コンニャクは凄いんですよ!
「お仕事ですよぉ~。」
ごぉぉぉぉぉぉぉぉん・・・・・
「さぁ、美樹ちゃん、行きますよぉ。」
ごぉぉぉぉぉぉぉぉん・・・・・
今ので丁度10回目。
俺の煩悩、黒子。
ごぉぉぉぉぉぉぉぉん・・・・・
108の鐘の音とともに、滅されてくれないだろうか・・・。
ごぉぉぉぉぉぉぉぉん・・・・・
ぐわぁぁぁぁぁぁぁん・・・・・
遠くに聞こえる除夜の鐘の音に紛れて、変な音が聞こえてきた。
なんだ?・・・・あれだ!あの中華の銅鑼?みたいな音!!
ごぉぉぉぉぉぉぉぉん・・・・・
ぐわぁぁぁぁぁぁぁん・・・・・
「ぅ・・・っ・・・」
・・・呻き声付き。
俺が今居るのは、派手派手しい建物の正面。
中華料理屋・・・・と、言いたいところだが、ラーメン屋さん。
店はとっくに閉まっているのか、明かりはないが・・・・・。
ごぉぉぉぉぉぉぉぉん・・・・・
ぐわぁぁぁぁぁぁぁん・・・・・
「ぅ・・・っ・・・」
店の入り口付近にソレが居た。
「・・・黒子、あのおっさん・・・・なにしてんの?」
「頭で銅鑼を突いてますねぇ。おや、除夜の鐘に合わせてるみたいですね。」
20回目の鐘の後の銅鑼の音。
「・・・・帰っていいかな?」
「駄目ですよぉ。お仕事ですからぁ~」
お前が行け、たまには自ら行けばいい。
とは、言ったものの・・・。しゃっちょーめいれーは、ぜったーーーい。
ふぅ。仕方がない、と俺は銅鑼おじさんに近づく。
ごぉぉぉぉぉぉぉぉん・・・・・
ぐわぁぁぁぁぁぁぁん・・・・・
間近で聞く銅鑼の音。
「うっさいわ!」
思わず、おっさんに怒鳴ってしまう。耳がね、ぐぅわぁんぐぅわぁんするんだよ。怒りたくもなるさ。
「頭が頑丈なのは解ったから、落ち着いて?」
「じゃ・・・邪魔しないでください。」
ごぉぉぉぉぉぉぉぉん・・・・・
ぐわぁぁぁぁぁぁぁん・・・・・
「く・・くろーこー、止めて~」
「まったく、仕方が無いですねぇ。じゃあ、コレ!」
と言って、黒子は銅鑼にナニカをくっつけた。
・・・コンニャクじゃね?生臭いけど?
「黒子?色々言いたいが、敢えて言うならなんでコンニャク?」
「何言ってるんですか。コンニャクは凄いんですよ!?かの斬○剣も切れないんですからぁ!!」
・・・・包丁で切れるけどね?ついでに、手でも千切れる!
ごぉぉぉぉぉぉぉぉん・・・・・
くにょぉぉぉぉぉぉん・・・・・
「あ、あ・・・あちぃぃぃいいい」
塗りたてのコンニャクは熱かったらしい。
お陰で、おっさんの銅鑼頭突きが止まったよ。
・・・ドヤ顔すんな。腹立つから!!
兎に角、説明!そう、獲物・・・もとい、客に質問される間を与えず無理やり押し付ける!
普通に金がらみなら悪徳商法だね!てへ。
「大丈夫!おっさん!ぜーんぶ、死神さんに任せればいいんだよ。」・・・たぶん。
いい?呼ぶよ。今年最後のこのコール!!
「おおおーーい、死神さぁーーん。」
「うぃーーーー。」
あれ?ケイさん、なんかいつもと違う気がする。
・・・ん?くんくん・・。
「ケイさん、酒臭い。」
「じぇ~んじぇん、酔ってらいよほぉ☆」
へべれけじゃね?酒臭ぇし、顔赤いし、千鳥足だし・・、つか、酒手に持ってんじゃん!置いてこいよ!
「ほーら、呑みねぇ。嫌なコタぁ~呑んで忘れちまうのが一番だ!」
・・・・どこの親父だよ。
「う、う・・・・」
うつむき加減だったおっさんは、顔を上げて・・・・。
「呑むンかーーーい」
ごぉぉぉぉぉぉぉぉん・・・・・
除夜の鐘が鳴り響く寒空の下、酒を酌み交わす頭にコンニャクの破片をくっつけたおっさんとへべれけ死神。
「あ、コンニャク、酒の肴に丁度良かったみたいですねぇ~」
・・・心底、どうでもいい。
「黒子、このまま初詣行こうか。」
「あ、神様、今ストライキ中なのでお願い事しても、叶いませんよ?」
・・・別にぃ期待なんて、してなかったしぃ。
ごぉぉぉぉぉぉぉぉん・・・・・




