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新緑のアリーセ編 3話 「ピアツェンツェア王国建国祭」 その1

ひとしきりブリックリンの家で久しぶりのエレンとの再会を楽しんだシーナ。


エレンの結婚式の幹事と言う新たな役割も得て意気揚々とガイエスブルクとアリーセの2人の従者を引き連れてピアツェンツェア王国王都に帰還した。


なぜガイエスブルクとアリーセが地龍王太女シーナの従者かと言うと、

地龍王クライルスハイムから正式に任命されたからだ。


「嫌ですよぉ!2人を従者なんて呼びたくありません!」シーナは抵抗したが。


「「これからこう言う場面も多くなる故に今からでも慣れておけ」」

クライルスハイムからそう言われて、

「ううっ、その通りですね」と渋々承諾したシーナだった。


ガイエスブルクはシーナの従者になる予想はしていたので特に抵抗なく受けいれた。


アリーセはどことなく良く理解してない様子だったが単純にシーナと一緒に行動出来るので喜んでいる。


この主従の話しがガイエスブルクとシーナの仲が全く進展しない理由だとシーナはまだ気が付いていない。


もし気が付いていたならガイエスブルクを攫い、駆け落ちするレベルで逃げ出す事だろう。


普通は男女が逆なのだがシーナは普通じゃないので仕方なし!


まぁ、駆け落ち前に、ガイエスブルクが正式にシーナに結婚を申し出て終わるだろうが、2人の恋話しは全く違う方向へと突き進むのだが。


「さて!私の従者になった以上2人にはこれを着て貰います!」


2人にピッタリサイズの幻夢の銀仮面装備をドヤ顔で取り出したシーナ、実は幻夢のメンバー全員分用意していたりする。


「まっ、多分そうなると思ってたよ」

「ママとお揃いです!」と2人は特に抵抗なく装備品を受け取り装備する。


違いはガイエスブルクの仮面に焦げ茶色のラインが目の傷の様に入っている、

また何か新しい怪人物語の本から怪人ネタを仕入れたのだろう。


アリーセには緑色のラインが入っている、シーナは黒だ、どうやら髪の色で個人の特色を出す様子だ。


アリーセのローブには袖にはフリルと胸の留め具がリボンタイプに変わっている、

お母さんは夜なべして娘の為に頑張りました。


装備完了した3人はラーナ王女殿下の警護隊長の天龍レンヌに挨拶しに行くと、

3人を見て「ふっ増えたのね・・・」とレンヌに少し引かれた。


「あっ!オーバンさんです!」とアリーセが騒いだので見ると、

お久しぶりのパーティ幻夢のリーダー、幻夢ことオーバンが笑顔で手を振りながらこちらに歩いて来ている。


「オーバ・・・幻夢さん!お久しぶりです!」

久しぶりの再開に喜ぶ銀仮面1号だった。


「本当にお久しぶりになってしまいましたね銀仮面さん、お元気そうで何よりでした」元気そうなオーバン。


最近は魔族との情勢も落ち着いて来たのでオーバンに掛けられていた制約も大分緩和されてレンヌと一緒との条件付きで国内を自由に移動出来る様になった。


かなり精力的にレンヌの仕事を手伝っているので幻夢のメンバーと会う確率が下がってしまったので進化の眠りから覚めた以来のお久しぶりになってしまった訳だ。


そしてシーナが落ち着きなく動き回るせいでもあるがな。


「じゃあ早速!オーバンさんもこれに着替えて下さい!」


当然の様に銀仮面装備をズイっと差し出すシーナ、「えっ?」と困惑したオーバンはレンヌを見ると・・・


「貴方が着ないとこの子は納得しないだろうから着てあげてちょうだい」

溜め息まじりに答えるレンヌ。


「ああ・・・はい」と少し困った様に銀仮面装備を付けるオーバン、

顔のラインは濃紺だ!


「!!おおっ!これは・・・素晴らしい装備ですね、いや、コレ、少し不味くないですか?」


銀仮面装備の能力を正しく把握したオーバンはその高性能にドン引きだ!


「その装備品の詳細な性能は天龍側と王宮側も把握してるから大丈夫よ」


自分用のローブを見せるレンヌ、シーナにおねだりして作ってもらったのだ、顔のラインは金色だ!


