カクカクジカジカで四角を丸にしたいんですけど。
月日が経つのって、早いよね。
もうすっかりと冬だよ。
雪こそ降ってないけどさ、くっそさみぃ。
朝、起きるのが嫌になるよね。
というか、こんな早朝から俺に仕事を振らないで欲しいんだよね。マジで。
朝の五時・・・。
お天道様ですら顔を見せてないよ?
「ほらほら、さっさと行きますよ?」
容赦なく俺の毛布をはぎ取る黒子。鬼!悪魔!黒子!
「美樹ちゃん、目覚めの氷水の中へドボンと私の身の上話パート5とどちらがいいですか?」
・・・パート5って。パート1すら、しらねぇけど?
「起きるよ。おきた。起きました!」
「じゃあ、はい、行きますよ~。れっつら、どんですぅ~。」
どこぞの親父だ?お前。
ガタガタ。
寒さに震える、俺。
ガタガタ。
単に歳で震える、じーさん。
・・・じーさん、何も老い先短いのに更に短くしなくてもよくね?
ほっといたら、今にも倒れそうなヨボヨボ・・・・、失礼。
「えーと、おじーちゃん?何を飲もうとしてんのかな?ボケて間違っちゃったかな?」
「・・・」
「おじーさん?」
「・・・・んぁ?あんだって?」
※そうそう、アレだよ。あのボケを思い描いてくれればいいよ。
「だから、なに持ってんの?」※もちろん声大。
「・・・犬のタローが嫁子もらったって?」
ちげーし。ぜんぜん言ってねーし。
・・・落ち着け。俺。黒子の相手よりマシなはずだ。
「あらぁ、タローは適齢期なんですかねぇ。」
・・・タローって、誰だよ。つか、乗るな。
「だーかーらー。そんなの飲んじゃ、駄目だよ!」※もちろん声盛大。
バウワウ!!バウワウ!!
近所の犬の声が聞こえてきた。・・・まさか、タロー?
「おお、タローや。嫁子と仲良くしてるか。良かったな。」
・・・続いてたの?その話。
むしろ、俺の言葉、無視。
「美樹ちゃん、落ち込まないでくださいよ?」
こんなことぐらいで、凹むかっつーの。
「犬のタローの方がモテるからって。」
「黒子・・・・黙って?」
という、やり取りをしていたらじーさんイキナリ話し出した。
曰く。
長年連れ添ったばーさんに先立たれ早2年とちょろ。
息子家族とこの家で過ごしていたが、数ヶ月前に転勤になって、一家で引っ越してしまったそうだ。
じーさんも一緒に行こうと言われたが、「ろさんじぇるす」なる訳解らん所なんぞに行けるか!と、頑固に言い張った。
しかーーーーし、孫たちもいない家は静かで、茶飲み友達すらいないじーさんは淋しくなっちゃった。
と、まあ、こういう訳さ。
で、農薬を飲もうとしたらしい・・・・・。
なるほどね。淋しいのね、じーさん。
解ったよ。こうなったら、呼ぶよ?
せーの。
「おーーい。死神さんじゃなくて、トメばーちゃーーーーん!!」
なんか来てくれそうな気がするから、呼んでみた。
ひょこ。
「呼んだかえ?」
ほら来た。
「あらぁ、トメさん。実は、カクカクジカジカで四角を丸にしたいんですけどぉ~。どうしたらいいでしょうねぇ~。」
勢いよく話し出したのは、黒子。
何を世迷言を言っているんだ?このボケカス社長。
しかし、謎の暗号文は、トメばーさんには伝わった!
「そんなん。簡単じゃろ。」
して、その解決方法は?
「角っこ、切っちまいな!」
わーお、トメばーちゃんたら、大胆!
「いや、ばーちゃん?なんか違う。そうじゃないのよ?」
「なあ、ゲンゴローじーさんや。茶飲み友達になろうかね?」
「・・・本当かい?トメばーさん?友達になってくれるのか?」
「ああ、勿論だとも」
・・・いつの間にか、話が纏まったようである。
なんか知らんが、めでたしめでたし?




