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ヴィアール辺境伯領編 12話 「涙が!」

少し時間が遡って、結婚式3日前、ウェディングドレスの最後の調整が始まる。


「ママ!綺麗です!」

仮縫いの時、婚約騒動でその場にいなかったアリーセには今回が初めて見るシーナのウェディングドレス姿だ。


「ふむふむ、うーん、ウエストが合いませんわシーナ。

・・・かなり痩せて来てますわよ、本当に大丈夫ですか?」


1ヶ月前の仮縫い時より5kgも痩せたシーナを心配するラーナ。


リリーアンナに魔力供給を始めて数日、魔力と共に体力もドンドン削れて来ているのだ。


元々スレンダーなシーナに5kgはかなり厳しい減少だ。

食事をする習慣が無かったのも体重減少に拍車をかけている。


「正直言いますとキツいです!ですが全然大丈夫です!」

痩せ我慢では無いのだろう、顔色もそこまで悪くは無く、目の輝きも増している。


「エレンさんも大事ですが私はシーナも大事なのですよ」


「ありがとうございますラーナ!でも体力の減少に比例して気力はドンドン増して来てるので乗り切れますよ!」

半龍半人のシーナは人間の種族能力の「気力」も、ある程度は使えるのだ。


イノセントに「役に立つ時が来るから覚えろ」と言われて素直なシーナは、

「はい!分かりました!」と日々鍛錬をしていたのだ。


魔力に似て非なる力、常に魔力枯渇状態のシーナが動ける理由だ。

まぁ、切り札を使わざるを得ない厳しい状況とも言える訳だが・・・


「それよりラーナも私への魔力供給は、ほどほどにして下さいね」


「あら?バレてました?」


「そりゃ双子ですから、最初から気が付いてますよぉ」



一抹の不安を抱えながらの結婚式当日。雨予報だったが天気は作ったほどの快晴だ!

・・・まさか天龍が何かやった?


そうシーナがリールに聞くと視線を逸らされた、何かやったんすね。


式は昼からの開始だが、昨日から参列者が続々とリール子爵領に入り始めてシーナとガイエスブルクは昨日の早朝から街の入り口に立ち歓迎と感謝の挨拶をしている。


王家肝入りの結婚だが身分は子爵なので、椅子に座って「ん、ご苦労」なんて言えるほどの立場でないので誠心誠意お客様を出迎えています。


そうする事で周りの印象は良くなるので新婚夫婦は頑張っております。


チラッとシーナが周囲の山を見ると樹竜達がたくさん集まっているのが分かる。

樹龍であるアリーセが急遽まとめ役をやってくれてるので大人しく良い子で待機している様子だ。


キュイイイーン・・・樹竜の可愛いらしい鳴き声が街中に響く。

滅多に聞く事がない竜の鳴き声に不思議そうな顔の人々、まさか竜がこんなに可愛いらしい声で鳴くのだと思ってない様だ。


「あら?小動物でもいるのかしら?初めて聞く可愛いらしい鳴き声ですわ」

招待客の夫人の言葉に思わずクスッと笑うシーナ。


時計が9時を回り、新郎新婦は準備の為に教会内へと戻る。

「後は私が何とかしますわ」と出迎えはラーナが引き受けてくれた。


突然のピアツェンツェア王家の王女殿下の出迎えに度肝を抜かれる参列者達。


すると、アリーセ親衛隊の商人軍団が現れた。


「ラーナ王女殿下、ご機嫌麗しゅうございます」


「うふふ、ありがとうございますわ。

・・・案外、驚かれないで少し寂しいですわ」と笑うラーナ。


「ははは、ラーナ殿下がシーナ殿下・・・シーナ子爵夫人の結婚式に参加しない訳が

ありませんからね。

・・・ところで我々の姫君の姿が見えませんね」


キョロキョロとアリーセを探す商人達。


「アリーセはシーナの衣装の準備を手伝っていますわ」


「ありゃ!これは娘さんとして当然でしたね」


この様に、ラーナの出迎えは好評で、思わぬサプライズに喜ぶ参列者達。

この結婚式を成功させたい思いは人一倍強いラーナ。


自分に出来る事は全てやるつもりなのだ、双子の姉の為に。


所が変わって新婦の控え室。

ウェディングドレスに着替えたシーナが緊張して立っている。


「ママ?」今まで緊張する素振りすら見せなかったシーナの突然の緊張状態に不思議そうに首を傾げるアリーセ。


「どどどどどどどうしましょう!何か凄く緊張して来ましたよ!」


「[ど]が多いです?!」


「落ち着かぬかシーナよ」


「うううううううううううううん!そうだよね!」


「今度は[う]が多いです?!」


ズドドドドドドドド!!地鳴りと低い音が遠くから聞こえて来た?!


「なんですか?!」アリスが突然の音に警戒する!


「ふむ、これはファニーじゃな」


ドドドド!・・・・ピタッ・・・コンコン・・・カチャッ


「準備は終わりましたか?シーナ」

澄まし顔で部屋に入って来た王妃ファニーだが擬音が多いから!


猛ダッシュで走って来たのバレバレだから!


「はい!お母様!」


「・・・・」無言でシーナの頬を両手で包むファニー。


「お母様?」


「体調は・・・大丈夫なのですね?」


「はい!」


「なら人生唯一の結婚式を楽しみなさい!」


「はい!」


シーナの体調不良を一発で見抜くファニー。

それを踏まえて「結婚式は出来ますね?」と聞いたのだ。


ファニーはシーナを強く抱きしめて、

「幸せになってね、シーナ」と頭を撫でてくれた。


「はい!」シーナの頬に涙が伝う。


それがウェディングドレスにポトリと・・・落としてたまるかぁ!とばかりにアリス電光石火のタオルが阻止に成功する!


「アイシャドウが!」そう呟いたミリアリアがすぐさま化粧箱を用意する!


侍女達のコンビネーションが冴え渡る!

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