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俺は、電脳世界が好きなだけの一般人です  作者: 北きつね
第八章 セキュリティ・キャンプ
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第四話 作戦と提案


 さて、有志のレベルがわからないけど、パソコンが触れる素人と仮定しよう。

 1年も混じっているだろうし、プログラムはほぼ無理だろう。ネットワークの授業もまだ始まっていないだろう。しまったな。津川先生に聞いておけばよかった。


 多分、OSは、Linux系統を入れさせるつもりなのだろう。


 いくつかのディストリビューションを持っていこう。RedHat系とDebian系とSlackware系だな。CUIで困らないようにしておこう。


 さて、学校でのセキュリティの勉強会をかんがえないとならない。時間も無いし、本番を想定した感じにしていくしかないな。

 6名で1チームにして、5チームを作る。大会には、4チームで参加する。


 学校なら、Windows Server のライセンスもあるだろう。

 5チームにLinux と Windows Server を起動してもらって、去年のサービスと俺が用意するサービスを起動してもらうようにする。

 サーバに使うために用意されるパソコンのスペックがわからないけど、2時間でサービス起動まで持っていければいいかな?


 CUI で、OSを起動して、サービスをセットアップする。

 できれば、全てソースから対応させたいな。


 ルータが市販の物なら、1台のパソコンにNICを追加してルータにしたほうがいいだろう。


 6名で1チームを作って、全部で5チームを作る。4チームが防御を行って、1チームが攻め続ける。

 これを、10回行えば、方向性も見えてくるし、攻めが得意なチームと防御が得意なチームの色も見えてくるだろう。

 大会には、防御を2チームと攻撃を1チームとバランスがいい1チームで向かう。1チームの6名は一番大事な連絡係だ。6名は引率だ。スマホを持ち込めるのなら、連絡は出来る。ザルだな。スマホがダメと言われた時のために、サイトを用意した方が良いだろう。暗号化されたサイトにアクセスを行って、そこで情報共有を行うのは出来るだろう。レギュレーションには書かれていない。当日に禁止される可能性はあるが、抜け道と言えば抜け道だろう。


 方針は、決まったな。

 サービスは、いくつか用意していくか?

 それほどいやらしい設定をしているとは考えられない。有名所のスクリプトが動けば大丈夫だろう。

 コンパイルしたモジュールを動かすのは、趣旨と違ってくるからな。ソースコードを読み解くとなると、また違った技能が必要になってくる。


「ねぇタクミ?」


「ん?」


「そのセキュリティの勉強会?大会?で、僕が出来る事はある?」


「荷物の運搬とかならあるけど・・・」


「うん。僕、タクミのサポートだね」


「そうだな」


 近づいてきた、ユウキを抱き寄せてキスをする。


「タクミ。僕、先に寝るね」


「あぁ今日中に書き上げたいから、秘密基地で寝るかも」


「わかった。明日、起こしに来てね」


「了解」


「タクミ。おやすみ」


「おやすみ」


 ユウキが寝室に戻る。心配はしてくれているのだろう。


 さて、Linux の ディストリビューションをそれぞれ用意しよう。全部サーバモードがあれば十分だ。Webサービスと起動確認用だな。


 最初は、全員で2台をセットアップする。

 そして、サービスを起動できたら、2台に全員で攻撃する。

 ディストリビューションの種類だけやってから、Windows Server でも行って、から、各チームに分かれての練習だな。


 提案書にまとめていく、有志諸君のレベルがわからないから、まずは様子見だな。


 初期段階はクリアして欲しい。

 大会で戦えない。せっかく出るのだから、勝ちに行く。攻撃を担当しているチームは、負けるのが前提だけど、それは承諾してもらうしか無い。


 基本の作戦を考えよう。

 読んだレギュレーションから感じたのは、攻撃主体に思えるが、堅実で堅牢なシステムの構築が求められる。より早く正確に行えば、いいだけだ。攻撃なんてBOTに嫌がらせを行わせる程度で十分だ。


