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新緑のアリーセ編 1話 「新しい旅へ向けて」

ピアツェンツェア王国、

世界の中央にある、レッジョ・ディ・カラブリア大陸80%を制する大国である。


その王家で生まれた双子の王女の1人、シーナ・フォン・ピアツェンツェアがこのお話しの主人公である。


赤ん坊の頃に「双子の女児は災いをもたらす」との王家に蔓延る悪習を佞臣達の権力争いの利用された為に「地龍王クライルスハイム」に生贄として捧げられるとされ、王家より放逐されたかなり暗く辛い過去を持つ王女の物語。


しかし本人はあまり気にしてない様子だが。


生まれた時には既に右腕が無いせいで地龍王クライルスハイムへの生贄とされたが、

そんな気が全くない地龍王クライルスはシーナに加護を与えた結果、魂の繋がりを得てシーナは地龍王クライルスハイムの娘となる。


その際に「霊樹ユグドラシル」の力により、世界を見る「ユグドラシルの瞳」を継承した。


その結果、ユグドラシルと同一存在となる。


更に龍種の種族である「地龍」へと進化を果たした実に稀有な運命を辿った少女だ。


その後は、育ての親となった地琰龍ノイミュンスターの元で、持ち前の明るく好奇心旺盛な性格で歪む事もなく、すくすくと育ち、無事に地龍の成龍への再進化「進化の眠り」を経て成人する。


成人した際に「地龍の王太女」になった事を契機にピアツェンツェア王国の王女としての地位との決別をする決意をするが、ピアツェンツェア王家と親族達が自分に深い愛情を持っている事を知り決意が鈍ってしまった時。


