幻夢の銀仮面編 10話 「銀仮面の学園生活 その2」
「あの!私は大丈夫です!幻夢の銀仮面様!」
大勢の生徒さんがいる公衆の面前でそれはもう元気で大きい声でしたよ・・・と後にシーナがラーナに語った。
よし!即時撤退だ!そしてとりあえずこの爆弾娘は叱ろうそうしよう、とシーナは心に誓う。
「銀仮面?ですか?、わたくしには何の事か分かりませんが・・・あら!大変、貴女は膝にお怪我をされてる様ですね、治療致しますのでどうぞこちらへ」とスルリとミリアリアと共にアナベルの腕を取り某宇宙人の写真的な即時撤退を試みるシーナ
「それから!貴方方も行動と言動は本当にお気をつけ下さいね、もし、お父様に知られたら大変な事になりますからね!」
もうコイツ等の相手をしてる場合でも無いがしっかり国王まで出してしっかりと脅しておく、貴族の子息、令嬢の一団は青い顔でこくこくと頷く。
「ああ、クリスティーナ様、ご一緒にお茶でもどうですか?」
残されたクリスティーナが、また喧嘩をおっ始めたら困るので彼女も連行して巻き込むつもりだ。
「では皆様、ご機嫌よう」とシーナとミリアリアはアナベルを連れて颯爽と立ち去った、それを慌ててクリスティーナがそれを追った。
それを呆然と見送る貴族の坊ちゃんと嬢ちゃん達、彼らは九死に一生を得たのだ。
クリスティーナを引き連れ、捕らえられた宇宙人と謎の組織の体制のままに颯爽と廊下の角を曲がり少し先にある掃除用具を保管してる部屋にサッと入り魔法で施錠して防音結界を張る。
なんでこの掃除用具部屋を知っているかと言うと、シーナが怪人「幻夢の銀仮面」だからだ、学園内の怪人が姿を隠せそうな場所など既に全てを把握済みだ。
シーナは倉庫には場違いな立派な椅子とテーブルを掃除用具棚の横から引き出してセットをする、お説教部屋の完成だ。
この椅子とテーブルはシーナが自分で作って隠して置いた物だ、こんなテーブルセットが学園内に50ヶ所以上ある、ただ学園内をブラブラと遊んでいた訳では無いのだ!
何でそんな物を大量に?と尋ねられると「地龍だからだよ」としか答えられない、物作りの本能見たいな物だね。
「どうぞお座り下さい、アナベルさん、クリスティーナさん、ミリアリアさんは紅茶の用意を・・・」とシーナが言うとミリアリアは自然な流れで紅茶の準備を始める、「なんでこんな所にティーセットがあるんだ?!」と突っ込まない所が彼女が優秀である証であろう。
この無駄に豪華なティーセットもシーナの作成で魔石ポットも完備している、そしてしっかりと学園内50カ所にセット済みだ、本来ならここでお茶菓子など有ればパーフェクトだったのだがシーナが準備するととんでもないブツが出て来そうなので無くて正解だろう、例えば紅茶に「イカの塩辛」などが茶受けに出てきたら、それはもう参加者には地獄の大惨事だろう。
ミリアリアが紅茶を淹れている間に、「げんOう」ポーズのシーナはアナベルへの尋問を開始する、
「さて、アナベルさん、貴女はどうして私を幻夢の銀仮面だと思ったのですか?」シーナは完全に「Oんどう」になりきっている、声低っ!
「えっ?何となくですよ?」アッケラカンと答えるアナベル
「またそれですかぁ?!」とシーナは頭を抱える、なんで皆んな私の正体を「何となく」で見破るのぉ?!と混乱するシーナだが実はかなりしっかりとした理由がある。
シーナは装備品などに魔法術式を仕込む時に魔力の痕跡を偽装もしないでバカスカと使い過ぎなのだ、魔法を使える者には残された痕跡から本人に会えば「何となく」作ったのがシーナだと分かるのだ、アナベルはバンパイヤなので人間より更に感知する能力が高いだけだったりする。
この辺りの事を気にしない地龍の中で育ったので仕方ない所では有る、「うーん、うーん」と唸るシーナだが自分で気づくのはいつの日になるやら、すると悩んでも仕方ないと顔を上げて
「幻夢の銀仮面はラーナ王女殿下の影の護衛も務めています、基本その名前も軍事機密に抵触しますので、今後は幻夢の銀仮面の名前を公の場で呼ばない様にお願いします」
ここに関しては本当の事だ、王女殿下の警備計画は王宮側の近衛騎士団の範疇になるのでアナベルの言動は罪に問われる可能性がある。
「ええええ?!そっそんな大事だったんですか?!」知らずに罪を犯していたアナベルは動揺しまくっている。
「まぁ、この場で厳重注意したので、もう終わりなんですけどね、でも次は本当に拘束される可能性があるので注意して下さいね」
笑顔で諭すシーナ
「はっはい!それはもう気をつけます!」素直な性格なので物分かりが良いアナベル
「あの!ラーナ王女殿下、発言よろしいでしょうか?」今まで空気だったクリスティーナ公爵令嬢が堪らずと言った感じで手を上げる。