「れっレンヌ?君も銀仮面になるのかい?」と本格的に困惑して来たオーバン。


「さすがに銀仮面姿で給仕は出来ないわ、ちょっと興味はあるけどね」

最近はシーナの話す怪人話しに少し浸食されて来たレンヌだった。


銀仮面が異常増殖したので呼称を通常に戻します。


「あっ!仮面に通話機能追加しましたよ!」


とんでもない爆弾発言をしたシーナは速攻で冒険者ギルドの小部屋に放り込まれて、

詳細を尋問されて、色々な書類を書かされた。


「シーナお前!少しは自重しろよ!俺の仕事が増えんだよ!」

イノセントに怒られたが新機能開発をやり遂げたシーナは満足だった。


「それでお前・・・もう何もないよな?」イノセントに威圧されて、

「じ・・・自爆機能を開発中で・・・」と答えたら頭を叩かれた。


「もし自爆機能を開発したら1年間牢にぶち込む」

と凄まれ開発中の自爆術式関係の書類の全てを破棄させられた。


ってお前!自爆機能まだ諦めて無かったのかよ?!


「アリーセお前、ああ言う大人にはなるなよ」怒られるシーナを見てガイエスブルクが心底呆れた様子でアリーセに話し掛けると、


「ママはアリーセが更正させます!」と実に力強い返事をしたアリーセ。


母のダメな所を的確に把握している、アリーセでしたとさ。


そんな事をしていたら建国祭の前々日になってしまい、大慌てで王宮に戻り警備状況の確認をし出した銀仮面ズ、ここからは真面目だ。


「現状で王族を狙う可能性がある勢力は?」とシーナが尋ねるとオーバンが答える。


「やはりゴルドの残党と前回の大粛清で爵位を失った元貴族が結託した勢力が存在して犯罪組織と手を組んで何かしら仕掛けて来そうですね」


大方の想像通りの答えが返ってくる。


するとシーナは少し安心した様子で

「魔族は表立って仕掛けてくる事はなさそうですか?」再度魔族の動向を確認する。


「裏で手を出しているとは思いますが人員が派遣されてる事はなさそうです、魔将軍のブレストは西の大陸北方の支配権の確立を最優先してますからね」


「他の魔将軍が仕掛けて来る可能性は?」

ガイエスブルクは別方向からの危険性を指摘する。


「残念ながら現在は情報が少ないです、私のツテは魔族軍の第6軍関係者に限定されてますからね。

何かしら仕掛けて来る可能性があるのは南方方面担当の第3軍と第4軍のどちらかですが、今の所は何も情報はありませんね」


「むむむ、まだ全然安心出来ない訳ですね」と気を引き締め直すシーナ。


「元ゴルドに付いてたジャコブ一派以外の龍種はどうなったんだ?1人はシーナが倒したらしいけど最低でも5人は逃走したはずだろ?」


これはシーナもずっと気にしていた事だ、恐らく目の前で仲間を殺された1人の地龍に自分は恨まれていると思っている。


「天龍の1人は既に天龍側に討伐されてますが他の4人は逃走中です。

恐らくは南方に逃走して魔族軍と合流したと思います。

魔族軍なら龍種への待遇が良いですからね。

ただ推測なのでピアツェンツェア国内に潜伏してる可能性も高いです」


シーナは溜め息をつき

「では皆さん、私達が警戒するべきは第一に逃走中の龍種、第二に南方から来る可能性がある魔族、第三に王家への対抗勢力です」


思いの他に危険性が高くなり油断ならないと判明したので他の事は忘れて警護に集中する事にしたシーナ。


これ以上の地龍の増援は期待出来ない・・・と言うよりシーナにガイエスブルクとアリーセを付けた事自体が過去に例を見ない大盤振る舞いだからだ。


実際に逃走中の龍種4人が一丸となって正面から攻めて来ても王家防衛についてる警護の正面突破は不可能な程の戦力が揃っているので、これ以上は過剰な戦力になる。


とにかく複数の小戦力の連続奇襲に警戒する必要がある、テロ対策とはそう言う物だから。


「配置は、最大戦力のオーバンさんは天龍達と一緒に行動して指揮をお願いします、地龍君とアリーセちゃんは一緒に北側の警戒を、私は南側を警戒します」


今までで確立されたオーソドックススタイルの隊形にするシーナ、

オーソドックスとは完成された物なので変更する必要は無い。


「アリーセちゃんは私と!」とか昔なら間違い無く言ってだろうが、

