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詩の箱

おしまい

作者: 眞木 雅


湿った布団の上を

おわりが寝返る音がする


面倒で恐ろしくてそれから

とてもやりきれない


めかしこんではしゃぐような

はじまりはあちこちにあるのに

この部屋には何故こうも

嗚呼やりきれない


おわりはのそのそと起き上がって

弱々しい声で何か話すのだが

どれも聞いている気持ちになれず

ぼんやりしてしまう


邪魔をするなとたった一言

大きな声で言ってやりたい

怒鳴り散らして何もかも

一から十まで有耶無耶にしたい


しかしそれは

終わりの瞬き一つに転がされ

気持ちごと朽ちて朽ちて脆く

無はこぼれて果て無く


まるでこの部屋のよう


お湯のふわり沸く音がして

やすいお茶の香りは軽やか

それを啜る音と

また湿った気配


なるだけ他人事に落とし込んで

横目で焼き付ける朝

永久に続くと思える

仄暗い薄情な朝

どこへも流れつけない

不孝者のありふれた朝

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― 新着の感想 ―
[一言] 文学も絵画もアートの世界は何かしかつめらしい評論を書かなければその作品の良さがわからないような錯覚があるみたいです・・・でも「ただ好き」という作品があってもいいのでは。あなたの作品は読後感「…
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