「私はラーナ王女殿下ではなく幻夢の銀仮面ですけど、どうぞクリスティーナさん」
「ラーナ様ではない?・・・とは、どう言う事なのでしょうか?」と心底不思議そうなクリスティーナ
「そうですね・・・これは本当に国家機密になりますので他言無用でお願いしますよクリスティーナさん、私はラーナ王女殿下の双子の姉で冒険者のシーナと申します、今回はラーナ王女殿下護衛の依頼で幻夢の銀仮面として参加してます」シーナの言葉にクリスティーナは驚きの表情を浮かべて
「まさか・・・赤ちゃんの時に生贄にされたと言われていた、シーナ王女殿下ですか?」と手を口にあて、信じられない様子のクリスティーナ
シーナは「おや?生贄のお話しを知ったいたのですね?」と笑うと「生贄云々のお話しは全てデマですよ、私はそんな目に合ってませんしお母様・・・王妃様にも幼少の時から娘として、とても可愛いがられて幸せに成長して来ましたよ」とニコニコと笑う。
「なので今回も家族の為に妹のラーナを守るべく幻夢の銀仮面として護衛に参加してます、双子の女児の呪いなど存在しなかったんですよ」と地龍の事はぼかしたが真実を公爵令嬢たるクリスティーナに敢えて告げるシーナだった。
するとクリスティーナは滂沱の涙を流して「本当に・・・本当に良かったです・・・」と国の為に生贄として死んだはずの王女が生きていて、尚且つ幸せに暮らしていた事を喜んでいる。
「実はクリスティーナさんのお姉さんのセリスさんからも同じ事を言われましたよ、私が生贄になったのは三大公爵家、カターニア公爵家の責任だと、でも誰も責任なんて取る必要なんて無いのです、だって私は生きてるじゃないですか」と満面の笑顔で両手を大きく広げるシーナ
「もしクリスティーナさんが公爵令嬢として罪悪感や責任、業を感じているならピアツェンツェア王国の未来の子供達の為に公爵令嬢として尽くして下さい、それが私に対する釈罪です」これが偽り事の無いシーナの本心だ。
それを感じ取ったクリスティーナは立ち上がり自分に出来る精一杯の貴族の礼を取り「シーナ王女殿下のご意志に報いる様に精一杯尽くす事をお約束致します」とシーナ王女殿下に誓う。
シーナも立ち上がって「クリスティーナ・フォン・カターニアの言葉を確かに受け取った事をシーナ・フォン・ピアツェンツェアの名において認めます」と言い深く頭を下げる。
シーナ・フォン・ピアツェンツェア・・・この名前をシーナが自分で使ったのは生まれて初めてだった。
そして自分の生まれについての思いも話したのも初めてだった。
「もう!良いから!全てを許すからこんな悲しい事は自分で最後にしましょうよ!」と、何ともシーナらしいアッサリとした思いだろうか。
そんな過去よりも今遊んで未来を楽しみたいのだ。
平民の中華料理店の娘のアナベルには話しの半分も理解出来なかったが「まるで御伽話の世界です」とめちゃくちゃ感動していた。
辺境伯家一門のミリアリアはシーナの実に王女らしい姿に昂りまくっていた、シーナの王女復権に向けて大きな一歩だっただからだ!
シーナの呪われた王女としてこれで最後にしたいと言う思いを理解して「それはそれ、これはこれ」だ、シーナ王女殿下として幸せな人生を歩ませたいと願うのも臣下としての思いだ。
「それで?お話しが脱線してしまいましたがクリスティーナさんのお話は何だったのですか?」こんな重大な案件を脱線で済ますシーナはやっぱり過去について全く気にしてない様子だ。
「あっ!そうでした!ラーナ王女殿下が幻夢の銀仮面だったとはどう言う事でしょうか?
それからなぜ今日、シーナ様とラーナ様は入れ替わっているのですか?」うん、そうだね当然の疑問だね。
「・・・幻夢の銀仮面についてはラーナが暴走した結果です、私も色々と質問したかったのですが、お仕置きをされたラーナが泣いてるので聞けなかったですね。
今日はラーナがお母様に怒られて泣いて動けないので代理で来ました、大事な単位があるそうなので」
「ええ?!ラーナ様は大丈夫なのですか?!一体どんなお仕置きをされたんですか?!」王家特有の拷問でもあるのか?!と戦々恐々とするクリスティーナ
「ラーナはお母様に「お尻ぺんぺん」されました」
「おっお尻ぺんぺんデスカ?」子供にするアレの事?
「はい、お尻ぺんぺんです、痛そうでした、本人言わく今日はマジ無理、だそうですよ」と先程の荘厳な雰囲気は何処へやら、一気に微妙な雰囲気に早変わりしてしまう。
「ラーナの名誉の為に他言無用でお願いしますね」
「はあ・・・それはもう」王家とは?と思ったクリスティーナは悪くないと思う。
「王族の方達もお尻ペンペンとかするんですね」アナベルは妙なところで感心していたが他の王族はやらないと思う。
やはりシリアスは長続きしないのであった。




