ヴィアール辺境伯領編 10話 「再会をする為に」
「ノイミュンスター!!」
結婚式の為に早めに来てくれた地琰龍ノイミュンスターに抱きつくシーナ。
頭をノイミュンスターの胸にグリグリする甘えん坊シーナ。
「なんじゃ?今回は別れてからあまり間が経っておらぬではないか」
そう笑いながらシーナの頭を撫でるノイミュンスター。
ぶっちゃけ海龍王アメリアと天舞龍リールの動きがあまりにも不穏過ぎて、
不安になった地龍王クライルスハイムが心配してノイミュンスターから・・・
「「早めに様子を見に行ってやってくれぬか?」」と言われて来たんだけどね。
「・・・と言う話しなのじゃがお主達は知っておるか?」
この時初めて竜祭りの話し聞いた新郎新婦の反応は・・・
「楽しそうですね!」予想通りの反応のシーナだった。
「竜祭りってどれくらいの竜達が来るのですか?」ガイエスブルクは少し呆れてるのか苦笑いだ。
「解らぬが西の大陸の飛竜と雷竜も来るのでな、把握出来てる範囲では1500頭は間違い無く来るだろうのぅ」
「そっ・・・それに天龍、地龍、海龍が500人ほど来るんですよね」
その場を想像して顔が青くなった天龍アリス。
国どころか大陸が滅びそうな戦力だもんね。
「ああ、アリスよお主の両親も来るらしいぞ、お主に早く会いたがっておった」
「え?!お父さんとお母さんが?!」
嬉しくなって今度は顔がポッと赤くなったアリス、分かり易いね君。
「ドレスデンよ、お主の両親もな」
「う!父さん母さんも来るんですか?」
照れ隠しで嫌そうな反応のドレスデンだが、やはり久しぶりに両親に会えるので嬉しいのだろう頬が紅潮するツンデレなドレスデンだった。
「でもパニックにならない様に手を打たないといけませんね」
スッカリ結婚式の準備を手伝わさせられてるマッテオ君、今回はアスティ公爵家も復活アピールの為に結婚式を全力で支援してくれるらしい。
「それと残念だがエレンとブリックリンは当然不参加じゃ」
「当然です、兄がエレン姉さんをほっぽり出してこっちに来たら俺が怒ります」
エレンは、いよいよ臨月に入って龍都の最深部の産室で出産の準備中だ。
龍種の出産は文字通りの命掛けだ、母親は生まれてくる子供の為に今ある全ての魔力を譲渡するからだ。
ちなみに父親はそれ以上の魔力供給を妻に対して行うので子供が産まれた時はほとんどの者は気絶しているので、産まれてすぐの赤ちゃんの顔を見れる者は少ない。
本当の意味で両親が命を賭けるのだ、そりゃ子供が産まれてから離婚なんてする奴は少ないね。
それくらいしないと子供は正しく成長出来ないで最悪死んでしまう。
神様稼業も楽ではないのだ、昔は子供を産むと両親は大抵死亡していた。
文字通りの命の継承だった。
その為に人化する技術を高めて眷族と言う方法を編み出して死亡率を下げる努力を何千年と続けて来た。
龍種の人化は子孫の残す為のみにすると言って過言じゃない。
自分の命を賭けて後世に技術を残した偉大なる先達には感謝するしかない。
シーナもアリーセもエレンの胎内に居る自身の眷族でもあるリリーアンナに魂の回路を使い毎日莫大な魔力供与を行なってエレンの負担を軽減させようと限界ギリギリまで支援をしている。
「結婚式に戦闘力は必要ないので支援に全力ですよ!」
戦闘力が必要な結婚式・・・やべえっす、チョット書きたくなって来た。
なので現在のシーナとアリーセは常に魔力枯渇の戦闘不能状態だ、転移も出来ない。
ほぼ普通の人間の女性と言っても良いくらい弱体化している。
そう言う事情もあって早めにノイミュンスターが護衛の援軍に来たとも言える。
シーナとアリーセの力が激減してる事実を隠蔽する為にガイエスブルク、ドレスデン、アリスが昨日の時点からシーナとアリーセに密かに魔力供給をしている。
総力戦だ。
それもこれも無事にエレンとリリーアンナと再会を果たす為に。




