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やりこみ好きによる領地経営~俺だけ見える『開拓度』を上げて最強領地に~  作者: 空野進
2.1.腹ぺこ聖女と元聖女見習い

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3.万能薬

 翌朝から、俺は再び数値上げを開始していた。


 『戦力』を上げるために、アルバンの代わりに小屋を作ってみたり……。

 『農業』を上げるために、いつもより畑を耕したり……。

 『商業』を上げるために、頻繁にバルクの商店へ出向き、色んなものを買ってみたり……。

 『工業』を上げるために、鍛冶を何度もしたり……。


 その結果――。


「あ、上がらない……。ど、どうしてだ?」


 実際には微妙に数字は上がっている。

 でも、それがレベルアップにまでは到達しなかったのだ。


【領地レベル】 4(16/32)[村レベル]

『戦力』 12(18/75)[人口](17/21)

『農業』 8(35/45)[畑](8/8)

『商業』 9(42/50)[商店](1/9)

『工業』 15(2/90)[鍛冶場](1/1)


 このままだと、いつまで経っても領地は大きくならないぞ?

 何かもっと効率よく上げる方法を考えないといけないな。


「ソーマさん、どうしましたか? 何か悩んでるように見えますけど?」

「あぁ、中々この領地を発展させることができなくてな……」

「そ、そんなことないですよ!? ソーマさんが一人で始められたと思えないくらい急成長していますよ!」

「そうか? まだたった十七人しかいない領地だぞ? 正直村レベルとしか……」

「それは仕方ないです。噂が広まるのには時間がかかりますからね。でも、ここにいる人たちはみんなソーマさんの話を聞いてきてくれた方ですよ? 十分誇っても良いと思います」

「そっか……。俺が焦りすぎていたのか?」


 クルシュに言われて、改めて考えを変える。

 確かにゲームの時は一日が数分程度に縮められていたので、あっという間に時間が過ぎていた。

 しかし、これは現実――。

 一日で成長するにはたかがしれているかもしれないな。


「ありがとう、クルシュ。また俺が悩んでたら相談に乗ってもらっても良いか?」

「も、もちろんです。私がソーマさんの助けになれるのならいくらでも良いですよ」


 それならもう少し長い目で見てみるか。

 視点を変えることで、何か別のことが見えてくるかもしれないもんな。


「それなら今日は何をするかな……」


 領地の発展を慌てないで行っていく……と考えると、すぐにしないといけないことは――。


「ラーレの万能薬作りか」

「S級の万能薬が必要なんでしたよね?」


 今、俺が作れる万能薬はD級まで……。

 一応、この万能薬をいつか作れるから……とラーレにはこの領地に来てもらった。

 それを考えると、なるべく急いで作っておきたい。


【名前】 万能薬

【品質】 D[薬]

【損傷度】 0/100

【必要素材】 C級魔石(1/50)

【能力】 病気を治す[D級]


 万能薬の作り方を見ながら悩む。

 魔石を集めるべきか、それともこれを作る素材であった、毒草の高品質なものを探すべきか……。


「今は毒草だな。魔物を倒すには俺たちだと戦力不足だ」


 領地の外を探すとなると、俺、クルシュ、ラーレのメンバーで行くことになる。

 アルバンたちが離れている今、必要素材であるC級魔石を出す魔物を倒すには戦力不足といえるだろう。


「探索に行かれるのですね。ラーレちゃんを呼んできましょうか?」

「あぁ、よろしく頼む」


 ◇◇◇


 しばらくすると、ラーレがクルシュによって引っ張られてくる。


「わわっ、な、何よ。ど、どこに行くのよ!?」

「ソーマさんが来て欲しいって言ってましたよ」

「そ、ソーマが!? そ、それならなおさらよ。ちょ、まだご飯食べてるから……」


 ラーレは串に刺した焼き魚を片手に慌てていた。

 確かに連れてきて欲しいって言ったけど、食事の時間くらい待つぞ……。


「とりあえず、クルシュ……。少し待つから食事くらい取らせてやってくれ」

「わ、わかりました」

「ふ、ふんっ、わ、わかれば良いのよ」


 それから魚を食べるラーレを眺めていた。

 すると、ラーレが顔を赤くして聞いてくる。


「わ、私のだけど、一口だけ食べる?」

「えっ?」

「一口だけ!? 一口以上は許さないからね!?」

「いや、大丈夫だぞ? ラーレが食べ終わるのを待ってるから」

「だからそうやって待たれるのが落ち着かないのよ!? 食べたいなら食べたいって言いなさい!」

「いや、別に食べたいわけじゃないぞ?」

「うぅぅ……、は、謀ったわね!?」

「だから、なんのことだ?」


 首を傾げていると、ラーレは顔を真っ赤にして、目に涙を浮かべていた。

 そして、大急ぎで魚を食べきっていた。


「もう食べたわよ! ほらっ、どこかに行くんでしょう? 早く行きましょう」

「わ、わかった……。それじゃあ、外へ行くか……」


 それから俺たちはまず北へと向かうことにした。

 理由は、深い森が広がっているから――。

 森の方が毒草の生えていそうな感じがするからな。


「森へ行くのね。わかったわ。さすがに危険な魔物が出るところまでは行かないと思うけど、いざという時は逃げられるようにしておきなさいよ? 私が殿に残るから」

「だ、ダメですよ!? そんなことをしたらラーレちゃんが危険な目に遭いますよ!?  わ、私が残ります……」

「はぁ……、クルシュ、あなたまともに戦えないでしょ? このメンバーなら戦闘要員は私になるから、私がやるわよ」

「でも、でも……」

「ちょっと待て。なんで、危険になる前提なんだ? そんなトラブルが起こりそうなところには行かないぞ?」

「はぁ……、あんた、今までの出来事を覚えてないの? 私が着たときから今まで、ずっと何かしらのトラブル続きじゃない? どうせ今回も何か起こるのよ!」

「いやいや、今回は毒草を探しに行くだけだからな。それ以上でもそれ以下でもないぞ?」

「いつもそう言ってるでしょ? まぁ、いいわよ。対策をしておけば、いざって時に動けるだけだからね」


 ため息交じりに答えるラーレ。

 そして、俺たちは森へ向かって進んでいった。

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『滅びの魔女の謀(はかりごと)』

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