おっさんニートとうんこ部屋
通報したとハッタリをかまして、何とかモグルトさんを追い返す事が出来たが、俺の心は折れかかっていた。
やっとの思いで赤ん坊を寝かし付け、叔母さんのベッドで休んでいると、半刻もしないうちにまたおばあちゃんから電話がかかって来た。
プルルルル、プルルルル、プルルルル・・・・・・
「はい、もしもし」
「ちょっと美保さん、何でリビングに居ないのよ」
「えっ? 赤ちゃんも寝てるし2階で仮眠してました」
「おバカ! 休むなら同じ部屋で休みなさい!!」
電話で話しながらゆっくりと1階に降りると、赤ん坊はまだスヤスヤと眠っていた。
「ちょっ! あなた何で裸なのよ!?」
「あっ? えっ・・・息子への愛で、母乳が溢れて飛び散ったので着替えようかと思ってました」
「ならさっさと着替えなさいな」
赤ん坊は2時間位前に授乳したばかりだ、もう少し休めるはず。俺はリビングのソファで再び眠りについた。
ブビッ、ブリュリュリュリュッ
(・・・・・・泣かないから、ほっとくか)
プルルルル、プルルルル、プルルルル・・・・・・
「もしもし」
「おバカ! オムツかぶれになったら可哀想でしょ! 換えてあげなさい!!」
月齢の低い赤ん坊は寝ながらでもウンチやおしっこをする。起きてしまうから出来れば交換したくない。
「ほら! 早く!!」
仕方なく赤ん坊のロンパースのボタンを外す。
オギャア、オギャア、オギャア
ほら、やっぱり泣き出した。
この子は、些細な刺激や音でも直ぐに起きてしまう。本当はリビングなんかにベビーベッドを置きたくなかったのだが、おばあちゃんが家族皆が集まるところに置きたいと譲らなかった。
「はいはい、直ぐ終わるよ」
ブリュリュリュリュッ・・・・・・
「ひいッ!!」
オムツを開けた瞬間に黄色いミストと、正体不明の白い粒々が噴射された。赤ん坊にうんこ飛ばされた。しかも黄色いミストを思いっきり吸い込んでしまった。甘苦酸っぱい、おぇっ・・・。
離乳食が始まる前の赤ん坊はよくうんこを飛ばす。俺と赤ん坊の周辺が悲惨なことになってしまっている。軽く1.5メートルは飛んだだろうか。
ピンポン、ピンポン、ピンポン、ドンドンドン
(クソッ、またモグルトか? まだ忘れてないぞ)
俺は赤ん坊のオムツを交換すると、床に落ちているうんこを素手で出来るだけかき集めてモニターを確認した。モグルトだったら顔に塗りたくってやるつもりだ。
(・・・・・・ツインテールの幼女来た!!)
モニターには色白で、お目パッチリの可愛い女の子の姿が映し出された。
「すみません、開けてもらえませんか?」
「開けます、開けます。直ぐに開けますとも!」
(デュフフ、どうしたのかな? お漏らししちゃったとかかな? うんうん、おじちゃんがオムツ換えてあげるから安心してね♪)
赤ん坊のウンチを食べた事はありますか?
私はあります。
月齢の低い赤ん坊のウンチは、本当に霧状に飛ぶ事があります。ちなみに白い粒々はミルクに含まれる油脂です。