表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/134

隻腕の龍戦士修行編 11話 「いざ天空城へ」

時は少し遡り、ゴルド王国滅亡の半年前の話し。


「輸送任務ですか?」イノセントより突然の契約変更の旨を伝えられてキョトンとする幻夢の3人、何故に輸送任務?


ジャコブ襲来より三週間、ブザンソン要塞が龍種による完全支配が決定し人間の各国に通達が来て安全が確認が取れた事との事で、

ガエル侯爵軍はゴルド王都へ向かう事になったのだが、ゴルド王国は既に死に体、現在の侵攻戦力で充分との事でガエル侯爵軍は周辺の遊撃と補給物資運搬と護衛任務を与えられた。


後方活動が主になったので強行偵察の必要性は低下したので代わりに輸送任務の依頼が冒険者に来たのだ。


つまり戦闘行動は極端に低下するので契約更新するかどうか問われてる訳だ、戦闘参加を希望すれば包囲してる軍に参加は出来るがそこまで旨みはないだろうとの事だ。


色々と勉強になる事が多い遠征であったが戦闘経験の点でもう少しなのだが無理に包囲軍に参加するほど積極的に戦闘したい訳では無い、

シーナ的には一度ピアツェンツェア王国に帰還するのも一つの手だと思う。


「エレンさん、地龍君はどうしたい?」仲間の意向次第と言った感じのシーナ。


「この先は金の問題だろうから俺たちには関係ない戦いだな、遭遇戦を期待しながらのんびり待つなら帰還して修行した方が良いな俺は」ガイエスブルクは帰還に1票らしい。


「うーん・・・ここまで来て結末を見ないで帰還するのもって感じだけど、余り良い物は見れない気がする、嫌な感じしかないわ」エレンも残留には消極的だ。


「エレンが正解だなこの先起こるモンなんざ、わざわざ見に行くモンじゃないな、ゴルドの王侯貴族の大量の死体しか見られんからな」イノセントはこの先の展開は予想がついている様だ。


「では私達、幻夢は契約終了してピアツェンツェアに帰還します」とシーナが決断して幻夢のピアツェンツェア王国への帰国が決定した。


「了解だ、今までご苦労だったな、俺は最後まで見届けてからピアツェンツェアに帰国するつもりだ、向こうでまた会おう」と手を差し出すイノセントとガッシリと握手する幻夢であった。


「そう言えば同じ幻夢のマッテオさんはどうしてるか知ってます?」

忘れていた訳で無く聞く機会が無かっただけで、この戦争中ずっと単独行動中のマッテオの事がずっと心配だったのだ、彼とは初陣以降の連絡が途絶えてしまっていた。


「公爵家の倅ならちょっと前に帰国したな、家の者に呼ばれたらしいぞ」


「そうですか・・・良かったです」マッテオが無事だった事にホッとしたシーナ、これでいよいよここでの未練は無くなった訳だ。


「そう言えばイノセントさんはピアツェンツェアの何処に住んでるのですか?」

帰ってからも押し掛ける気がマンマンのシーナ、まだまだ聞きたい事が沢山あるのだ、良い先生を簡単に逃してなる物かとシーナ目が光る!


「俺か?俺は王都の本部の職員だぞ?だから今回の指揮官に選ばれたからな」

と言うかイノセントはピアツェンツェア王国の冒険者ギルドのハイマスター、つまりは総長だ、1番偉い人なのだ、今回の依頼人は、ヤニック・フォン・ピアツェンツェア国王だ。


「あっ!そう言えばそうですねぇ」納得したシーナ。


「遊びに来るのは構わんがシーナは王都に来たらヤニックに捕まるんじゃないのか?そのまま王城でお姫様だろ?お前の場合は」

間違いなくそうなるとイノセントは思っている、口に出さないがヤニックの家族愛は本物だ、ましてや国の都合で苦難の人生を歩ませてしまった娘のシーナを気にかけてない訳が無い、何としてでも自分の庇護下に置きたいだろうと。


「ああーそうかもー」シーナは頭を抱えてブンブンと首を左右に振る。


「まぁバレない様に細工してやるよ」と笑うイノセント、この時の発言が意外な展開を招くのだがそれはまだ先の話しだ。


「ここからは真面目な話しだが帰還するなら寄り道は無しだ、中途半端に関わって良い事じゃないからな、今からゴルドで起る事はお前達とは無関係だ」と真剣な顔で言われた幻夢。


「そうですね・・・これからがこの国の人達にとっての本当の地獄でしょう」とエレンも暗い表情だ。


「たくさんの人が死ぬんだろうな」とシーナは心の中で呟いた。


「王侯貴族共がくたばるのは自業自得だけど、この国に生まれたってだけの話しなのにな」ガイエスブルクも珍しく悲痛な思いが顔に出ていた。


「その事が解ってりゃ良いんだよ、自分達が恵まれた環境ならそれを子供達に残して行くのが今を生きてる俺達の役割だからな」イノセントの言葉に黙って頷く幻夢だった。


またすぐ会えるのでイノセントとアッサリと別れてその後手続きを済ませて帰還の為の船を手配していたシーナはフッと一つ思い出した、海龍王アメリアの事だ、あの変態のせいで寝込んでいると聞かせられたので心配になって来たシーナ。


