ヴィアール辺境伯領編 26話 「人魔大戦とは?」その2
レムリアとアトランティスからの移住者の人間達の話しは続く。
何故元の世界のガイアへ侵略しないのか?と言うと「神」と呼ばれる存在の力が大きいので断念したそうだ。
「アトランティスの人間達は龍種に対抗する為に魔法を使い自らの肉体を変化させおったのじゃ。
天龍に対抗する為に背中に翼を生やしたりしてな」
「まぁ、その気概は認めるがな」とクライルスハイムは笑う。
「その事に危機感を募らせたのはレムリアからの移住者達だ。
何せ一回自分達の世界を滅ぼされているのだ、当然じゃな」
魔法を使い身体を変化させた者は自らを「スペクター」と名乗り、龍種やレムリアからの人間に侵略戦争を仕掛けて来たのだと言う。
その軍団を率いた将軍達が自らを「魔王」と称したのだ。
この際に複数の魔王が誕生して現在に至っている。
「この近隣を制している「魔王バステア」もその時の魔王なのでしょうか?」
中央大陸の東部は魔物達の王、魔王バステアが猛威を振るっているのだ。
「いや、彼奴は純粋な魔物の王で、ここで言う魔王とは全然違う。
彼奴の目的は魔物の生存圏の確保と拡大じゃ、これに関しては自然の生存競争なので龍種も手は出さぬ」
元々、彼奴のテリトリーに侵略を開始したのは人間の方だからな。と言いた気な様子のクライルスハイム。
「アトランティスの人間・・・もう魔族で分かるな?
魔族に対抗する為にレムリアの人間・・・も人間で通じるな?
人間が魔族に対抗する為に「勇者」と言うレムリア独自の魔導を復活させた」
魔族が魔法で肉体を変化させた様に人間も魔法で体質を変化させたのだ。
魔族の肉体改造は安易に力を増す事が出来るが自力での能力の向上が難しい。
人間の体質改造は難易度が高いが成功すると能力の向上は天井知らずになる。
「どちらが優れているかは判断出来ぬよ、数の力で押すか個人の力で押すかの違いじゃからな。
勇者覚醒は失敗すると命を失う事もあるから有望な人材を無く結果になる事も多いから何とも言えぬ」
「つまり旦那様はその「勇者」だったと?」
「いや、違うよファニー、私は「覚醒」に至る事は出来無かった。
覚醒に失敗して結果はこの通り攻撃魔法が使えない身体になったからね」
「勇者覚醒に関しては謎が多すぎるな」
天龍王アメデが何処から取り出した古びた古文書をラーナへ差し出す。
「これは?勇者覚醒の古文書?
でも抽象的な言い回しが多くて良く分からないです」
「ねえ?良く分からないだろ?ラーナ」
両手を上げて降参のポーズを取るヤニック。
「だっ!旦那様!身体のお加減は大丈夫なのですか?!」
急にヤニックの体調が心配になったファニー。
「大丈夫だよファニー。
俺は覚醒勇者の一歩手前まで行けたからね。
覚醒失敗で寿命が大幅に削られたけれど、君より遥かに長生きしてしまうんだ」
そう言うヤニックはかなり寂しそうだ。
推定出来るヤニックの寿命は300年ほど残っている。
その時に定命のファニーは間違い無く亡くなっているので、その事を考えると悲しくなるのだ。
「うふふ、シーナが居ますわお父様」
そう言ってヤニックを励ます天龍王アメデの愛し子のラーナも長生きはすると思うが300年はさすがに生きられない。
しかしシーナの寿命は現在予測不能と言えるほど長いのだ。
「そうだったねラーナ」思い出し笑いをするヤニック。
「そんな魔族と人間の決戦内容を予測したのが黙示録なんだよ」
当時のレムリアの人間によって行われた魔族との決戦の図上演習を書き残した物が黙示録として後世に伝わったのだと言う。
ちなみに一般的な黙示録は1冊だけだが勇者達に伝わる黙示録は全120巻に及ぶ。
「全部読んで勉強したけど、実際の戦いは全然違ったよ」
ヤニックが実際に経験した「人魔大戦」黙示録戦争が語られる。
「えっ?これ後3話で終わります?」
終わる訳無いじゃないですか。
「また完結するする詐欺か・・・」




