片腕の王女編 8話 「最愛の娘との再会とその後」
☆やっぱりこのお話しも修正もしないで掲載ですか?そうですか。
ちなみに私の正体が判明するは本当にかなり後ですよ、もう忘れて下さいね。
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皆様こんにちは!前回に引き続きましての謎の解説者です♪
さて視察の当日がやって参りました、王妃ファニー様とシーナの感動の再会の日でもあります。
王妃ファニー様は赤ん坊の時別れてからシーナを見た事がないので物凄く緊張していますね、リラックスですよ!お母様。
本日の視察の目的は主に軍事関係でうちの国では地方領主と王家はこんなに上手くいってるぞ、とのアピールを外国にする為です、その為に他国の外交官の人達も同行しております。
西の大陸でゴルド王国とヴィグル帝国の間で色々小競り合いが起きている状態なので有事に備えて国内の結束を高める目的もあります。
視察団が市街の外苑からスタートするので、その間にシーナのおめかしを宿屋の看板娘のエレンちゃんがしています。
今日のシーナは水色のワンピースに薄いピンクの靴、変装の為に髪を黒から明るい茶色に色覚魔法で変えてます。
ポニーテールにピンクのリボンが可愛いです。
ちなみに右腕はノイミュンスターさんが赤ん坊の時から成長に合わせて作り込んでます。
シーナも自分の右腕が義手である事すら知りません。
地龍の造形技術は世界でも最高峰なのです!
「エレンちゃんどーお?」シーナがスカートを左右に揺らします。
「バッチリ!可愛いよ」
「えへへ」今度はクルンと一回転・・・私のお鼻の血管がそろそろヤバいですよ!
後は変装らしい変装はしてないですね?
シーナの成長した姿を出来るだけ素で見せてやりたいとの店長さんの思いが伝わって来ます♪
「シーナはお母さんに会うのどう思ってるの?」
おおっ!エレンちゃんが踏み込んだ質問をぶつけましたよ!
私も凄く気になります!
「んー」
シーナは考え込んでます、私も心臓がドキドキしてますよぉ。・・・浮遊霊に心臓はありませんが・・・・・・ないよね?!
「すっごく嬉しい!早くおかーさんにあいたい!」
!!!良かったですねお母様!王妃様の思いは無駄にはならない様ですよ!
あっ視察団が市街に戻って来た見たいです。
いよいよ再会の時が近くなって来ました!
その事を聞いたシーナはエレンちゃんの手をキュッと握ってます、やはり緊張してるのですね。
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遂に視察が始まりました。
・・・昨日はやはりあまり寝られずに目に隈を作ってしまい侍女長に軽くお説教されてしまいましたわ、いい歳して恥ずかしい限りです。
嬉しさ半分に不安半分と言った感じです、いけない!今は公務の最中です気を引き締めなければ!
町周辺の順調に視察は進み市街に戻って来ました。
いよいよシーナに会える、ずっとラーナを見て来ましたから成長した姿は想像出来ます。
ああ・・・もの凄く緊張して来ました。
あの建物の角を曲がると工業地域でノイニュンスター様の鍛冶屋があります
あそこにシーナが・・・
予定にあったテーブルの近くに手を繋いで立つ2人の少女・・・
ああ・・・・シーナだ
一目で分かりましたよシーナ
ラーナより少し身長が高いかしら?
目元が少し旦那様に似ていますね。
耳はラーナと違いうえ向きなのですね。
お口はラーナの方が小さいです。
うふふふ
双子でもやっぱり全然違いますね。
見分けが出来なかったらどうしましょう?とか思ってましたのに・・・
あらあら
シーナってばそんなに走ってはいけませんわ。
あなたはお姫様なのですからね。
あら?何でわたくしは地面に座っているのかしら?
目の前にシーナがいます。
抱きしめてもいいのかしら?
・・・・・
・・・・
・・
「おーひさま?!」
膝から崩れ落ちた王妃様をシーナが抱きしめます!
急に倒れるからビックリしました!
王妃様はまだ放心状態と言った感じで侍女の方が肩を抱いています。
王妃様が倒れた瞬間のシーナのめちゃくちゃ早い動きにもビックリです!
シーナはせっせと王妃様の手を擦っています、手が冷たいのでしょうか?
