お世話してます。
夏目先生の『倫敦塔』を読もうと、心で決める。
でも先生、月が曇って見えない場合は、どうするんでしょうか。
と、純朴アピする俺を、首なし騎士さんは、ブンブンと大剣を振り回して見送ってくれる。
あー本物だったら、その辺一帯、首なし一族出来上がり?
そんな怖い想像してる俺に、黒子が言った。
「さて、美樹ちゃんのご両親の所へ、行きましょう!!」
と、ノリノリの社長を引き連れて、久々に両親と対面する。
ロンドン塔から徒歩15分!
キラキラ透明御一行を引き連れた俺は、両親のアパルトメンを見上げる。
あー、なんだか緊張して来た。両親だけどね。
ビーーーー。
ブザーがなって、直ぐにドアがガチャリと開く。
「美樹也~。待ってたのよ。さぁ、早く入って。」
と、せかせかせっかちなのは、母親です。
「あら、お友達も沢山連れて来たのね~。どうぞ入って下さいな。」
ん?なんですと!見えるの??
「はい。お邪魔しちゃいますぅ。」
と、普通に言って、中に入って行く黒子。
「ほら、美樹也も早く入りなさい。」
はあ。
「母さん、見えてんの?あの人たちが。」
「ええ。見えてるわよ?あら、いけなかった?」
いや、いいけどさ。なんでフツーな対応なわけ?
とりあえず、リビングに向かうと父親と御一行は御挨拶中でした。
「いやー。社長でしたか~。美樹也がお世話になってます。」
ペコリ。と父。
「はい。お世話してますぅ~。」
胸張り社長、黒子。
世話された覚えはねぇーよ?
そして、何故に父までフツーに受け入れてんの?
「で、どうです?うちの子は。ちゃんとやれてますかね?」
何をだ。学校行って、仕事して、引っ張り回されガンバっとるわ。
「あー、美樹ちゃん授業中、すぐ寝ちゃうんですよぉ~、私が憑いてるから、起こしてあげるんですけどね。」
おい黒子、何ぬかしてんのさ。原因がどの面下げて・・・って、そうね、その不遜な顔よね。
「こらー。駄目じゃないか美樹也。社長さんに感謝しないとな。」
わっはっは。って、おかしくね?いろんな意味で。
「まあ、皆さんどうぞゆっくりなさっていって下さいよ。」
おい、父さん!追い返せよ。怪しい集団だぞ?
母はというと・・・、ああ、ホスト・・・もとい、死神ぃーずに囲まれて、とっても楽しそうだ。
大丈夫かな。この両親。
何故か見える上に、何故か平然と受け入れる両親。
でも、なんか楽しそうだから、いいか。・・・いいのか?俺。
ついでに、今後の予定でも訊いとこう。
「いつまでロンドン?」
「年が明けてから、帰国予定よ。たぶん、一ヶ月位は居れるかな。」
淋しくさせて、ごめんね。と、母さんは言った。
大丈夫。と、俺が答える・・・その前に、黒子が答えた。
「大丈夫ですよぉ。私が憑いてますからぁ。」
うはー居なくとも、大丈夫ですぅ。寧ろ、居ると厄介だらけだ!
おい、母さん!!よろしく頼まないで貰えますかね?




