第一幕:思遺出 壱章ー始まりー
――――――『桃華の園』
そう呼ばれるクニの存在は、日の輪の国の人々を動揺させ、同時に感激させました。
其れもその筈、己等の敬愛する『神子様』と同じように、クニが存在する限りは生き続ける存在が居ると知ったのです。
彼等は、親しくなった人々の『死』を、数え切れないほど目の当たりにしてきた『神子様』の嘆きを、どうにかして取り除けないものか、と考えておりました。なので、桃華の園に棲むそのモノの存在は、正に願ったり叶ったりであったのでしょう。
人々は、桃華の園との交流を望み、驚異的な早さで実現させました。
――――――日の輪の国、及び桃華の園の国交―――樹立。日の輪の国の建国から、丁度1000年が経った時でした。
国交樹立に際した祝いの席には、『神子様』と『煉馬』も訪れておりました。
神子様の後ろから、少年が近づいて、呼びかけました。
「你好, 很高興見到你。」
「・・・何方でしょうか。桃華の園の官吏様の御子息ですか?」
近づいて来た少年が挨拶をすると、神子様は首を傾げ、そう訊きました。
そんな神子様の様子を見て、可笑しそうに笑い乍ら、こう言葉を続けました。
「僕の名前は煉馬。王 煉馬。君の名前は?」
神子様・・・くどいので、此処では『シロ』と呼びましょう。シロは怪訝な表情をしながら自分に名前は無いと言い、こう訊き返しました。
「名前が必要ですか?名前が無くても、俺には『神子様』という呼び名があるので・・・。不都合があるのなら『シロ』とでも呼んでください。」
煉馬は、驚いた表情を見せ乍ら、云いました。
「名前に執着は無いの?・・・なら、僕が名前を考えても沒問題?」
「・・・構いませんが。」
「謝謝!・・・次、会う時迄に考えておくね。再見。再找機會出來碰面吧!」




