社長代理です。
珍獣・・・痛い。
噛むなよ、俺の指を。
珍獣と呼ぶと怒って、俺の指を噛む。
「お前、名前は?」
返答を期待せずに、狐もどき(ちっさい)に、聞いてみた。
「我は、紺という貴い名前が付いておる。
そちに、特別に紺様と名前を呼ぶ事を許そう。」
びっくりだ。
狐もどきが、口利いたよ。
しかも、偉そうに。
そんでもって、何だ、その安易な名前は。
狐もどき(ちっさい)がコン、だって。
「痛い!悪かったよ。コン。」
む。
様がないのが、お気に召さないおコンさま。
「まあ・・、よかろう。」
いいのかよ。
つか、黒子は、この子呼ばわりだったけど?
「良かったですねぇ。紺様と仲良くなりましたねぇ。」
いや、まだ仲良いかまでは・・。
まあ、ちっさいくせに生意気だけど、かわいくなくもないから、いいか。
改めて。
「ヨロシクな。コン!」
俺は、コンの顎の下をコショコショする。
ゴーロゴーロ(ハート)
うは。気持ちいいんだ。
「ごほん。」
あ、誤魔化した。
「う、うむ。苦しゅうない。
良しなに頼む。」
かわいいじゃねーか。
とかやってたら、ふわりとキラキラが湧いてきた。
は。このキラキラは!!
「よう!美樹ちゃん。」
ああ、やっぱり。
死神キラキラ。
爽やかに片手をあげて、現れたのはケイさん。
「ケイさん。どうしたんですか?」
呼んでないけど。
答えたのは、黒子だった。
「ああ、私がいない間の、社長代理ですぅ。」
代理ですか。そーですか。
で?もしかして、社長代理権限とか・・・。
「社長代理権限で、美樹ちゃん、俺の頼みを聞いて〜。」
あ、使えるんですね。
そして、早くも乱用。私用も関係なし!!
「あ、お迎えが来ちゃいました。
行ってきますね。イヤですけど。」
と、黒子は迎えの・・・。
サイじゃねえの?
何故にサイ?
獅子とか天馬でなくて、何故にサイ?フガフガ言ってるし。
絶対、あいつの名前は、フーガだ。
と、断定してると黒子が言った。
「風雅、ご苦労様ですぅ。」
ビンゴ☆嬉しかねーよ?
黒子は、サイに跨がり、飛んで行った。
ああ、サイが飛んでる。
なんか、カッチョ悪い。
「でね、美樹ちゃん、俺のお願いなんだけど・・・聞いてる?」
あ、ごめんケイさん。
サイの登場で、ケイさんの事、忘れてたよ。