ヴィアール辺境伯領編 13話 「吉報」
「フウ・・・気持ちはわかりますシーナ様、
ですがウェディングドレスは純白・・・気をつけて下さい」
シーナの顔を拭き拭きしながらアリスが注意をして来る。
「はい!ごめんなさい」
「そうですわね、ごめんなさい」
素直に謝るシーナとファニー母娘、ドレスはラーナ達の渾身の作品で純白、シミひとつでも目立ってしまうのだ。
「もう式の時間が迫っていますからね~」
そう言いながらシーナのお化粧を直すミリアリア。
再度準備を整えて新婦控え室から入場控え室へ移動をする新婦一行。
入場控え室より新郎が待つ礼拝堂へシーナが1人で入場する演出なのだ。
「ふむ、ヴァージンロードと申すのか?」
「そうです純白のドレスを来た乙女が愛する人の所へと向かう・・・
素敵です!」
「ふむ・・・いやしかし・・・」
「もしデリカシーの無い事を言ったらアリーセは本気で怒りますよ?」
「む?すまぬ」お口チャックしたノイミュンスター。
80歳の小娘に怒られる12000歳のお爺ちゃん。
ノイミュンスターが何を言おうとしたのかは想像にお任せします。
「あっ!もしかしてノイミュンスターって今ムグウウ?!」
「リール様ああああ・・・」
リールの口を押さえて「グウウ」と天龍の怒りの唸り声を上げるアリス。
「ごめん!ごめんってアリス!何も言わないってば!」
14歳の小娘に5000歳のお婆ちゃんが負けた瞬間である。
「ああ!もしかして私が処女じゃないって話しですか?」
ギャアアアアアアア!!本人が言いよったあああ??!!
「シーナああああ??!」絶叫する母ファニー。
「いえ、旦那様に手を出されない方が女として悲しくありません?
手を出されないと赤ちゃんも出来ませんし」
あっけらかんと言い切る地龍なシーナ、いや!そうだけどさ・・・
「いやー、男前だねーシーナは」
「うむ!やはりシーナはそうでないとな」
お黙りなさい!お爺ちゃんにお婆ちゃん!
「やっぱりママは凄いです!」
アリーセ?感心するんじゃありません!私だって直接描写してないのに!
つい最近もマジで詳細を書いて「これヤバくね?」と5000字ほど削除したな~。
「男なんて、そんな物ですよねえ?私の彼氏なんて・・・」
ミリアリアも暴露しない!
「手を出される・・・」
ドレスデンとの場面を想像してしまい顔が真っ赤になるアリス。
もう君達はまとめて爆発して下さい。
結婚式場の礼拝堂には参列者達がもう入り開閉式天井も全開に開かれて野外コンサート会場の様相を呈している。
このカラクリにシーナのテンションが爆上がりしたのは言うまでも無い。
天龍教の儀式に天に向かい魔力を放つ物が有るので大抵の天龍教教会に装備されてるカラクリなんだそうな。
「もしかしてこれがやりたくて天候を操作しました?」
本日は雨予報だったからね。
「バレた?せっかくの竜祭りだからね!手は抜かないさ」
天候操作は天舞龍リールと言えど1人では出来ない。
20名の天龍の龍戦士と共に集団魔法儀式を行いようやく達成される。
「くどい様じゃが天龍王アメデ様の許可は取っておるであろうな?」
「・・・事後承諾で!」
「叱られても助けぬぞ?」
「ドケチンボ!」
するとノイミュンスターと一緒に護衛で来た若い地龍の龍戦士が急ぎ足で控え室に入って来て、
「ノイミュンスター様!本国より緊急連絡の速達が来ました」
そう言いながら一枚の手紙を手渡して来た。
封筒にも入って無いので「すぐに読め」と言う事だろう。
手紙を読んだノイミュンスターは優しく笑うと手紙をシーナに渡す。
手紙は幻夢のオーバンからだった。
『30分ほど前にエレンさんが可愛いらしい女の子を産みました。
母子共に本当に元気でお医者さんもビックリしていましたよ。
シーナ殿達の支援のおかげで驚くほどの安産だったとの事です。
ブリックリン殿は魔力枯渇で気絶してしまいましたが、問題は無いと天龍のお医者さんのお墨付きですので心配無き様に。
「シーナ、ガイエスブルク、結婚おめでとうございます。
式に参加出来ないで本当に残念です、今度リリーアンナを連れて遊びに行きます。
たくさんの魔力の支援、本当に本当にありがとうございました。
とても励みになりました」
とエレン殿の言葉をそのまま書き込んでおきます。
それから私からも、
シーナ殿、ガイエスブルク殿、ご結婚おめでとうございます』
緊急連絡の速達・・・それは誰もが待ち望んだ吉報だった。




