斯くして、年は暮れゆいて行くのですぅ。
「ああ、忙しい、忙しい!!」
あっちへこっちへ、ワタワタ、ワタワタ!!
「ああ、忙しい、忙しい!!」
・・・・うざい。
「ところでさ、あんた誰?」
ピタリと足を止めたメガネの七三(白髪混じり)。
「私でしょうか?私ですよね?私に訊いていらっしゃる?」
俺の目の前には、お前しかいないんだが。
(背後には黒子がいるけどな。)
「ああ、私、師匠です。」
なんの?
「黒子、お前の師匠か?」
俺は振り返らずに尋ねる。
「否ですぅ~。私に師はいないですよぉ。」
「どっから潜り込んだ?」
そう。ここは、俺の部屋。
さっきから狭い部屋の中を先生と称す七三メガネが行ったり来たり。
どうせなら、逝ったきり帰ってくるな。
ちなみに、半分は透けてるからアチラの方。
アチラにも学校らしきものがあるのだろか?それともナンチャラ教室?
俺が首を捻っていると、ドドドドドドドドと勢いよく部屋に飛び込んできた影!
何事かと目を見張る俺の眼前で、飛び込み犯は叫ぶ。
「ししょぉぉぉおおおおお」
「おおおおおお!!でしーーーーーーーーーーーー!!」
ひっしと抱き合う二人。
生き別れに会った二人の感動の再会さながらだ。
「三時間ぶりですーーーーー!!」
即刻、出ていけ!
よくよく見ると、飛び込み犯はショーさんだった。
「・・・ショーさん、なんなの?つか、師匠って。」
ひっしと師匠に抱きついたまま、ショーさんは俺を振り返る。
「美樹ちゃん!!居たのか!」
ひどくない?ねぇ、ひどくない?そもそも、ココは俺ん家!
「ああ、美樹ちゃん!紹介するよ!師匠だよ!」
うん、聞いた。本人からそう聞いた。
だからね、なんの師匠なの?
「もしかして、美樹ちゃん・・・知らないの?」
うん。知らない。
背後で黒子も首を縦にブンブカ振ってる。(首逝っちゃうよ?)
「なんてこと!!」
本気で驚いているショーさん。それに俺は驚きだけどな?
「この素晴らしい偉業を成し遂げた、この師匠を知らない?・・・まさか!?」
なんの偉業?こんな偉人さんなんていたっけか?どう見ても、窓際サラリー・・・・・失礼、偏見でした。
「今から遡る事、三年前!」
あ、そんなに最近の話?うーん。
俺は首を傾け・・・・ごちん。
「いてっ!・・・黒子!あっち側へ傾け!」
いつの間にか隣にいた黒子と互いの頭をごっちんこ。
なぜに透けてくれない?
・・・いや。いいや、重なる方がもっと嫌。
「だーかーらー。コスプレ界のカリスマなんだって!!」
・・・は?
「○○コスプレショーの××世界大会で、三年連続の優勝だよ?すごいでしょ!」
・・・・まったく凄くない。凄いのは、コスプレの世界大会があった事だが。(ある意味、覗いてみたいけどな。)
「師匠!今日のコスプレも見事です!!」
・・・コスプレだったのか・・・それ。
「んなこたぁ、どうでもいいんだけど。なんで、その師匠さん、俺の部屋であっちこっち走り回ってんのさ?」
ニヤリと師匠。
「そんなの~決まっているでしょう。12月だからですよ。」
・・・・。
いや。決まってねぇけど?
つうか、それだけの・・・それ言いたいだけの為にこれだけの行数費やしたのか?なぁ、そうなのか?
「全身全霊、心をこめて謝れ。その七三が貞子になるまで只管、謝れ!!」
「えええーー、美樹ちゃん!師匠は男性だよ!」
見れば解るわ!スットコドッコイ!!!
ちなみに、三年連続の優勝のパーティにて、大いにはしゃぎすぎた師匠は急性アルコール中毒で・・・・。
ああ、そうね。急性アルコール中毒には気をつけないとね。
ほら、年末だし?忘年会だし?
いやいや、俺は大丈夫。なんてったて、高校生ですから!
ししょーーーーー。
でしーーーーーー。
「美しきかな、師弟愛。斯くして、年は暮れゆいて行くのですぅ。」
年とともにお前ら纏めて、逝ってくれ!!




