一章 22
息子が心配だからという理由で仕事休んで来るほどに、だ。しかも、実家からは半日以上もかかる距離から考えるに、昨日のあの電話の後直ぐに向かったに違いない。
じゃないと昨日の今朝にこんな状況にならない。
足の裏を軽くつねってみたけど、やっぱり痛い。因みに私は正座です。母の威嚇がげに恐ろしく、萎縮してます。実の母の殺気なんて貰いたくないですよ。
そんなピンと張り積めた空間で、私が始めに口火を切ったのは、丁度胃がキリキリと痛み出し始めたころだ。
「あの――」
「黙れウジ虫」
発言は母のウジ虫発言によって見事なまでに棄却されました。縄張りに侵入してきた外敵を威嚇する狼ですか?
威嚇どころか既に噛みついてるし。しかしですね、このままじゃ進展なしの膠着状態。プレッシャーで動けないって、久々過ぎだよ。チキショー。
口を開けば、母の怒れん罵声。ですけどね、これじゃあ先に進みませんしさ。学校もあるわけだし。
高校だけど。
大体、なんで来るかねぇ。自分の子供を溺愛することが悪いとはいわないよ。寧ろ、この古く寂れた現代人間社会においては絶滅危惧種にしていされてもいいくらいだよ。重宝されゆるべき珍しい人だと思うよ。だけどさ、だけどさ。やりすぎはよくないと思うんだ。
やりすぎる内容というのは、一例にあげると以下のような感じだ。
息子のパンツに欲情する。
息子の風呂上がりに欲情する。
息子の寝顔に欲情する。
息子に欲情してベッドへルパンダイブ。
息子の部屋に監視カメラや盗聴器を設置しようと画策する。
ザッとこんなもんだ。
可笑しいだろう。私は実の母親に貞操を奪われる危機にさらされているのだ。
うん、やっぱり病気だよ。泣きたくなるよ。
「何でこんな人が母さんなんだろう」
「ウジ虫何がボソボソと言った?」
「話が進まないから夢麻、説明してやって」
「だからさっきからなにコソコソと。はっ、まさか私の愛するマイフェイバリット勇流を匿って、いいえ拉致監禁して私も最近拝めていないあんな姿やこんなプレイを!貴方たち!うちの息子に何してくれてるの!目隠しプレイなんて羨ましいぃ!」
「母よ、まずは話を聞け。そしてそのうちに鼻血を止めろ」
私の母の頭の中は、今も変わらずまっピンクに染まっていました。
地震の影響とはいえ、長い間更新が滞ってしまい大変申し訳ありませんでした。
こんなに更新が滞ったのに、お気に入りの数が減らなかったりと皆様本当に、本当にありがとうございます。
私は、一応生きてますよ。
この後もどたばたと更新が滞ってしまいかもしれませんが、確りと続けますので今後ともよろしくおねがい致します。
最後に、今回の地震で被害に遭われた方々お悔やみ申し上げます。
私の小説で少しはクスリと笑っていただけると幸いです。
では。