「おーひさま!だいじょうぶ?!」
必死に王妃様に話しかけています。
するとゆっくりと手を伸ばしてシーナをそっと抱きしめました。
「うっ・・・うう・・うわああああん」
まるで子供のような王妃様の泣き声が町に響き渡りました。
「おーひさま、おなか痛いの?だいじょうぶ?」
王妃様の頭を撫でながら心配そうにシーナが尋ねます、なんで子供は大人が泣くとお腹が痛いの?と聞くのでしょうね?
王妃様の周囲にいる臣下さんや外交官の人達は余りの事に呆然の棒立ちです。
スカンディッチの人達は微笑ましく2人を見ています、温度差が凄い!
少しずつ冷静になって来てだんだんと自分のした事を理解し始めた王妃様、お顔がどんどん赤くなって来ましたよ!!
大丈夫ですよお母様!人間誰しも泣くのです!泣いた後に笑えば良いのです!
「あっあら、わたくしったら、ごめんなさいね驚かせて」
シーナの髪を梳きながら王妃様は苦笑いをします。
「おーひさま、おなか痛いならあたしとあそこで休も?」
そう言ってテーブルを指差すシーナ素晴らしいですよ!なんて自然な流れ!
周囲の側近の人達は「はっ!」と我に返ってシーナの提案に全力で乗っかります。
「そうですね!王妃様はお疲れな様なので少女の言う通り少し休憩しましょう!」
「誰か!お茶の用意を!」
シーナのナイスアシストで王妃号泣事件は強引に解決しました!
いいんですよ!解決ったら解決です!
当初の予定通りにテーブル席に移動する王妃様一行
「王妃殿下はお疲れの様ですので残りの公務は後日と言う事で」とスカンディッチ伯爵の提案で視察団は一時解散の流れになりました。
さりげない皆さんの連携は見事です。
「ごめんなさいね、お恥ずかしい所をお見せしましたわ」
「おーひさま、だいじょぶ?」
「はい、昔良く知っている女の子に貴女が似ていたので思わず感情が高ぶってしまった見たいですわ」
この場では王妃と孤児院の子供の設定なのでわりと当たり障りない会話が続いています。
別れ際にシーナを滞在している官邸に招く流れです。
でもシーナは自然な流れで王妃様と呼んでるんですね・・・
王妃様が母親だと知ってるのですが、生き別れた母親との再会した子供と言った雰囲気がしないのです。
「どうでしょうか王妃殿下、心配をかけたお詫びにこの子を滞在している官邸に招いては?」
おおっ予定通りに女官さんがシーナを官邸に招く事を提案しましたよ!
「まあっそれは良い考えですわ!どうでしょう?店長様、ご息女をわたくしのお部屋に招くのを許して頂けますか?」
平民の子供を王族の部屋に招くのは比較的良くある事でそのまま侍女や侍従として雇ったりします。
平民にもオープンな王家だと国民にアピールするのです。
「承知致しました殿下この後すぐ準備を致し官邸へ参上致します」
店長さんが深く頭を下げます、少し不遜な感じですが平民なのでこれで失礼はありません。
逆に貴族の様な礼や言葉使いの方が失礼になります。
「そうですが良かったですわ、では、夕食をご一緒しましょうね」
晩餐だと平民は気後れするので夕食と言う言い回しなのですね。
この様な気遣いが出来ない王侯貴族も多いですが王妃様は官民の距離が近い辺境伯家の出身なので自然と態度にでます。流石ですね!
王妃様が大泣きするアクシデントがありましたが概ね予定通りに進みましたね!
この後の官邸でのお泊まり会が勝負ですよお母様!