父親である、ピアツェンツェア王国国王「ヤニック・フォン・ピアツェンツェア」

から「焦らずゆっくりとシーナが決めて良いよ」との言葉と、


地龍王クライルスハイムから「シーナが望む道を進むが良い」との2人の父親の言葉を受け更に悩んでしまう。


この重大な決断するには自分はまだまだ未熟だと悟り、視野を広げる為に修行のやり直しを決意する。


なので修行を終える迄は「地龍の王太女」と「ピアツェンツェア王国王女」のどちらも封印して冒険者の「幻夢の銀仮面」として活動を続ける事にしたシーナだった。


ピアツェンツェア王国の王妃であり母親のファニーの部屋での家族での歓談会の後は妹の王女ラーナの寝室で幻夢の銀仮面に戻る前に一緒に寝る事になったシーナ、


今後は自分が納得するまではラーナの護衛に徹するつもりだ。


こう言う理由で暫し姉妹としては別れの夜になる。


「ええ?!シーナは建国祭に参加しないのですか?」


16年ぶりに再開を果たした双子の妹のラーナ王女殿下が不貞腐れてシーナの膝に頭をウリウリウリウリウリとすると、


「うん、やっぱり自分の気持ちがかなり曖昧だから、ちゃんと気持ちが整理出来る迄は冒険者の幻夢の銀仮面として生きようって思うのですよ」


申し訳なさ気にラーナの頭を撫でて微笑むシーナ。


「建国祭、楽しくないです」とシーナの膝の間に顔を埋めていじけるラーナ、


「まぁ、そんな事言わないで、幻夢の銀仮面としてラーナの警護はバッチリとやりますよ!」とラーナの後頭部にキスをする。


なんで16年間一度も会ってないのにこんなに仲が良いのかと言うと、

産まれてから暫くの間、彼女達は魂を共有する同一存在に近い関係で精神的には常に一緒にいてお互いを見聞きしていたからだ


正確に言うとそこへ霊樹ユグドラシルが入り三位一体と言う表現が正しいのだが。


しかし霊樹ユグドラシルの魂が天舞龍リールからの精神エネルギーの供与で安定化したので元々不安定な同一存在だった3人の魂は完全に独立したのであった。


その為にシーナとラーナの精神の同調は無条件では出来なくなっている。


その事がラーナには凄く寂しくて、こうして我儘を言って姉に甘えている訳だ。


その点はシーナも同じなので後でラーナにめっちゃ甘えるつもりだ、まだまだ子供の甘えん坊の双子だったりする。


「それなら建国祭の後にラーナもスカンディッチに行きますか?」

スカンディッチ伯爵領はシーナが育った街で現在の冒険者パーティー「幻夢」の拠点になっている。


「行きます!」パッと顔を上げて満面の笑顔で即答するラーナだが、

直ぐに「でもお父様が駄目だと言うんです!」とブスーとふくれるラーナ。


「私も一緒にお父様にお願いしますよぉ」と両手でラーナの頬の空気をプスーと抜くシーナに、「絶対ですよ!」と懇願するラーナだった。


「その前に明日は建国祭のリハーサルですよ!頑張りましょう!」と優等生なシーナに、「えー」とぼやくサボり魔のラーナだった。


表面的にはかなり似てそうで実は色々な所で全然性格が違う双子、これも仲良く出来る理由の1つなのだろう。


でも今日は夜更かしする気が満々の2人だ、建国祭のリハーサルは正午過ぎからなので多少の寝坊は許されるはずだ、と考えるシーナはやっぱりラーナに似てるのか?


次の日は少し寝坊したがちゃんと起きれた2人、シーナは装備の再調整の為にスカンディッチに戻らないと行けないのだ。


ギルドに提出した装備品の盗難用セキュリティシステムを組み込まないと戦闘の師匠でもある、冒険者ギルドマスターのイノセントにめっちゃ怒られるからだ。


ここからは仕事なので、「仕事なので帰ります!」とスパッと、王家の面々に挨拶して転移陣でスカンディッチに戻る、ここ最近で転移魔法の腕はメキメキと上達している。


自己発動が出来る日までもう少しだ、頑張れシーナ。


トムソン鍛冶屋に転移したシーナだが店長のトムソンこと地琰龍ノイミュンスターしかいなかった。


「あれ?幻夢の皆んなはどうしたのですか?」と帰るなり素っ気ない言葉と裏腹に、とりあえずはノイミュンスターに抱きついておく。


まんざらでもないノイミュンスターはシーナの頭を撫でながら、

「エレンとガイエスブルクは本国からまだ帰って来ておらん、マッテオの奴は実家じゃろうな、オーバンはレンヌと共に王都へ行ったはずじゃが会わなんだか?」


「あれー?行き違いかぁ」オーバンとのすれ違い、これには残念なシーナだった。


成人してから皆んなそれぞれが自分の役割を果たす様になり、その日にメンバーの内1人と会えれば良い状態が続いてる幻夢だった。


「むむむ」唸ったシーナだが、そこは地龍だ切り替えは早い、

早速冒険者ギルドに提出した装備品の管理改善書をノイミュンスターに見せる、するとノイミュンスターは、


「なるほどのぅ、人間とは面倒な仕組みが好きなのじゃな」

と言うが地龍にもしっかりとこの手の決まり事は有るだよ


ノイミュンスターが全然守って無いだけだ、そのしわ寄せ全てをスカンディッチ伯爵が処理しているだけだ。


書類の作成は面倒でも、改造自体はこれはこれで楽しそうなので2人は早速、改造の概要の検討に入る。


「生体反応と魔力反応は外せんな、ラーナの場合は特殊過ぎただけじゃ、しかしこれで不十分なら何か作を考えねばならぬのだが・・・」


と珍しく案が浮かばない様子のノイミュンスター、計画書と睨めっこしている。


「暗号でも入れて見ます?」と提案するシーナ。


「なるほど、暗号か、しかし、内蔵するとちと術式が面倒になるのぅ、外付けの方が良かろうな。後は龍気反応を入れて見るか?

龍気ならば個人で反応に違いがあるし、龍種以外の種族には使用不可になるので一定の効果はあるじゃろうな」


「なるほどー、龍気反応の発想は無かったです、試作品を作って見ましょう!」


いそいそと触媒の純金の延棒を取り出すシーナ、こう言う繊細な術式を書くのは純金が1番反応が良いからセキュリティシステムには持って来いだ。


こうして2人は例の如く、せっせっと作業に打ち込み自然と無言になる、

静まり返った室内に刻印ペンのカリカリ音だけが響く、実はシーナもノイミュンスターもこの雰囲気が大好きなのだ。


君達、マジで魔道具技師になった方が良くないか?


