呪っちゃいますか?
ひゅるるる・・・。
と、お化け定番のバックミュージックが、聴こえてきそうな雰囲気のここは?
残念、お寺じゃないよ?
神社でしたー。
神社は神聖な場所。そう、穢れなど入れ・・・ちゃうのね。
透明な御一行様が鳥居を潜りマスよ?いいんすか?
長くて急な階段を社殿に向けて、上る。
苔むした石段の両サイドは、林だ。
・・・昼間ならばいいが、夜は怖い。しかも本物連れてるし?
はぁ、はぁ。
半分くらいまで来た時、カツーン、カツーンと何かを打ち付ける音が聴こえて来た。
うは。深夜の神社で、打ち付ける音といったらアレしかないよな?
マジか。今時、そんなんがいる事に吃驚だ。
「ああ、いらっしゃいましたね。獲物・・、失礼、顧客が。」
・・・獲物つったよ。この社長。
でもさ、アレって、自殺じゃなくね?どっちかつうと他殺じゃね?
「あの方、ご自分を呪ってるんですよぉ。」
・・・ほっときゃ、いんじゃね?
「呪いじゃ、自殺、出来ないっしょ?」
「いいえ。呪いで死ねますよぉ〜。」
ねえ。と、隣にいた麿バケに振る。
「そうじゃ。マロも呪いで死んだでおじゃる。」
うは。ギャグか。麿が、マロって、言った。
そうこうしている内に、カツーンの響きが大きくなる。
顔が見える所まで近付いて、獲物・・・もとい、客が振り向く。
ぎゃああああああ。
「ぎゃああああああ。」
ん?悲鳴が重なった?
振り向いた、丹塗りの顔(しかも五徳乗っけてるよ)にビビった俺ともう一人。
その本人が悲鳴を上げたのだ。しかも、失神したよ。この人。
「あらあ、私たちの事、見えちゃったんですねぇ。」
夜中の神社で、藁人形に釘打ち付けてる(しかも自分に向けて)くせに・・・。
と、思いつつ背後を振り返る。
ぎゃ。危うく俺も失神するぞ?
背後は、幽霊の大博覧会か?というほどのお化けども。
お化けミュージアム(あるか知らんが)真っ青だ。
・・・そりゃ、気も失うわな。
「とりあえず、起こしてくだい。パパンと。」
パパンの部分で、手を左右に振る、黒子。
ピンタですか。リョーカイ社長!
パパン。おまけにパパン。
「おーい。起きろーーー。」
丹塗りの顔が薄らと目を開け・・・見開いて、また閉じかける。
「おいおい、寝るな。」
どうにか、起こすことに成功。
んでもって、呪いで自殺しようとしたのか?と聞いてみた。
「・・・はい。」
俺の背後(覗きこんでくるお化けども)を気にしつつ、ぽつりと話し始めた。
「色々、考えたんですけど、首つりは苦しそうだし、刃物は、ちょっと・・・。」
で、自分を呪ったら死ねるのではないかと、思ったらしい。
なんじゃそりゃ。
「じゃあ、皆さんで、呪っちゃいますか?」
マジの呪い発動!!ノリノリだね、透明軍団。空気がビリビリするよ?
ひいいいい。と、頭を抱えて震えだすもんだから。仕方ない、仕上げと行きますか。
「おーーい、死神さーーーん。」
お?今日はショーさんか。説明メンドイから、省くね。
後よろしく。
ワイワイ大騒ぎの連中を放って、俺はさっさと帰途に就いた。
人を呪わば穴ふたつ。と言うけれど、自分呪ったらどーなんの?