 津川先生からメールが届いた。

 どうやら、大会中はスマホやタブレットは持ち込めないと言われたようだ。NICは許可が降りたようだ。ただ、パソコンのケースを開けるような物は許可出来ないようだ。そりゃぁそうだな。それが許されるのならメモリを増やしたり、HDDを付けたりするだろうな。俺ならする。


 俺のテクニックは、オヤジから叩き込まれた。運用がベースだからな。学校とかの授業や勉強には向かない。


 初期段階は、サービス起動まで2時間を目標にしよう。

 同時に、攻撃ツールの準備を2台で行って、1台を監視用にセットアップ。


 Windows は、順番を間違えなければ大丈夫だろう。


 大会まで、1ヶ月と4日。1ヶ月だと思っておいたほうが良さそうだな。


 どこまで消化できるか・・・。

 提出する前にもう一度読み込めばいいだろう。


 寝室に戻ると、裸でユウキが寝ていた。この娘は、俺にどうしろというのだ?女の子が全裸で大の字になって寝るか?見るのは俺だけだからいいけど・・・。

 ユウキを少し横に動かして、ユウキの横に潜り込む。横に入ったら抱きついてくる。いつものことだ。ユウキの体温と甘い匂いを感じながら目を閉じた。


「タクミ!」


「ん?あぁユウキ。おはよう」


「タクミ。僕、お腹がすいた!」


「そうか、昨日は大将の所で食べただけだったな」


「うん!」


「わかったけど、ユウキ。服を着ろよ。それに跨るな!」


「えぇだって・・・」


「”だって”じゃないよ」


「うぅぅぅ」


「ユウキさん?それに、朝ごはんを食べるのだろう?学校に遅れるぞ?」


「わかった。タクミ。今日は遅いの?」


「どうだろう?学校からの依頼に関しての話をするからな。ユウキも、今日はバイトだろう?」


「うん。遅番だから、一度家に寄ってから病院に行く」


「わかった。なるべく早く帰ってくるよ」


「うん!僕も、今日は餌やりと掃除だから、それほど遅くならないよ」


「それじゃ終わったら連絡をくれよ。俺も、学校を出るときに連絡をいれる」


「わかった!」


 ユウキが俺の上から降りる。リビングに移動して、朝食の準備を始める。


 ユウキがシャワーを浴びてリビングにやってくる。簡単に、コンソメを使ってスープを作って、玉ねぎとソーセージを具として加える。ユウキの分には、タマゴをいれる。

 耳を落としたパンの片面を焼いてから、フライパンに玉子を落としてからベーコンをかぶせる。玉子が半熟になったら、パンの焼いていない面に乗せる。そのままオーブンで1分加熱して出来上がり。ヨーグルトにハチミツを入れてから牛乳を入れて撹拌する。俺は、紅茶をいれる。美和さんから貰った物だ。


 食べ終わった食器は軽く水洗いしてから食洗機に入れておく。


 学校の授業はいつもどおりに終わった。

 授業の終わりに、戸松先生に呼び出された。


 パソコン自習室に向かった。中から男女の声が聞こえてくる。有志が集まっているのだろう。


 実習室の隣にある教員室をノックする。


「篠崎です」


「入ってください」


 扉を開けて中に入ると、津川先生も来ていた。


「篠崎くん。計画書は読みました。時間も無いので、篠崎くんの計画で進めます」


「わかりました。俺は、サポートをすればいいですか?」


「そうですね。篠崎くんと私で攻撃を行いましょう」


「わかりました。毎日ではありませんが時間を作るようにします」


「お願いします」


「それで、何人、集まったのですか?」


「30名です。男子生徒20名と女子生徒10名です」


「6名のチームにはなっていますか?」


「男子4名と女子2名で組んでいます。基本は、クラス別になっています」


「そうですか、良かったです。研修所の部屋割もありますから、ベストは割り振りですね」


「そう言えば、そうですね。津川先生もいいですか?」


「問題はありません」


「それでは、パソコン実習室に移動しましょう」


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