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一章 15

隣に座ると、女子特有の柔らかい香水の匂いがした。夜のお仕事とか、キャラクターが濃くなっていくに比例して匂いが強くなるのはお約束。

何気に、香水付けたりするんだぁとビックリしたのは内緒。


さて、ここまであまり触れていなかったんだけど、この夢麻という女性は、パッと見、かわいい。

二重だし、目も大きい。睫毛が長く、たぶんあれは付け睫じゃなく自分のかな。髪はセミロングのマロンカラー、少し癖毛なのか所々跳ねている。けど、それが不清潔を連想させず、寧ろ女性としての武器になっている。背は一般的で、今の私とあまり差はない。正志くらいとは頭一個分くらいの差。スタイルもいいときて、胸はBカップくらいかな。だめ押しに、茶色のワンピース。しかも肩が見えるタイプ。鎖骨丸見えで、細いものの痩せている訳でもなく、いい具合の角度になっている。



散々ダラダラと解説したけど、つまり何をいいたいのかと言うと―――。






夢麻の様な女性がドストライクなんですよ。昔、一寸前までの男性橘勇流の女性趣味にピッタシ。彼女のいない人生だったけど、こんな容姿の彼女、欲しかったなぁ。



ま、今は私も女の子。悲しいことに、女の子。




「これは?」


「これは、適当に西暦を設定して、その年に流行った歌とかをランキングで表示するので……こう…なります」


「ぉおお!なるほど……では―――」




わからないのは、曲の入れ方、というより画面に表示されている項目の意味のようで、ある程度教えると、後は手慣れたように使えるまでになった。


早速、何か曲を入れたみたいでマイクを取って曲が始まるのを待つ。











ダーンダーダーダーダダダダダッダダダダダッダダダダダッダーーーーーン!











盛大に吹いた。

フリードリンクも台無しなくらい、そりゃもう悪役プロレスラーの必殺必中毒霧の如く、口の中に含んだ水分を豪快に吹いた。




軽快すぎるリズムと大々的なBGMが聴こえると同時に画面に表れた、デッカイロボット。

そう、昔子供の頃、日曜日の朝にはいっていた戦隊もののラストに出てくる巨大ロボットをアニメーションで表したようなデッカイロボットが、お決まりみたいなポージングで表れた。子供なら真似をしてそうなわかりやすく簡単に真似できるポーズだ。


一応言っとくと、私が選んだんじゃないからね。あの子が勝手に選んだんだからね!私も久々に見たよ!



ファーストインスピレーションにとてつもない衝撃を与えてくれたが、これで終わりはしなかった。まだ、衝撃の余波が収まっていない中、第二波は直ぐにやって来た。










「おだや〜かな〜うみが〜ばくお〜んで〜うずま〜くだ〜いちがあ〜れる〜」













口の中には水分は含んでいないのにも関わらず、また吹いた。食道辺りから空気を全部吐き出した感じで、下手すると胃液とか出んじゃない?

こう、よく感情のない声とか棒読みとかいったりして批判する時があるけど、こんなにこの二つが当てはまる歌声を私はテレビバラエティでしか聞いたことがない。



何よりすごいのは、歌ってる人に対してめちゃくちゃ失礼なことをしているにも関わらず、動揺せずに歌い続ける夢麻だよ。なんで平然と歌えるの!

音痴な人って自分では自覚できないとは聞くけど、本当なの?! 録音して聴かせてやりたいよ!



選曲もどうしてアニソン?!

いや、アニソンが悪いっていいたいんじゃなくて、そういうのは気の知れた友達と一緒の時にだね。初対面でいきなり年頃の女の子が昭和な雰囲気満載のスーパーロボットアニメの曲を歌うって何なのさ!

てかまずどうして知ってるそんなアニソン!どうやって知った? どこで聞いた!


とは、言えなくて、仕方がなく吹いてしまい飲めなかったソフトドリンクを飲んで落ち着きをはかる。

やたらと真面目で真剣に歌うものだから、そんな顔見たら言えないって。表情変わってないけど、こう、そんな雰囲気を感じたし。

今日は色々と有りすぎた。

学校サボっちゃったし。ま、いっか。必修の講義はなかったし。

もう、帰って寝たい。

画面では、スーパーロボットがドカーンバキーンと敵みたいなロボットを倒して爆発させている映像が流れ、室内は夢麻ボイスの超音波攻撃が続いている。






よし、もう歌おう。こうなりゃやけだよ。

私はやけくそ気味にコントロールパネルを取った。



結局、その後は私と夢麻のカラオケステージとなり、途中ちょこちょこと正志も入ったり抜けたりしたが、私と夢麻は一度もマイクを離さなかった。


因みに夢麻は、アニソンしか歌わなかったし、私は喉を枯らせる激しい歌しか歌わなかった。

最後の曲を歌い終えた後、ソフトドリンクを飲むと喉がとっても痛かった。

やっぱり夢じゃなかった。


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