4 ギルドスペース拡張
俺は残りのギルドメンバー2人にメールを送った。
「死亡した場合、復活できませんでした。俺達4人はギルドスペースにいます、メールか連絡ください」
と。
細かく送ろうとしたが、何を送った方がいいのか分からず、こんな内容になってしまった。
俺以外の3人は既に眠っている。
ギルドスペースに通常の部屋はない。
当たり前だ、わざわざゲームで寝る奴はいない。
ソファーで寝ている。
この「アースフロンティア」は地球の辺境地、未開拓地だ。
だからゲーム上では中世、モンスターがいて魔法がある。
だけどシステム上、ギルドスペースではキッチンやトイレがある。
さすがに風呂はないが、工作スキルや鍛冶スキルなどが有り、付けれたり出来る。
何故出来るのが分からないが、ギルドメニューが使えて、お金を払えばギルドスペースの拡張やお風呂、部屋も作れる。
今後、俺達は戻れるのか。
大体、俺達が今いる場所はどこなんだろう。
VRの世界なら俺達はそのゲーム用のヘルメットを取ればいい、接続してあるパソコンの電源を切ればいい。
俺やチョビンは出来ないが、あのチビガキどもの親は出来るだろう。
しかし未だにログアウト出来なくそのままだ。
そして肉マシマシは死んでしまった、復活も出来ない。
こうなるとこの世界は現実なんだろう。
胡散臭いメニューやレベル、モンスターや魔法、この世界に住んでいる人が。
異世界に飛ばされるなら神様から連絡していいんじゃないか。
他にはどっかの王様や魔王から召喚されるとか。
戻れるのか戻れないのか言ってくれよ、最低限。
なんかムカついた来た。
元々このゲームの運営は無課金、無課金って言う癖に課金してガチャしないといいアイテム取れないし。
俺は無課金主義者だからやりづらいんだよ。
コーヒー飲んだせいで眠れない。
ぶつぶつ独り言を言いながらいたら。
「うるさい、ハゲマス寝ろ」
と、マナトスに枕を投げられた、すいません。
「ハゲマス、起きろ。お腹減った」
ミナオが俺を起こしてる。
時計を見るとまだ8時前だ。
「俺寝不足だから自分で作ってよ」
「いいから、作って」
俺が起きるまで揺らす気らしい。
いや、起きませんよ。
不意に揺らされるのが増えた、おい、チビガキども。
俺が目を開けると正面にはチョビンが。
あんたもかい。
「・・・わかった、起きるよ」
「作り終わったら寝ていい」
おい、ミナオよ、俺一応ギルドマスターだぞ。
ご飯とみそ汁、スクランブルエッグとウインナーを作り。
「おい、出来たぞ、持ってけー」
そのまま俺は眠る事にする。
ゆさゆさ
ゆさゆさ
「なんだよ、飯作ったろ」
「ハゲマス、おかわり」
あーもう戻りたい。
結局、2回起こされた。
今後は10人分の飯を作ろう。
3人は食事を終え、俺は起こされて気持ちが悪くコーヒーを飲んでいる。
やはりカフェインの取り過ぎか、体調不良かもしれん。
「なあ、やっぱり食事当番やらないか?」
「「「・・・」」」
「おい」
「・・・いいよー、ただ文句言うなよ」
「マナトス、作ってくれたら文句なんか言わないさ」
「本当にいいんだな」
「えっ」
「やめなければ、吉」
「おい、ミナオ、それはどう言う・・・」
「あたしは食べない」
「・・・・・・」
「あたしも作れない」
「そうそう、美波の料理は犬も食べない」
「お前んちは母親に教えて貰わないのか?」
「ないよ、作るのパパだもん」
「母親は?」
「食べるだけ、パパ主夫だもん」
・・・・・・・・・
はあ、ダメだチビガキどもは。
俺はチョビンを見る。
「一人暮らしだよな」
「はい」
「料理は」
「しません」
「何食ってるの?」
「外食かコンビニです」
「作った事は?」
「だから、ありませんってば(怒)」
あ、逆ギレしやがった。
「さて、俺達は未だにログアウト出来なくなってる」
今後についてみんなと話すことにした。
「肉マシマシの事から考えると、死んだら終わりだな」
「あたしはそのまま生きていく、学校よりはこの世界の方がいいやん」
「マナトスはそれでいいのか」
「かまへんよー」
「あたしも」
「ミナオもか」
「うん」
俺はチョビンを見る。
「どっちでもいい」
「君もか」
チョビンは黙って頷く。
「戻りたいのは俺だけか」
「なんやハゲマス、帰りたいんか」
「そりゃそうさ、この世界は危険だ。ゲームと違ってモンスターに負けたら復活出来ない」
「ハゲマス、臆病」
「構わんよ、ミナオ。死んだら負けだ、臆病で十分だ」
「私も死にたくないです、でも戻りたいとも思わないです」
チョビンには何があったのか聞きたいよ、その気持ち。
「それじゃあ、今後ここのラズナグル市で生活していいのか?」
「そうだね」
「うん」
「はい」
「わかったよ、それでだ、今うちのギルドに500万Gの金がある」
「半分はハゲマスの金じゃん」
「そうだな、それでギルドスペースの拡張に100万、4部屋の改築に120万、風呂改築に60万、合計で280万G掛けたいと思う」
「それはゲームのことですよね」
チョビンが俺を見る。
「多分出来る、ギルドメニューで確認したがYES/NOで押せば出来そうだ」
「ならいいんじゃない、ハゲマスの領分だし」
マナトスが答え、ミナオが頷く。
「じゃあ、まずは拡張するぞ」
ギルドメニューで拡張を押す。
一瞬で平屋が2階建てになった。
続けて4部屋と風呂の改築を行った。
2階に4部屋、1階に風呂が出来た。
「よし、出来たな」
言った途端に3人は2階に上がってる行く。
まったく、こいつらは。
まずは風呂を確認だな。
行ってみるとバスタオルやマット、シャンプーなどないな、後で買おう。
風呂自体は4人も入れるぐらいのスペースだ。
これは広すぎる。
ここ2日は入ってないからな、お湯を淹れないと。
時間がかかるので2階に上がると既に3人は選らんだみたいだ。
俺は上がってすぐの空いてる部屋を見る。
ベットは付いてるがマットレスが無い、毛布やシーツも無いからそれも買うか。
よくよく考えたらシャツやパンツも1枚づつしかないな。
今まで必要無かったし。
1階に降りてギルドメニューでバスタオルや必要な物を選んで押すと自動的に料金が引かれてボックスに物が入る。
それが利用できない様になってないのがおかしい。
が出来なくなると困るしなー。
しかし3人はどこに行ったんだ。
ん?
あいつら風呂の入ってないか?
すぐに風呂に行くとすでに入ってやがった。
「おい、お前らすでに入ってるな」
「開けんなよー、エロマス」
「うるせーぞ、この3バカトリオ」
「ネタがオッサンくさい」
「だから俺はおっさんだ、それよりボディーソープとかシャンプー、バスタオルは?」
「ハゲルドさん、代わりに買って来てください」
チョビンは大人しいが俺を便利に使いやがる。
「もう買ってあるが、お前らどうするよ」
「見ないで置いてこい、エロマス」
あー頭きた、俺はガラッと開けて入った。
「おい、置いとくぞ」
「「「きゃあーきゃあーきゃあー」」」
「ははは、ざまーみろー」
バシャー
あっち
「エロマス、死ね!!!」
ふん、見てないよ。
ちょっとしか。