ダンジョンマスターになった日4
待ち始めてから30分位経過した所で野生の狼が現れた。
エリンさんのヘルプセンターは一旦閉じさせてもらいじっくり作戦を練ったからね! (約5秒)セアルでの初戦闘だけど、頑張ろう。
一応直接倒せなかった時に考えた作戦がうまく当たればいいけど。失敗したら宿屋に籠城しかないから出来れば直接倒したいかな。
「さてっと。甘味の為に犠牲になってもらお (グルォワァァァ!)うぉわ!!いきなり突っ込んできた!てかさっき見た狼より大きくない!?」
さっきの狼でも成体位の大きさだったのに!これ自分より少し大きいんですけど!
「・・・てかよく今の突撃避けれたな俺、それに思ったよりも速く感じないけど」
今も突撃してきたけど後ろに下がって避けれてるし。これがステータスの差なのか・・・こんなに強そうな狼でもステータス差があるとこうなるって、人類来たら絶対悲惨なことになるよなぁ。
「いや、今は目の前の事に集中しよう!とりあえずお腹に思いっきり一撃を!」
よしよし。また突撃が来たな
「・・・ふっ!オラァ! (グジャァ!)」
は?
[Q:何が起きたんですか?A:避けてお腹にパンチしたらお腹周りが思いっきり潰れた]
「・・・スライムより悲惨な死体を作った俺。スライム怖いとか言える資格なかったねぇ」
いや、遠い目位させて下さい・・・目を背けさせて。
いくらステータス差あってもこれは可笑しいでしょ!物理法則仕事してる?大丈夫?・・・そういえばここ異世界でスキルやらがある世界だったわ!今更だね!はははは!
・・・・うん、なんか予想以上の出来事が起きたせいで初めて生き物を殺してしまった気持ち悪さよりもステータス差による暴力のせいで混乱してるね。
「もう起こった事だ。うん。これも甘味の為と思って切り替えよう」
相手もこっちを襲ってくるんだから正当防衛だよ、正当防衛。よし!とりあえずDPは・・・ん?300も入ったな。確かスライムが倒した時は180だったように思うけど。生命力がさっきのよりも高いからDPも多いってことなのかな?大きさもスライムが倒した個体より大きいし、この調子なら1万まで今日中には貯まるかな?
~~~~10分後~~~~
「ほわぁぁぁぁ!来るなぁ!」
これが俗にいうフラグか!流石に1体1なら余裕を持って倒せたから簡単そうって思ったけど!そりゃ狼ですからね!群れでいますよねぇぇ!8匹はいたかな!絶賛籠城中です。あっ!扉に体当たりしないで!体当たりやめてくださいお客様ぁ!
「お前だけが頼りだぞスライムゥ!」
そう!ここで敵わない場合に備えた作戦を発動したのだ!題してスライム飲料作戦!まず俺がスライムを掴む!近くに来た相手に投げる!投げたスライムで態勢を崩した狼の体内に侵入させて内から倒す!以上!
なに?成功率低そう?そこはほら・・・俺よりスライムの方が運いいからさ!いいからさ! (血涙)
それにスライムの強度もかなり上がっているようで石程とはいかないがスーパーボールぐらいの硬さにはなっていたし自分の力で投げるので威力はあるだろうし気絶していたらラッキーで態勢崩してる間にスライムが体内に入れればよし!後はスライムが数を減らしたタイミングで相手がスライムを警戒した瞬間に仕掛ける!そもそもスライムが失敗したら逃げ場ないしその場合は捨て身の特攻してやらぁ!
「ん?突進が来なくなった?」
どうやら扉から距離を取っての突進ではなく別の理由で扉付近から離れたようだ。なにやら今までこっちに向けられてた威嚇声が違う方に向いているように感じる・・・しかも離れる時別の声も聞こえたし。スライムが成功したのか?
[DPを170獲得しました]
「よし次はこっちが覚悟を決めないとな」
スライムがもしぶつかった1匹を仕留められてるなら後7匹のはず。奇襲で1匹か二匹倒せれば後はどうにかなると信じたい!てか何かダンジョンの機能で解決策がないのか!?