こうして王妃様一行を見送るシーナと店長さん、店長さんが話しかけます。
「どうだ?シーナ?お母さんに会って」
「んー前のときといっしょー」
「前の時?」トムソンさんが不思議そうにシーナを見ます。
「ラーナにあわせたいって、おかーさん言ってた」
「!!!シーナ覚えているのか?!」
「うん!おかーさんはあのときもいいにおいがしてあったかかったよ」
・・・驚きました
シーナは王妃様との別れの時の事をハッキリと覚えていました。
シーナにとっては人に言われるまでも無く、王妃様のことを赤ん坊の時からずっと母親だと認識しているので今回はお芝居なのが分かっていたから王妃様と呼んでいたんですね。
今回もお芝居と分かっていたから淡々とした印象を受けたんですねぇ。
「この後お母さんに会ってどうする?」
「くっついてねるー!」満面の笑顔のシーナです。
今日の夜はお母様にたくさん甘えて下さいねシーナ・・・
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はあ・・・
あんなに泣いてしまうだなんて恥ずかしいですわ・・・
自分では気づかなかったのですが精神的にかなり追い込まれていたのですね。
シーナの顔を見た瞬間に嫌な物が体から出て一気に気が抜けてしまったのね。
うふふふ、やっぱり子供って凄いのですね。
久しぶりに見たシーナはとてもとても可愛いかった・・・すぐ側で成長を見届けられなかったのがやはり悔しいです。
一生懸命に手を擦ってくれるのはラーナと一緒です。
ラーナもわたくしが気持ちが苦しい時や体調が悪い時はすぐに気がついて一生懸命に手を擦ってくれます。
やっぱり双子ですね。
もうすぐシーナがやってきます。
この先わたくしはシーナとどうしたいのでしょうか?会う事が目的で他の事は考えてませんでした。
「殿下、シーナ王女殿下が御到着なされました」
シーナを放逐した官僚や大臣達の思惑と経緯を知っているわたくし付きの侍女や女官は、これまでのシーナに対する処遇に猛反発しており今回を契機にシーナを王女として扱うつもりの様です。
長年に渡りわたくしに忠義を示してくれる者達には頭が上がりません。
そうこうしてる内にシーナが部屋に入って来ました。
「この度は御招待頂きまして身に余る光栄で御座います」
「こうえいでございます」
ノイミュンスター様とシーナがわたくしに深くお辞儀をしてくれました。
・・・地琰龍ノイミュンスター様を信仰しているわたくしには複雑です、自分が信仰する神様にお辞儀をされるなんて。
ノイミュンスター様の教育の賜物でしょう、親の欲目なしに平民の礼ですがシーナの所作は優雅で可憐です。
「良く来てくれましたね、遠慮なさらずにお入り下さいね」
夕食までの間に簡単な談笑をする予定です。
わたくしには今後に関わる事柄とシーナの思いを聞く人生においてとても大事な時間になります。
「皆、人払いを」
わたくしの言葉に侍女と女官がスっと部屋から出て行きます、ノイミュンスター様とシーナの前の席に座ります。
「ファニーよなかなか良い臣下に恵まれているではないか」
穏やかな口調でノイミュンスター様が話しを始めました。
「はい、わたくしには勿体ない者達です」
「そんな事はなかろうなお主の人徳でもって忠誠を誓っていると見受ける、誇って良いぞ」
ノイミュンスター様の言葉は何一つ打算や虚偽がない真実の言葉、神の言葉です。
「シーナは赤ん坊の時の事を覚えていたらしいぞ、遠慮なく母として接するが良いぞ」
!!!!
覚えていた?!
シーナはあの時の事を覚えているのですか?!
「し・・・・シーナは母の事・・・覚えているのですか?」
「うん!おかーさんがラーナに会わせてくれるって、あたし楽しみなの!」
なんてこと!わたくしがあの時が言ったラーナに会わせると言った事も理解していたなんて!
「ラーナはねいつも一緒にいるの!でも一緒にあそべないから会えるのが楽しみなの!」
?!どう言う事でしょう??
「ノイミュンスター様これは一体?」
「ふむ、我にも分からぬな、双子にしか分からない何かがあるのやも知れぬな」
「ラーナはね、フワフワなの!いつも一緒だけどお話しできないの」
これは?・・・・帰ったらラーナとも話す必要がありそうです。
「ふむ・・・これは我も後で調べておこう、今は久しぶりのシーナとの時を楽しむが良いぞ」
そうでした!今は奪われた7年のシーナとの時間を取り戻さねば!
「シーナ、母に顔をよく見せて下さい」
わたくしが両手を広げるとシーナは何の抵抗も無くスッポリとわたくしの腕の中に収まりました。
「はははは!流石は母親よな!人に抱かれるのを余り好まんシーナがアッサリと抱かれおったわい」
わたくしの腕の中に入ったシーナはウリウリとわたくしの胸に顔を擦り付けます
ラーナはわたくしからのウリウリを待つのですがシーナは積極的です!
かっ・・・かわいい!!
自制心が崩壊したわたくしは1時間ほどシーナをウリウリしてしまいましたわ。