダンジョンだとあんなに襲われたのに外に出ると全然襲われないなぁ」
狼達には引き続き警戒はさせてるけど全然なんだよね。それどころか時折マーキングまでする始末(ここはお前たちの縄張りじゃないぞぉ~っと言いたい)
「まぁスライム同様雑用とか任せてるし流石にそこまで言えないけどなあ」
そう言っていると急に狼達が立ち止まって草むらを見ている前の1匹と自分を見ている2匹・・・もしかして何かある?
「うん?どうかした?何か見つけたのか?」
そういうと頷く2匹と視線を草むらから逸らさない1匹。これは警戒しているっていうより狩ろうとしているって感じかな?
「一応確認だが危険はないのか?」
そういうと今度は首を傾げて互いを見合う2匹(可愛い)・・・うーんどうしよう?危険があるかないか分からないけど警戒するほどでもないなら放置するかそれとも狩りをさせてあげるか。悩むなぁ
「うーん・・・お前達はどうしたい?」
そういうと更に困惑しているのか尻尾と耳が下がった。というより今更それ聞く?みたいな残念そうな目と念が送られてくるようでですね・・・くっ!精神にダメージが!とりあえずどうするか考えてる振りをしよう!
「さて何にするか・・・」
「ゥゥ!」
ん?今声が・・・てか子供の声?
「えーと、もしかしてだけど人の子供?」
おっ!今度は3匹とも首を縦に振った!やったね!・・・じゃない!俺子供に向かって狼消しかけようとしたみたいな状況じゃん!どうすんのこれ!?人族は魔族と敵だとは聞いてるけど流石に子供を殺す趣味はないよ!
「あー・・・3匹とも下がってくれ」
ん?3匹とも心配してくれてるのかクゥ~ンと鳴いてくれている。可愛い、でも流石に子供相手には刺激が強いから後ろで大人しくしててね?
「さてと、えーとそこにいるのは分かってるから出てきてくれないかな?」
「ヒック!エグゥ!ごろざないでぇぇ!」
「ほわぁ!」
なんでぇぇぇ!俺は狼達下がらせて出てきてほしいっていっただけなのに!なんで殺すことになって・・・あっ!
《どう対処するか考える⇒隠れてるのが人の子だと分かる⇒狼達にどうしたいか聞く⇒自分一人で前に出る⇒人類の敵が一人で前に出る⇒お前は俺が殺す!》
これは不可抗力だぁぁ!敵って前提がある限りどうあっても怖がられるじゃん!俺の馬鹿ぁ!どうする?どうすればいい!?ここからどうやってダンジョンの存在や自分の事を言わせずに帰らせてあげられる・・・?
【1:頑張って説得】【2:住んでる場所を人質として脅す】【3:とりあえずお持ち帰り】【4:仕方ないが狼達に殺させる】
思いついた限りがほぼ全滅!ただの脅しなんてその場凌ぎで意味を余りなさないだろうし自棄を起こされると大変だろう、お持ち帰りなんて変態だし更にいうなら絶対捜索されてダンジョンが見つかる・・・!そして仕方なく殺したとしても同じ結果になりかねない。やはりどうにかして秘密にしてもらえるよう説得しなくては!