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新緑のアリーセ編 11話 「大尋問大会」

スッと立ち上がるスージー、ファニーは微動だにしない。


「ちょっと婚約の件で王妃様に確認したい事が・・・オホホホ」


と言いながらスージーは義理の妹のトリー女史を見ると、トリー女史は笑顔で頷き別室を用意する為にスッっと席を外した。


「ファニー様とラーナ様は暫し間お待ち下さい」

ニコリと笑いスージーも席を外す。


さあ!王妃ファニーと王女ラーナへの怖い母と叔母からの尋問タイムの開始だ!


これで何回目だ?と呆れるヤニック国王と不思議そうな顔のエフレム皇太子。

「ああ・・・おわた」と言う表情のラーナに、悟りの境地のファニー。


少しして「あの、じゅっ、ひ・・・お部屋の準備が終わりました」


動揺しまくり噛みまくりのフローラが2人を呼びに来るとファニーとラーナはスッと優雅に立ち上がり「少し席を外します」とミリアリアとカーラ女史を引き連れて静々と別室へ向かう。


これから2人が向かうは死地だ。


2人が別室に入ると、ゲント○スタイルのスージーとトリーが待っていた・・・

「良く来たわね2人共、先ずはお座りなさい」トリーが着席を促す、声低っ?!


「・・・貴女達も事情を知っている様ですね?お座りなさい」

スージーが3人の様子を見て即座に看破する。


「「「はっはいいい」」」


フローラ魔道士団副団長、カーラ女史、王妃専属侍女ミリアリアの3人も同罪と見なされた様だ。


3人は立場上ではもう引退しているスージーより上なのだか長年に渡り、骨の髄まで主君として擦り込まれているので「はい!」の一択だ。


全員が円形になった机に沿った椅子に着席を始めると5人の様子にスージーが溜め息を吐く。


いや!君達!スージーとトリーの隣に座りたくないからって固まり過ぎだって!

フローラ!ミリアリアをスージーの方に押すのおやめなさい!

ファニーとラーナも同じ椅子に座るのおやめなさい!

カーラ!机の下に隠れても意味ないって!狭い狭い!見てる方が暑苦しいよ!