アリーセはガイエスブルクと一緒の方が安全性が高いのだ。


自分の感情でアリーセを危険に晒さないのはシーナの成長の証だろう。


何より北側はイノセントが担当しているので更にアリーセの安全性が上がり、南側は天龍の龍戦士達の担当で連携を取るのにシーナが適任だと言う理由も上げられる。


銀仮面ズは支援部隊なので主力の邪魔になってもいけないのでシーナは索敵結果を天龍の龍戦士達に思念波で伝えるつもりだ。


「ではその配置で行きましょう」とオーバン的にも文句なしの100点だったらしい、確実に成長して来てるシーナだった。


「了解!」「アリーセ頑張ります!」と2人も文句なしの様子だ。


ひとつ頷き下を見て呟く「ラーナと遊びたかったなぁ」と、やはり最後は締まらないシーナだった、人はそうそう変われないよね。


次の日


明日の建国祭へ向けて王都内でいよいよ人の流れが激しくなる、ヴィグル帝国の使節団も到着予定で憲兵隊と冒険者隊の緊張度もMAXになっている。


シーナが陣取るのは天龍教大聖堂の天辺だ、王都南側を見渡せ南側の城壁の様子も良く見える。


緊急事態の時は転移魔法でラーナに持たせた転移陣搭載の飾り扇に目掛けて一直線だ。ついでに救難信号発信機も搭載済みだ。


いや、もうお前、魔道具技師になった方が早いよ。


そんな警護の苦労に反して王都市民や近隣の市民、遠方からの観光客に商人達は実に楽しそうだ、前夜祭まで半日あるがほとんどの出店は開店している。


明日の夜に開催される王族も鑑賞する大演劇祭の会場になる王城前大広場も一般に開放されている。


ここぞとばかりに集まった大道芸人や吟遊詩人、楽器の演奏者などが張り切って興行を行なっている、その見物客がまだ早朝なのに沢山集まっている。


やはりゴルドの戦争の影響で5年ぶりの開催なので人々の鬱憤も溜まっていたのだろう熱量が凄い、誘導員や警備員も大変そうだ。


ちなみに警護隊とは違い祭りに合わせて近隣の街から雇われた普通の人達で戦闘力など無いが人数は10000人強もいる。


その中にも敵が紛れる可能性も高いのでシーナの索敵魔法はフル稼働中だ、と言っても自作の魔道具の半自動タイプを使っているので本人は比較的ボケっとしている。


魔力は随時もって行かれるがシーナの魔力総量からすれば大した事は無い、普通の魔導士なら3時間でダウンするのだが。


ここに来てようやくチート感が出て来たシーナ、修行の甲斐が出て来たね!


「はい、怪しい二人組を発見しました、今南門に入りましたよ」


通信魔道具で南門の憲兵に連絡を入れると速攻で拘束され暴れている、粛清され爵位剥奪された元男爵と弟だったそうだ、こんな感じで開始から既に6人の逮捕に成功している。


なぜ判別出来るかと言うと負の精神エネルギーを探知しているからだ。


これから楽しい祭りで街に入るのに負の精神エネルギーを放出している奴は余りいない、もし冤罪なら憲兵本部で釈明すれば良いだけだ。


北側の警戒をしているガイエスブルクとアリーセだが、アリーセがヤバいらしい。


的確に害意を持つ者を探りあて既に15人の逮捕に成功している、戦いが大嫌いな樹龍は相手の害意にもの凄く敏感なのだそうだ、自己防衛能力と言える。


すると街に入る人数制限が来て城門全てが閉められる、これ以上は危険だからだ。


入れない人間は王都外の仮設会場に流れる、こちらも負けず劣らず盛況の様子だ。


出店の数は王都内より遥かに多い、こちらを目的地にしてる人間も多いので特に文句を言う人間は出ないそうだ。


外の会場では流れの商人達が様々な市場を開いていて見応えも十分で、ラーナも王都内よりこちらの見学がしたいんだそうな。


どうしても街に入りたい人間は憲兵に申告すれば小扉から入れるし、外に出たい人間も同様だ、密集事故防止の安全の為の通行規制と言えば良いかも知れない。


ここでイノセントから「お前達休憩して良いぞ」と連絡が入りお言葉に甘えさせてもらう、仮面だけ外してガイエスブルクとアリーセと合流する。


2時間だけだがお祭り見学の時間だ。

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