新術式開発だが流石の2人、2時間ほどでプロトタイプが出来上がり試運転をして見る・・・


が、鍵の役割だけだと良い反応のだが、魔力放出すると金製の回路板が溶解してしまった、シーナの魔力の圧力に耐えきれないのだ。


「合金じゃな」「合金ですね」と意見が一致したので金、銀、白銀、銅、ニッケル、鉛、鉄、など手持ちの素材を錬金術師の様に組み合わせて行く、30種類ほど合金板を作り全てに術式を書いて行く。


最終的には金、ニッケル、銅の組み合わせの合金板が採用された頃に夜が明けた、

完徹である。


これを装備品に美しく装飾として埋め込むのだが、2人共地龍なので細部のこだわりが凄い!


完成した時には2日目の朝日が上がって来たので2人共に寝た、仕事をやり切った良い寝顔だった。


3時間の仮眠の後に改めて装備品のフル稼働をして見ると全機能問題無し!


詳細を報告する為に書類に書いていく、書類作成が完了した時は3日目の朝日が完全に昇り切った後だった。


数日後にイノセントの元へ書類を提出したのだが内容に驚愕したイノセントが、

「お前な、誰が世界の根本を揺るがす大発明しろって言ったよ!」と余りの内容の凄さに逆に笑ってしまったイノセントだった。


その書類は土下座侯爵グレンから宰相のエヴァリストに渡り、速攻で国家機密Sランクに指定される。


建国祭は3日後なので龍都で他の皆んなに会ってからピアツェンツェア王都へ向かう事にしたシーナは転移陣でスパッと転移する。


学者なシーナは魔法の上達が早過ぎて笑う。


最近は世の中の理も大分学習したシーナは真っ先に地龍王クライルスハイムに謁見する、普通は当然なんだがな。


「「おお、シーナよ王都はどうであったか?」」と何だか久しぶりの地龍王クライルスハイムは機嫌が良さそうだ。


この世界ではまだ1ヶ月程度しか時間が経過してないが作者的にはリアルで2ヶ月は経過した感じがするのは気のせいだろう。


「ただいま帰りました!お父様」とシーナは睡眠不足も何のそので、王都での出来事を報告する。


報告を聞き終えたクライルスハイムは、

「「うむ、ここから先の事はシーナが決めれば良い、我も協力するぞ」」

と初志貫徹の様子だった。


「「まぁ、実際には王太女と言う物自体には意味はないのだがな、シーナの役に立つ事も有ろうと話しを進めただけじゃ、負担になるのならばいつでも解消すれば良かろうて」」


と笑いながら話すクライルスハイム、龍種たる地龍に王太女の地位に意味が無いと言うのは本当にそうなのだろう。


「はい!でも私は地龍の王太女だけは捨てる事は無いです!」

真剣な表情になったシーナが宣言する。


「「ほう!それは何故じゃ?」」

自身の娘の宣言に大いに興味が湧くクライルスハイム、「ほれ」と続きを促す。


「それは、私が地龍だからです!私は人間では無く地龍と言う存在なので「地龍の王太女」に誇りを持っているからです」笑顔で宣言するシーナ。


ピアツェンツェア王国の王女は実の家族を大切にしたい気持ちで返上に躊躇したが、

地龍の王太女は自分の存在そのものなので解消する気は微塵も無いのだ。


「「そうか!ならば地龍の王太女として進むが良い!」」

クライルスハイムも嬉しそうに娘の背中を押した。


クライルスハイムとの謁見を終えて今度はエレンとガイエスブルクの顔を見に行くシーナだが作者的には2人の名前を書くのが本当に久しぶりな感じがするのも気のせいだろう。


2人に会いに行ったシーナが驚愕の事実を知るまであと少しだ。

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