「・・・そういやあまり考えてなかったけど。製造可能一覧にウルフあるんだよな。」
スライムを作った後すっかり忘れてたけど召喚できるんじゃん。
しかも宿屋前にいる狼よりも少し高いし。てかなんで表記ダンジョンウルフなんだ?普通の狼じゃダメだったの?
「ええい!今は勝利するのが先だ!生きてなんぼだろう!よっし!とりあえず10匹追加だ!」
[⇒ダンジョンウルフ (10匹2000DP)DP5398]
これを入り口からこっそり顔出してっと。よしよしまだ気づかれてないな。これをダンジョンの入り口側に配置して・・・これでよし。
「おぉー、これは壮観だなぁ。」
入り口側にダンジョンウルフを召喚場所を指定して実行した所、新しい群れが来て縄張り争いしてるような光景になっている。でもダンジョンウルフ側はスライムに警戒しているようには見えないけど外から来た狼は未だにスライムに群れの1匹を倒されたからか未だかなり警戒している。召喚された者同士は争わないってことなのか又は敵ではないと思っているのか・・・そこら辺を調べるのは後でかな!
「一応残り7匹かと思ったけど。10匹召喚して1か所だけしか2対1に持ち込めてない所を見るとまだ9匹いたのか・・・」
相手も10匹の群れだったのか。あのタイミングでの数え間違えとか怖いよ!もし7匹だと思って突撃してたら・・・いやあまり変わらない気がするな
「とりあえずこのまま様子見をして・・・っ!」
安全に稼げるならそれに越したことはないと思ってこのまま様子見をしようとした時、召喚した狼も野生の狼も硬直した。
それは召喚した狼よりも後ろ・・・ダンジョンの入り口からゆっくりと入ってきた。
それは蛇のように見える、[そう見える]だけだった。蛇のように足はなく長い胴体と縦長の瞳孔。ただ一つ言えるのはここは縦横の幅もかなりの広さがある洞窟であり、二階建ての建物を建ててなお縦の空き空間が4つは入りそうな程広いのだ。そんな洞窟で入り口から来るその蛇は縦の空間を2/3を埋めているといえばその大きさが理解出来るだろう。ただただデカい蛇なのだ。それこそ鱗の大きさだけでも狼や自分サイズなのだ。それがいきなり現れたのだから本来ならすぐに逃げるに限るのだが、あいにくここは洞窟でしかも入り口側に蛇が陣取っているのだ。
「ちょ!ヘルプ!ヘルプセンター!エリンさん!あれなに!?初日からこんなの出てくるとか聞いてないよ!」
[⇒ヘルプセンター起動・・・周辺状況確認中・・・回答]
「運が悪いですね。あれはこのあたりの地域でも厄介な魔獣・ギドラです。まぁ見た通り大きさに比例してのタフさがありますが、それに加え更にスキルによって全身の強度そのものが非常に高いのです、狼や今召喚できる魔物ではそのまま丸呑みでしょうね。ついでに名前の由来は龍なのか龍じゃないのかでの議論が起こり結局妥協点が見当たらなかったので命名直前に名前にだけでもドラゴンの一部だけでも入れようとした龍派(ドラゴン派)が原因ですね」
「最後の情報今いりますか!?」
いらないよね!絶対今その説明いらないよね!こっちは絶賛大ピンチなのに名前の由来とか結局どっちか分かってないとか正直いらない情報だよね!
「そんな情報よりも今の状況でなにか勝つ方法とか逃げる方法とかないんですか!?」
「そんな情報・・・今のままでは一瞬で食べられて全滅でしょうね。ご愁傷様です」
拗ねた!?この神様今ので拗ねるの!?この世界の神様色々とズレてる気がするよ!
いや違うそうじゃない、今はこの神様に見捨てられると本当に手詰まりになりかねない!
「えっと・・・そんな情報なんていって申し訳ない!スキルとか魔獣とか知らない情報ですしまた余裕ある時教えて頂きたいです!」
これでどうだ?
