ダンジョンマスターになった日3
「うん、よく眠れた!」
宿屋を設置して中を確認してみたが、流石に安いだけあって作りは簡素な木造二階建てで家具とかもベットや椅子、テーブルがあるだけだったがそれでも洞窟でごろ寝せずすんだのでかなりありがたい!部屋は一階がカウンター・キッチン・個室が2つあり、2階が同じ作りの部屋が3つだった。
「もし人のような知識ある種族を働かせるとしても宿屋では2人から4人が限界かな。」
寝て起きたが変わらず洞窟だったことで現実として受け入れるしかないと諦めまじりに思ったものだ。まぁそれは置いといて、何より許せんのは邪神だな!今日は甘味セールの日だったから大量に買って楽しもうと思っていたのに・・・!これだけは何があっても許せん!そんな気持ちでいるけど実際侵入者対策はしなくちゃいけないんだよな。こっちに戦う気がなくても人類側はダンジョンを敵視してるだろうし困ったなぁ・・・
「そういえば洞窟だから寝て起きたはいいがどれ位時間経ったんだろう?」
そう、時間が分からないのである。少なくとも昼寝感覚だったし数時間しか経ってないとは思うが。
「そういえば時計みたいなのが宿屋なのにないな。」
不憫だと思うと同時にある事が頭に過った。
「あれ?これこっちの世界の言葉ってどうなってるんだ?」
今の所はコアしか文字は見てないけど、このハイテクなのが主流だとは思えないし。これって他の種族と対話とかも不可能になってたりしない?そこらへんってどうなってるか言われてないから遭遇が余計に怖くなったな。知らない言葉を喋る魔人だ!って言われてヤバい人とか来てもらいたくはないからどうにかしたいけど。まぁDPあんまないし今は考えなくていっか!
「えーと、今の残DPは・・・6798か」
寝る前に有効にした思考操作でステータス画面を見てみる。
確か寝る前のDPが5999だったから800位増えてるのか。最初に目が覚めてから30分位で宿屋を立てて寝たから30分で1回復なのかと思ったけど、これ下手したら半月は寝てた事に。いや流石にそれはないだろう!だとしたら寝ている間は獲得ポイント増えるってことなのか?
「ん?また増えたな。今度は120増えて6918か」
なんでこんなに一気に溜まったんだ?どうにかして見れないものかな?
そう思いながら思考操作をしているとある所が目に入った
「スライムのレベルが上がっとる。何があった?」
そう、スライムのレベルが上がっていたのである。因みにステータスはこうなっていた。
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[召喚済み個体状態]
スライム ステータス一覧
ジョブ:ダンジョンモンスター(最下級)[ノーネーム]
レベル:08
スキル:軟体[LV4]・物理耐性[LV5]・魔法弱性・気候弱性・耐性弱性・吸収分解[LV4]・酸耐性[LV10]
STR:4 (H) [0]
INT:2 (H)[0]
SPD:2 (H)[0]
VIT:9 (G)[1]
LUK:10 (G)[0]
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「なんでや!」
寝て起きたら夢じゃなかった所かスライムにLUKで負けてる!こんな暴挙があってたまるか!てかステータス偏りすぎでしょスライム!VITとLUK以外との上がり方の差がひどい!そしてなによりも気になるのが物理弱性から耐性になってたり酸耐性付いて異様に高いことだったり。とにかく寝ている間にスライムに何があった!てか酸耐性とかどうやってつけた!
「とりあえず外に出て確認を・・・ゔっ!」
うぅ、すごい臭いだ。この臭いって獣臭だっけかな?たしかそんな臭いのはず。てか初日からダンジョンの周りの獣入ってくるとか本当に怖!寝ている間に襲われずによかった。そうだ!スライムも野放しにしてたけど何処にいったんだ?
周りを確認したが何故か倒れている狼を見ていたらその狼の一部が解け始めていた。
「ゔっ!グロイ。てかなんで解け始めたんだ」
とりあえず怖いので宿屋の入り口から少し開けて様子見してみた。
~30分後~
「いやぁ、これは想定外だしグロイなぁ。スライムってこんなおっかないの?」
そう狼が溶け出したのは放置していたスライムが原因だったのだ。具体的にいうならスライムが狼の内部から溶かして出てきたのだ。そりゃスキルに吸収分解ってあったけどさ。あのレベルでこの速さで分解できるとか最終的にどうなるんだ?いやまて、その前にあの狼、もしや噛まずにスライム飲み込んだのか?