「・・・では先ずファニー、アリーセ子爵令嬢とは誰なんですか?」

スージーは5人の醜い争いをスルーして最高位のファニーから尋問を開始する。


「はい!アリーセはシーナの娘です」

もはやこれまで、正直に話すファニーの言葉に、怪訝な表情になったスージーが、

「ラーナ、詳しく」とラーナに捕捉の説明を促す。


全部1人に答えさせると同調して誤魔化すのが人間と言う生き物なので相談する間を与えず全員に均等に答えさせるのだ。


「シーナが樹竜だったアリーセに名付けをして魂魄レベルで繋がりが出て、上位者のシーナが親にアリーセが子になったのです」


「カーラ、それはいつの事ですか?」疑問だらけだが話しを進めるスージー。


「申し訳ありません、詳しい時期などは私には分かりません」


「ラーナは分かりますか?」


「シーナが11歳の時だったと思います、お母様と他の方がアリーセの事を知ったのは最近です。私も実際に会ったのは一昨日です」


「それでラーナはなぜ詳しく知っているのです?」


「ええと・・・その・・・私は生まれた時からシーナと意識的に同調していましたから・・・シーナの見た物は私にも見えていたのです」


「・・・ミリアリア、そのアリーセが子爵令嬢なのは、なぜですか?」


「はい!晩餐会へ参加するのにある程度の身分が必要だったからです」


「フローラ、アリーセが晩餐会への出席した理由は?」


「アンドレ皇子様から招待状が届いたからです」


「「えええ?!」」ファニーとカーラ女史が驚く。


「・・・フローラ、主君のファニーに伝えてないのはなぜですか?」


「天龍のレンヌ様の警備上の要望だったからです、憲兵隊と魔導士団員全てに現在は箝口令が出ています」


「ファニー、シーナはアリーセが晩餐会へ参加している事を知ってますか?」


「あれ?ええと?ラーナ?どうなんですか?」


「多分・・・知らないと思います、シーナが仕事に出た直後にレンヌが招待状の事を思い出した感じでしたから」


「・・・フローラ、貴方はなぜアンドレ皇子がアリーセに招待状を出したか分かりますか?」


「迷子になったアンドレ様をアリーセ様が助けたと憲兵隊から報告がありました。

ですからそのお礼だと思います」


「カーラ、アリーセが子爵令嬢となった詳しい経緯を」


「うっ・・・」カーラ女史が主君のラーナを庇い初めて会話が途切れた、ここでスージーの罠にハマったのだ。


「はい、今回の件はほとんどがラーナの策謀ですね?ファニーも余り考えないで、

それに乗っかった形ですね?後から知った他の3人も積極的に協力しましたね?」


「「「「「すみませんでした!」」」」」やっぱり惨敗した5人だった。


「さて、ファニーとラーナ以外の者は10分休憩の後に再開しますので一回席を外して下さい、一度解散!」


有無を言わせず一度解散を宣言したスージー、ファニーとラーナ、主にラーナへのお仕置きタイムの開始だ。


そうスージーに言われて休憩と言う名の人払いをされた4人、涙目のファニーとラーナを残してゆっくり扉が閉まる。


暫しの沈黙の後・・・


バチーーンン!!!「ごめんなさい!お母様ー!」

バシーーンン!!!「もうしませんお婆様ー!」

バッシィーン!!!「いったーーーい!!」

ズッパァアン!!!「いやーーーーん!!」


「おっ音が・・・音がヤバいです・・・」ガクブルのミリアリア。


バシーン!!!「アーン!!」


ファニーは手数勝負だがスージーは一矢入魂タイプだ。


ばちーん!!!「キャン!」


「ラ、ラーナ様・・・」どうやらファニーは2発でお仕置き終了の様だ。

ラーナに、めっちゃお尻ぺんぺんが集中している!


ドバチイイーーーーーン!!!「きゃーーーー??!!!」

トドメ!と言わんばかりの強烈な一撃が入った!


その後、全員が無言のまま10分経過がして恐る恐ると部屋に戻ると・・・


またゲ○ドウスタイルのスージーとお尻を抱えて机に突っ伏してプルプルしている

ファニーとラーナがいた。


「では再開します、全員着席!」


「「「はっはいいい!!」」」


今度は普通に着席する一同、今度はトリー女史からの尋問開始だ。


「フローラ、ミリアリア、私に報告しなかったのは何故ですか?特にミリアリア」


フローラには箝口令が出ていて魔導士団の職務が忙しくて仕方ない所もあるが、

ミリアリアお前はダメだ!とのトリー女史の声が聞こえて来る。


「はい!それはシーナ様の王女の地位返上に私は今でも反対だからです」


お前言うの忘れてたろ?と言う感じの理由かと思ったがミリアリアはしっかりとした理由で隠蔽していたのだ。


「アリーセ様がアンドレ様と懇意になれば、シーナ様とアリーセ様が王族に復帰する道が残るのでは?と考えました。

おそらくスージー様とトリー様には反対されると思いましたから隠蔽しました。」


ミリアリアの返答に考え込むトリー女史、ミリアリアの言葉に一理あると思ったからだ、トリーもシーナの王女の地位返上には思う所はあるのだ。


「理由は分かりました、この話しは保留とします、簡単に解決出来る話しではありませんからね」


そう言って微笑むトリー女史に微笑み返すミリアリア。


「ですが・・・」ギン!とトリー女史の目が光る!


あっあれ?なんか思ったのと違う雰囲気?と言った顔になるミリアリア。


「アリーセ様の子爵令嬢の話しは別です。

身分詐称でアリーセ様が罰を受ける可能性もあるからです。

これでは忠誠では無くて「押し付け」です!」


「あう・・・」何の反論も出来ないミリアリア。


「フローラ、警備上の話しなら尚更、私に話して協力を仰ぐべきだったのでは?

