あらぁ、団体様ですね。
午後の授業も終了し、帰ろうかと席を立つ。
「あ、時津君!」
珍しい。俺を呼びとめるやつがいるなんて。
「・・・なに?」
そいつは、ちょっとたじろいだ風に言った。
「この後、予定・・・て、いうか合コンするんだけど、行かない?」
んあ?
なんですと?
「合コンですって~。いいじゃないですかぁ。若いっていいですねぇ。」
黙れ、おっさん(年齢知らんけど)。
「あ~・・ごめん。そういうのは、ちょっと・・」
俺。苦手。人見知りだし(人外なら大丈夫みたいだけど)?
「そ・・そうなんだ。あ、気にしないで。じゃぁ、またね。」
そいつは、去って行った。
「いいんですか?可愛い女の子とか、居たかも知れませんよ?」
なんでお前が、ガッカリしてんだ。
そんな合コンの誘いを断った俺には、そうね。
そうそう、仕事がね。仕事があるのよ(不定期だけど)。
「合コン・・・可愛い女の子ぉ。」
まだ、ぶつぶつ呟く黒子(でも、仕事を持ってくる)。
いいだろ、もう。
ぶつぶつ、うるさい黒子と連立って来たのは、河原。
川ですか。流されてみるのかね?
とか、思っていたら、人が結構、居りまして。
言ったよね?人見知りなんだって。たぶん。
なんと、そこは集団自殺の現場だった。
放置したら、地獄絵図?
想像したら・・・・怖い。
「あらぁ、団体様ですね。
ほら、お仕事ですよ?」
は。
黒子にせっつかれて、我に返る。
えーい、やけくそ。
自殺寸前の集団の中へ飛び込むは、俺。
その様子を楽しそうに見てるは、黒子。
必殺!社長権限(しつこい様だが、社外も有効)で、どーにかしてくれ。
諦めつつも願わずにいられない、お年頃な、俺。
「はいはーい!ちゅうもーーーく!!」
自殺者の中心で、死神を叫ぶ。なんてな?
「はい。質問は受け付けませんよ。皆さんには、死神さんを紹介しますから!!」
ちょっぱやに、いつもの名刺を振りかざし、叫ぶ。
いきますよ?呼びますよ?いいですか?
「おーーーーい。しっにがみさぁぁぁん。」
はい、本日いらしゃったホスト・・・もとい、死神さんはというと。
オールスター勢ぞろいでしたぁ!!
お久し、ケイさん、
この前ごめんね、アキラさん、
ショーさん、
ユウさん、
シュウさん、
・・・・、
あ、新顔。あなた、誰?
でもって、あんたらキラキラしてる。
死神のくせに、キラキラしてるよ?
若い女性の集団自殺だった訳で・・・。
ホスト・・・もとい、キラキラ死神ぃズとくれば?
はい、正解!
言わないよ。俺。決して、言わないけれどもね、推して知って?
おねーさんたちは、自殺しようとしてたなんて思えないよ。マジで。
「あらぁ。楽しそうですねぇ。混ざりますかぁ?」
結構です!!
・・・もしも、また誘われたら、行ってみようかな。(生者どうしのやつ)