いやそれは流石にないでしょ。確かに狼にしては群れてないし痩せてはいるけど
いくらなんでもスライムそのまま飲み込むかな?
恐らくさっきの120DPはこの狼が倒されたから増えたものらしいがだとしたら最低でも8体位狼が来てそれらが全部スライム丸呑みしたことになるけど。そんな馬鹿なことある?それともLUKとVITが急激に上がったのはそれが必要だから上がって生き延びたのか?
そして酸耐性。お前そんなに長く酸に当たってよく生きてたなスライム?それはLUKなの?それともVITのおかげ?
どちらにせよ今の心境は、スライムを枕にしようとしてた俺あほかぁ!と思った。下手したら寝てる間に頭解けてたとか考えると怖すぎるよ!
「そしてダンジョンってこんなに早く侵入されるものなの?家の扉ガン開けで誘い込まれてるの?」
あれかな?ダンジョンってただ人類の敵!ってだけじゃなくって他にも何か動物とかも誘い込まれるなにかがあるの?
そう思い思考操作してるとある画面が見えた
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ステータス一覧 (ヘルプセンター)
STR:16 (F)[0]
INT:31 (D)[0]
SPD:19 (F)[0]
VIT:14 (F)[0]
LUK:9 (G)[0]
ジョブ:魔人(下級)[ノーネーム]
レベル:01
ダンジョンレベル:01
スキル:生命強化[LV1]・魔力強化[LV1]・感覚共有[LV--]・コア共生[LV--]
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「なんでヘルプセンターなんてあるんだよ。」
センターってあれだよね。質問に対応する誰かがいるってことだよね?でも邪神は地球に観光いって放置している現状らしいし (邪神まじ許さん!)あとコアに意思があるのかと思ったけど思考操作でも音声とか聞こえたりしないし結局誰なんだ?
[ヘルプセンター起動・・・回答]
「今回は権限の一時移行を受けて人類種側の成長観察を行っている主神補佐のエリンが対応いたします。あなたを拉致してきたものは邪神といっていたようですが・・・一応あれでもこの世界の主神です、えぇはい主神なんです。
その主神モドキはこの世界がまだ発展しきっておらず娯楽要素が少ないのであなたがいた地球に行くための口実を探していましたが、こちらの主神よりは真面目に管理を行っていたので綻びなど簡単におきたりはしませんでした。」
ん?邪神が主神で自分がいた世界にこようとしたけど綻びがない?色々突っ込みたいけど、まずそれならなんで自分はこちらの世界に?
「それについては本当に申し訳ないのですが。あのばk (ゴホン)主神があなたの世界に行く為の口実として死ぬ可能性が限りなく少ないが死んでしまった人がいるといってあなたを選んだのです。もちろん因果操作でこそっとです。なのでその魂が困らないようにするための参考として地球を暫く観察させてほしいと言い出したのです。もちろん運命の因果情報を操作されているのがバレないようにこっちに先に寄越してからです。こうしてあの主神は見事地球の観察を行える下地を作ったのです。私にこうしてあなたに対しての説明を丸投げにしてですね。」
なるほど。つまり死ぬはずなかったのに主神のやつの私利私欲の為に死んだことにされたと・・・・やっぱり邪神では?しかも細かい説明を自分の補佐に任せるとか。あの邪神に対して嫌がらせしたい気持ちが増大の一方だな。
「流石に今回のはやり過ぎだということで、私の方から内密に地球の神々にもしっかり報告させて頂きました所、後で地獄のツアーが待っているようですよ。それと介入を許して申し訳ないとも伝言を預かっております。」
ふむふむ。あの邪神がどんな目にあうかは気になるけど。地球の神様達が地獄のツアーっていうぐらいだし、かなり辛いものだろうなぁ。それに邪神と違って対応も丁寧だしね。これは神様方に非は少ないでしょう。
「つきまして今回の事に関して特例としてあなたのダンジョンマスターとしての力を地球の空間軸と繋げてインターネット通販?のような機能の一部を再現できるようにしているようです。少しでも地球にいた頃の生活環境で行動出来るようにして下さるとのことです。」
「ふぁ!」
いやそれは驚くって!ネット通販の再現をしてくれるってかなり便利だし嬉しすぎる!なにより甘味がまた食べられると考えるとありがたいどころではない!