もし大事が起きた時に支障が出ます、そこは臨機応変な対応をして下さい」


「はい・・・その通りでした」フローラは少し規律に囚われ過ぎる傾向があるのだ。


「ファニー様・・・」


「はっはい!ごめんなさい!絶対に怒られると思って言い出せませんでしたわ!」


「・・・これからは気をつけて下さい」


カーラ女史は単に巻き込まれただけなのでお咎め無しだった。


「でも本当に困った事になりました」


一連のお仕置きが終わり今後の対応に苦慮してるスージー、1番困ったのはシーナが不在だからだ。


「ラーナ、シーナはいつ戻りそうですか?」


「・・・シーナは南端に出現した不審船調査の過程で反乱分子の者を討ち、精神的にかなり落ち込んでいます。出来れば暫くそっとしたいです。

少なくともガイエスブルクと会うまでは、他の事で心労を掛けたくありません」


「なっ?!どう言う事ですか!?」驚くファニー。


「完全な遭遇戦としか言えません、調査に志願したのはシーナですから誰に対してもその事で否定も批判も出来ないです、悪いのは反乱分子ですから・・・」


「そう・・・ですか」納得出来ないがどうする事も出来ずに俯くファニー。


「ガイエスブルク様とは?どなたですか?」


「シーナの恋人の地龍の男性です」


「ええ?!シーナには恋人がいるのですか?!」

シーナに恋人がいた事を知らないスージーがショックを受ける。


「はい、あれ?お婆様、知らなかったんですか?」


「知りませんよ!本当ですかファニー?!」


「えっ?あれぇ?トリー?」


「えっ?ファニー様がお伝えしている物だと?」


誰か伝えてるだろうと思い全員が伝え忘れていた事が判明した、良くあるよね。

「貴女達は・・・」これには呆れるしかないスージー。


「分かっていますか?シーナに婚姻相手がいる時点で全ての話しが変わる事になります、結婚の相手が地龍様なら人間には干渉出来ません。

そのガイエスブルク様が人間社会に入って下さるなら話しは別ですが・・・」


「あっ!」そう言えばガイエスブルクの考えを全然聞いていなかったラーナ。


「せっ説得します!」やるっきゃない!王妃ファニーは自分に誓う。


「本当に?」疑惑しか無い目でファニーを見るスージー。


「頑張ります!」ガイエスブルク攻略に燃えるファニー。


「いずれにせよ、シーナのヴィアール辺境伯領行きにはアリーセとガイエスブルク様も何としても招待します、良いですね?ファニーが正式に招待なさい。

最悪、シーナとガイエスブルク様にはヴィアール辺境伯にでも居住して頂かない事には話しになりません。

私達は2人に気に入って頂ける様に全力で歓待します」


「うっ・・・あの・・・その事なんですが」ラーナが手を挙げる。


「どうしました?」


「地龍と言うのは食事をあまりしない種族でして・・・シーナもガイエスブルクも食事に対して興味は気薄です。ガイエスブルクの興味と言うと修行とシーナくらいでして、歓待と言ってもどうすれば良いのか・・・」


「まあ!ならそのままのヴィアール辺境伯家を見せれるだけで良いのですね?」

トリー女史が歓喜の声を上げた。


「そうですね、緊張して損をしましたね」スージーもホッとした様子だ。


「ヴィアール辺境伯領の特産品は強い魔物ですものね!修行には最適ですね!」

フローラも全力で同意する。


「そうなんですか?!」思った反応と違う!と困惑するラーナ。


王都から遠くて交流も少なくファニー達もあまりヴィアール辺境伯領の話しをしないので詳しい話しを知らないラーナ。


ファニー達が故郷の話しをしないのは単に聞かれないからだ、自分から故郷の話しをする人間がいないと同じだ、誰でも聞かれたら答える物である。


例えば「○○さん、出身はどこなの?」と聞かれない限り、「俺の生まれは北海道」で話しを始める人は見たことない。理由は多分誰も知らん。


「ではこれからの方針です。

シーナとラーナのヴィアール辺境伯領への視察は予定通りに行います。

ラーナ!気落ちしているシーナの面倒をしっかりとね」


「はい!」


「同行するファニーは必ず貴女の名前でアリーセとガイエスブルク様をヴィアール視察に招待なさい」


「はい!」


「アリーセとアンドレ皇子の婚約の件はヴィアール辺境伯家が総力を上げて支援します!トリーは新しい子爵家の申請を貴族院へ、当主は貴女がなりなさい。

グダグダ言って来る者がいたら私が相手になると脅しなさい」


「かしこまりました、直ちに」


「アリーセから話しを聞いて了承を得たら即、トリーの養子にして子爵令嬢の帳尻を合わせますよ」


「はい、万事抜かり無く」


「フローラはこの件に関わるのは厳しいと思いますので、今後は私達と距離を置き情報だけコッソリと教えて下さいね」


「はい、申し訳ありません」

魔導士団は完全中立なので特定の勢力への加担は御法度なのだ。


ミリアリアとカーラは万事滞りなく進む様に準備怠る事なき様に」


「「はい!」」


「・・・なんで毎回こうなるのかしら?

ヴィアール辺境伯家は権力争いに興味なんてないのに・・・」


「仕方ありませんね。

こう言う権力の話しは得手して興味の無い者に舞い込んでしまう物なのですよ」

笑いながら義姉を慰めるトリー女史。


こうして知らない内に大きな渦に飲み込まれ様としている、

シーナ、アリーセ、ガイエスブルクの3人。


多分、アッサリかわしてしまう気がするのだが・・・人気者も大変だね!

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