異世界転成
ぱらぱらと雪が降る昼間、道にはどっさりと雪が積もっている。
「うぅ、寒っ!」
俺は昼飯を買うためコンビニに向かっている。
昼間だと言うのに外は薄暗い、雲が多い為太陽が隠れてるんだろう。
そんな事を思いならが雪で足をすくわれないように下を見てしっかりと踏む。
ザッ ザッと歩くたびに聞こえる音だが、どうやら歩いてるのは俺だけじゃないらしい。
前方を見ると、中学生くらいの子達が楽しそうに歩いている。
「今日は帰りが早いな。」
つぶやくように吐き捨てる。
少し、この子達の会話に耳を傾けてみる。
別に興味があるわけではないぞ?暇だから、他意は無い。
人数は5人、女子3、男子2か。
「はぁー、マジでテストだるいわ〜」
と、刈り上げの男子
「てか拓也!、あんた寝てたじゃん!」
八重歯が特徴的なツインテールの女子
「うっせ!やってられっかよ!」
「そんなんじゃ、高校受験に響くぞ」
刈り上げ少年に説教しているのは爽やかイケメンくん。
「そん時は翔平に任せるわ!」
「お断りします。」
「ちょーい!!」
イケメンくんが、真顔で即答する。
「受験勉強でヒーヒー泣き喚く拓也の顔が目に浮かぶわ」
ファサッ と髪がなびく綺麗なロングヘアーの少女が不気味な笑みを浮かべながら言う。
「… …」
その隣にいる、ボブカットで背の小さな無表情少女が無言で頷く。
「酷い!!」
中学生達の漫才さながらな会話を聞いていると少しクスッときてしまう。
それから少し歩いていると、前を歩いている中学生達が周りをキョロキョロと見始めた。
「どうしたんだ?」
釣られて俺も周りを見渡す。
「なんだこれ…」
あまりにも自然過ぎて気づかなかった。
パラパラと降っていた雪が空中で止まっている。
「雪が止まってる!?」
爽やかイケメンくんが止まっている雪を手で払う。
「なんなんだよこれ!」
「落ち着きなさい!」
刈り上げ少年が過激に取り乱している為、他はかろうじて冷静を保てている。
刹那、中学生達と俺を囲む見たことのない文字で形成された陣が現れる。
「みんな!!」
中学生達がみんなで手を取ったすぐに魔法陣が輝く。
「あっ…」
俺の手には冷たい風だけが当たり、突き出した手が寂しい。
時間は動きだし、中学生達と1人の男は消えた。