今から何食べようか考えてしまう。
「但し、流石に通販機能の全てを再現してしまってはそちらの世界にも多大な影響が出てしまうと思うので、一つのカテゴリーに絞ってのものとなる、ということらしいです。流石に武器や建築技術などが持ち込まれてはこちらの世界は歪に成長しかねませんので、そこに対する対応と思って下さい」
成程、さっき機能の一部って言ったのはそういうことか。確かに武器や建築技術を持ち込んでもし見られたりしたら大変だものな。一気に戦い方が変わったりしそうだし仕方ないね。それに一つのカテゴリーってことならもう決まってる!
「因みにその機能ってどこにあるんだ?」
そう、その機能が見当たらないのだ。追加されているなら気づいていそうなものなのに解放されている機能の中にそれらしきものが一切ないのである!そして嫌な予感が出てきた。
「もしかして・・・これ? [秘匿情報・異星]コピー機能 (1万)」
「はい。主神に確認の際にただのモンスターのコピーだと思わせて承認させました。異星とついていますが地球のものとなっておりますので機能拡張と同時に選択したカテゴリーによって名前も変わりますのでご安心を」
・・・・いや違う、そうじゃない。そうじゃないんよ!てっきり最初から追加されてるのかと思ったらまさかの機能追加!しかも1万DP!1万DP必要!
今あるDP6918!足りないんだよぉぉ!
「DPを効率よく稼ぐ方法ってどうやるんですか?」
思わず人類種側の神にそう問うてしまうぐらい暴走してしまう。仕方ないじゃないか!甘味を食べられるって思った矢先にお預け食らうなんて!DPさえあれば問題ないし!てか甘味食べたいし!こっちに来てからまだ何も食べてないから正直お腹減り始めてるし!
「DPを稼ぐ手段としましては基本はチュートリアルの時にお答えしたものが基本となります。他の手段としましては、他のダンジョンコアを破壊してエネルギーを奪う方法や、人種から放出される魔力を吸い取るトラップをセットして協力して稼がせてもらうなどもあります。その場合はもちろん人種に対してのメリットも必要となりますが」
他のダンジョンコアを破壊してって。それ蟲毒かなにか?後一応人類側と敵同士なのに結託してどう獲得しろっていうんだ。
「そうだ。そういえばダンジョンに初日から狼とか来てるんだけどダンジョンってなにか生き物を引き付けるものでもあるの?」
最初にそれを調べようとしてたのを今思い出したよ。
「その質問はダンジョンと人種の関係も説明する必要がありますね。まずダンジョンと人種はお互いに生物としての成長を促すシステムであるので片方を根絶やしにしようと思えば出来るけど簡単なことではないのです。お互いに一定以上の成長した存在。最終進化個体とでもいいましょうか、が存在していてお互いに不可侵領域を定め、基本的に争う事はないのです。この両者がいる限り絶滅自体はそうそうに起こりませんね。ただ、ダンジョン側は拡張は出来ても基本的にはダンジョン自体を動かすことは不可能です。なので入り口を地味にしたり、木や岩を利用してダンジョンの存在を隠して一方的に成長しようとするダンジョンが多々ありました。そこで動物や人類種がダンジョンに近づくと、周辺と違う魔力の質や量を感じるようになっています。その莫大な魔力や経験値を求めて冒険者や野生の動物が入ってくるようになっているのです。」
なるほどね。ダンジョンそのものが疑似餌の役割を持っているからこんな早くから侵入されてるのか・・・DP足りない今はありがたいけど戦いすらしたことない俺が動物を、まして人を殺せるのか?
そう思った時にふと狼を吸収しきったスライムが目に入った。
「最後に質問だけど・・・今の俺って狼を倒せる?」
スライムよりも全体的にステータスが高いのだし、動物位は狩れると思うのだがどうだろうか?
「今のあなたのステータスなら腕を振るうだけでも狼ぐらいでしたら瀕死にできますよ?」
いや何故になんでそんなこと聞くの?みたいにいうけどこっちとしては平和な世界にいたんだから当たり前に聞くよ!?てか腕振るうだけで狼を瀕死にできるって・・・それはそれで自分も怖いよ!
「とりあえず一回だけ狩ってみるしかないか。スライムはすでに狩ってる実績あるからとりあえずスライムの近くで待ってるかな」
またしばらくしたら動物来るだろうし、初めての狩りだから安全に狩るためにいざとなったらスライムを利用して倒す方法でも考えながら待ってるか・・・それにしても腹減ったな。
作者は現在キノコタケノコ戦争したりお年玉 (レイド)を倒していたりしていますので少々文字数が少ないですがご勘弁を;