乙女心ですね。
「今日も、張り切って行きましょうぅ〜」
黒子の掛け声高らかに、俺、ゲンナリ。
現在、お月様もにっこり、ニコニコ夜の9時。
そして俺は今、走りたくもないのに、ランニング。
と、いうのも―――3日前。
「美樹ちゃん。お仕事ですよ〜。」
と言うわけで、今回のお客様はちょいと暗めな、オフィスレディ。
「あたし・・・。イキオクレなの!」
このまま、あたしだけ結婚も出来ないんだわ〜なんて、俯き加減でブツブツ。
は?イキオクレって、なんですか?
韓流スターか何かですか。
イ・キオクレみたいな。
「違いますよぉ〜、彼女みたいに、結婚出来ない女の方を言うんですぅ。」
・・・心底、どーでもいい。
と、思わず顔に出てたらしい。
「どうせ、あたしなんて・・、暗くて、太くて、不細工で、トロくて、不器用で・・」
自分卑下の言葉が、次から次へとブツブツブツブツ。
しょーじき、ウザイ。
我慢だ、俺。大人の階段のーぼれーだ。
「ええと。」
ちらと、黒子に助けを求めてみたりして。
「じゃあ、先ずは自分磨きからですね!」
って、言うから、そのまま言ってみたら、えー面倒くさい。と来たもんだ。
おー原因、解ったんじゃね?
「やっぱさ、努力って、必要なんじゃないですか?」
俺は、真面目にそう思う。
そしたらなんと、逆ギレぎみにこう言った。
「じゃあ、あなたも協力しなさいよ!」
俺は強制的に、ダイエットに協力する羽目になった。
と、言うわけで、基本はランニングだよねー。
「ふぁいとー、おー。ばっちこーい。」
黒子、掛け声おかしいけど。
「あ・・あたし、ぜぇ、ぜぇ・・、もう・・・・だめ。あ・・たし・・の事は・・気に・・しないで」
おい、あんたがやらんでどーするよ。
「あ、ほら、あそこにカッコいいお兄さんが・・・」
俺の脇をばびゅっと、勢いよく駆け抜けるOL。
「乙女心ですねぇ〜。」
嫌だ。あんなん、乙女とは認めない!!
ダイエット開始から、10日ほど経った。
逆ギレOLは、一人でも頑張ったみたい。
見違えるように、キレイになった。顔がどうとかじゃないんだけど、顔つき?が変わった。
俯かないし、卑下しない。
ちょっとは、自信が付いたのかな?
「あらぁ、変わりましたねぇ。」
黒子も認めて、感心してたよ。
んじゃ、後はホスト・・・(この際、ホストでいいか)にお任せしよう。
「おーい、死神さーん。」
お仕事、最後の仕上げは、死神さ〜ん。
「努力する貴女は、美しいよ。」
うげ。
あの変態に影響受けた、ショーさん。
薔薇まで持ってきたよ。
でも、棘取り忘れたの?刺さって、顔が引きつってるよ?
「お姉さん、あの人死神だからね?狩りの対象じゃ、ないからね?」
ギラギラの眼差しがコワいから、いちをう忠告したからね?
んじゃ、俺らは帰るか。
帰りながら、黒子がぽつり。
「美樹ちゃん、ちょっと逞しくなりましたねぇ。」
お、マジで?
努力するって大変だけど、何か・・・いいかもね。