「・・・今可能性があるならあなたがスキルを覚えることですね。あなたはINTがとても高いので魔法系のスキルを使えば倒せるかと」
よぉし!セーフ!次からこの神様との会話は慎重にしなければな。さて、スキルか。今まで見てないから何がどうなってるか分からないし、急いで見てみよう。
[スキル]
[武器系統]
[⇒魔法系統] [無系統] (バレット)[火系統] (ファイアバレット)[水系統] (ウォーターバレット)[風系統] (ウィンドバレット)[土系統] (ストーンバレット) 一律2000DP [~未解禁~]
[身体強化系統]
[固有系統]
「うわぁ・・・魔法だけでもこんなに多いのか。」
てか魔法だけでも属性があってそれぞれ買わないといけないとかミス出来ないじゃん!とりあえずは蛇っぽいし火か水か・・・はたまた貫通力があるかもしれない土か。ええい、男は度胸だ!火でいくぞ!
⇒(ファイアバレット)2000DP
ERROR[前提スキルが獲得されていません] (必要スキル⇒魔力制御DP3000)
「直前でいうなぁ!」
しかも3000ってこれ覚えたらDPすっからかんになるんだけど!
「っ!もう迷ってる暇はないし覚えるよこんにゃろぉ!」
もう近くまで来てるし!野生の狼がもう三匹食べられて家の前は混乱しまくってる!
NEW[魔力制御][ファイアーバレット]
「バレット系統の使い方は覚えた魔法名を唱えながら手の平を発射したい方向に向けることで発動します。また魔力は体力等とは別なので魔力制御を覚えた段階でステータス欄にMPと表記されます。」
「OK!手の平を出したい方向に向ければいいのね!」
そして魔法名を唱えるっと!狙うなら野良の狼を思いっきり食べようとしているあの口の中に突っ込んでやる!
「おらぁぁ!ちゃんと食べろよ!ファイアバレット! (キュドォォォォン!)は?」
Q:なにがおきましたか? A:魔法を唱えたら手の平から赤い光線が出てギドラの口の中を貫通して洞窟の入り口方面で爆発した。
[DPを1万2500入手しました]
「今のはなんですか?エリン様。バレットって銃弾ですよね?なのに出てきたの明らかに光線ですけど?更にいうなら爆発してますが?正直想像してたのとかなりの乖離があるのですが・・・」
ほら見てよ、生き残ってた野生の狼達が我先に逃げようとしてるんだけど。目の前のギドラの肉スルーしてだよ?俺を食べようとしてた元気が嘘みたいだよ・・・はははは (泣き)
「なにと言われましてもファイアバレットです。ただ下級とはいえ魔族で更にダンジョンマスターで一応あの主神がステータスが高めの個体にしているようなのでそれであの威力ですね。普通に今のレベルなら文字通り石礫の大きさ位でスピードもあんな速くないですね。今いる人間側では魔法特化の騎士団クラスの人達やら魔法を主軸にしている冒険者位、ダンジョン側ですと中級魔族位はありますかね?」
いやいや、これで中級やら騎士団クラスって戦争起きたらレーザー飛び交う戦地で騎士団長クラスとか高位魔族とか更に火力とか高い攻撃来るんでしょ?
絶対戦わない!俺は戦わないぞ!誰がこんなレーザークラスの攻撃を使用する相手と戦うかぁ!
[経験値を5400獲得][LVUPしました][一定以上のDPを獲得したためダンジョンレベルが1上がりました][ダンジョンレベルが上がった事により一部機能の解禁が行われます][新しいスキル威圧を習得しました][新しいスキル観察眼を習得しました]
「ぐぅ!一気に情報を頭に流すなぁぁ」
めっちゃガンガンする!風邪になってる時に近くで大音量流されてるレベルで痛い!虫歯の時に無理してアイス食べた時並に痛い!てか無駄な事考えてないとのたうち回りたくなるくらい痛い!
「おや、人の身ではかなり厳しいようですね。因みに今後は更に情報が増える可能性があるので対策をお勧めしますよ。具体的には思考分割というスキルですかね」
思考分割だな!とっとと習得したいけど思考が定まらん・・・てかこれやばっ !・・・
・・・・・・・・
「おや?気絶してしまいましたね、流石に初日から負担が大きすぎましたか。まぁ早く成長しないと魔王派やら人間至上主義派が来そうですからね、多少は無茶してでも長生きして貰わないと流石に向こうの神に申し訳が立たないので、もう少し頑張って下さいね。---さん」
今年最後の交信となりますが皆さんが来年も良いお年をお過ごしできますようお祈りします。