ヴィアール辺境伯領編 9話 「結婚式イベントと引き出物」
時は少しだけ戻りまして、天舞龍リールが海龍王アメリアにお茶会に呼ばれた時の事です。
ええ?海の中でお茶会?!と思われる方もいらっしゃると思いますので説明をします。
海龍は別に海の中でずっと引き籠っている訳でありません。
陸上にも拠点になる建物を立てて天龍、地龍と同じ様に活動しています。
単に海の中の方が動き易く活動範囲が広いだけですね。
お茶会の会場は港町フィジーだ。
ここはピアツェンツェア王国の国内だが海龍の直轄地でもある。
「まあああああ♪シーナの結婚式のイベントですか?楽しそうですわね。
是非協力しますわ!リールちゃん」
「ありがとうございます!でもイベントじゃありませんよ?師匠。
師匠にも参列して頂けると盛り上がるかな?と思っただけです」
「うふふふ、おめでたい席なので似たような物ですわ!何か楽しいイベントをやるべきですわ」
「そうかなぁ?」
「海龍からは楽団を派遣しますわ」
「おお?それは盛り上がりそうですね」
天龍は歌なら海龍は楽器などが得意分野なのだ。
「では、天龍からは合唱団を派遣しますね」
何気ない普通の会話に聞こえるが、龍種が人間の結婚式に楽団や合唱団を派遣するなど前例が無いかなりの大事なのだ。
「う~ん・・・確かにもう少しインパクトが欲しいかも?」
既にリールはアメリアに感化されて面白いイベントを模索し始める。
「龍化した天龍の背中に乗って人化している海龍の楽団が登場!
なんて楽しそうではありませんか?」
「おお!それ採用しましょう!
せっかくだから地龍と天龍の合唱団も地表から同時に登場!なんてどうですか?」
「良いですわ!やりましょう!クライルスハイムに協力要請しておきますわ!」
いや・・・龍種の一斉降臨・・・それ人間にして見たらこの世の終わりが来たと思う恐怖しか感じないから。
海龍王アメリアから要請を受けた地龍王クライルスハイムは、
「全く何をやらせるつもりかのう?」と苦笑いをした。
せっかくなので飛竜と雷竜にも空から花吹雪を降らせて貰おうとお願いしたら喜んでOKしてくれた。
大量の花吹雪をドライアドのシルヴァーナにお願いしたら花吹雪は樹龍が用意してくれるらしいとの事だった。
「楽しそうね、なら私が花吹雪を使った風の芸をして上げるわ」
と風竜のシルフィーナが言ってくれたのでお願いした。
「リール様!僕たちも何かしたい!」と岩竜や土竜が騒いだので降り注ぐ花吹雪に合わせてダンスをして貰う事にした。
人間からしたら竜の大群が暴れてる様にしか見えんと思うのだが・・・
話しだけ聞くと楽しそうなイベントだが人間からしたら恐怖の竜祭りになる事にリールは全然気がついていない。
イベント計画書を見た警備担当の天龍レンヌは、
「人間が恐れ慄く姿が容易に想像できるわね・・・」と呟いた。
「これ先にイベント内容告知しておかないと大変な事になるな・・・」
レンヌの隣りで計画書を見ていたオーバンも呟く。
主のせいで余計な仕事が増えた2人だった。
こうして前代未聞の結婚式の準備は本人達を置き去りにして着々と進んでいるのだ。
「そう言えば、引き出物は何にしましょうか?」
「何だそれ?ひきでもの?
「結婚式に参列して下さった方々にお土産を持たせるのです。
セリスさんが教えてくれました」
「・・・初めて聞く面白い話しだが約4000人のお土産を用意するのは今からじゃ、無理ぽ、じゃね?」
「う~ん・・・シンプルな金のブレスレットなら急げば何とかなりませんか?」
「ああ~、それならどうにかなりそうだな」
こうして夫婦揃って一生懸命に金のブレスレットを作り始めたのだが、
そのブレスレットが一個50万円相当の純金をつかっており参列者が家に帰って箱を開けた時、度肝を抜かれる事になるのだった。
「金ならいくらでも採取出来ますからね~」
そう言って何も考えていないシーナだったが後に母のファニーから久しぶりの雷が落ちる未来をシーナはまだ知らない。
そりゃ20億円相当の金の流出を国内外で許可無くやらかせば当然、行政府から怒られますわ。