どうしようか悩んで、やっぱり心配だったので天舞龍リールに思念を送って見る事にした。

前は失敗したが確実に成長してるはずだし天空城に近いここならと集中する・・・と何かがカチリとハマった。


「おお!シーナじゃん、遂に思念波使える様になったんだね、おめでとう」とやや元気の無いリールの声が聞こえて来た。


「リール様お久しぶり・・・では無いですね、あの・・・大丈夫でしたか?」とリールも変態にやられていたと思い出した。


「私とした事が大丈夫じゃ無かったりするんだよね・・・毎晩あの変態の裸踊りの悪夢を見ちゃって寝不足なんだ」


そうかぁ、アメリア様の前にリール様のお見舞いにも行かないとダメだと思って、

「天空城までお見舞いに行きたいのですが・・・天空城ってどうやって行けばいいのですか?」と言ったらリールは急に元気になって、


「え?シーナ来るの?エレンとガイエスブルクも?うん!良いよ良いよおいでよ!私が迎えに行くよ!今どこ?」

と食い付いてきた、余程精神的に参っていたのだろう。


「今はブザンソンのヴィグル軍の冒険者の陣屋にいます・・・けどお見舞いに行くのにお迎えさせるのはちょっと・・・」それではお見舞いにならないのでは?と思うシーナ。


「大丈夫だよ!私なら30分で行けるから良い気分転換になるし散歩がてらに行くよー、今からでも大丈夫なの?」


帰還の手続きは終わったし荷物も持ってるし「大丈夫です」と答えるシーナ、すると「了解!」と言って思念は途切れた、これからリールが迎えに来ると知ると2人は、

「随分いきなりだね」とエレンは笑ってるがワクワクしてる様子だ。


「え?!リールお姉さんにまた乗るの?!」と前の宇宙旅行を思い出すガイエスブルクは顔が引き攣る。


余談だが前にリールに連れられて大気圏外まで飛んだシーナだったがめちゃくちゃ楽しかったのだ、女の方が絶叫マシンに強いのは本当だった。


さすがに陣屋に直接は不味いので軍の宿営地より5km移動しての合流に決まった、待ち合わせの大岩に着くと5分くらいで、すぐにリールが飛んで来た、龍化したリールを改めてじっくりと見たシーナは、


「綺麗!!リール様は凄い綺麗ですね!」と大はしゃぎだ、出会い頭にいきなり綺麗と言われたリールは・・・デレた!

「「そっそう?そうかなぁ?えへへへ、ありがとシーナ」」


「はい!青い鱗は宝石で並び方も素晴らしいです!全体的なスタイルは抜群に美しいですし、可愛いお顔とのバランスも良く・・・」「「はいはい!分かったよ!恥ずかしいから!その辺で!」」と照れたリールが必死に止める。


ちなみにシーナは本気でリールを誉めている、リールの天龍としての造形美が素晴らしく美しいのだ、造形にこだわる地龍らしいシーナであった、ほっといたら1時間は語り尽くすだろう。

エレンは既に2時間に渡り白龍の素晴らしさを語り尽くされて恥ずかしくて撃沈している。


そう言えば、幼い頃から天龍王アメデの像が大好きで海龍王アメリアの容姿を一瞬で「人の姿でも凄い美人さん」と見抜いていたなと、つまりシーナは龍種マニアなのだ。


地龍王クライルスハイムも龍種マニアでシーナと語り合うと何時間でも話し込み「王よその辺で」と側近に怒られる迄話し込むのだ、しかしシーナがクライルスハイムの素晴らしさを語り出すと恥ずかしくてシーナを止めシーナが不貞腐れる迄が流れだ。


ちなみにガイエスブルクは「可愛いの極地」だそうで、可愛いと言われるのが少し悔しいガイエスブルクは余りシーナの前で龍化はしない、男だからね!


シーナ的NO.1はエレンだ、最近は龍化するとシーナの理性が飛ぶのでエレンもシーナの前では余り龍化しなくなった、しかし落ち込んでたりしてる時は龍化してシーナを包んで一緒に寝たりしている、優しいお姉さんだ。


「「それじゃあ行こうか」」とリールが3人を抱っこすると・・・

「おっお姉さん俺!背中に乗りますから、」とガイエスブルクが慌ててリールの背中に移動する、どうやら顔を胸に押し付けられて恥ずかしかった様だ。


「「そう?しっかりと掴まっていてね」」とリールは不思議そうだ。


フワリとリールは浮かび、ゆっくりと前進を始めた、

「今日はこの前とスピードが違いますね?」とシーナが言うと「「今日は3人だからね、落っことしちゃうよ」」と笑うリール

「わー♪わー♪」とエレンはリール号の初飛行に大喜びだ、ガイエスブルクはあの時を思い出したのか無我の境地で背中にしがみついてる。


一行は天空城目指して飛んで行くのだった。


それから30分後。


シーナ達は天舞龍リールの連れられて優雅な空の旅を楽しんでいた。

今日は極超音速飛行は無いと解ったガイエスブルクは復活してのんびりリールの背中で景色を楽しんでいた。


リールの周囲には飛竜と雷竜が沢山飛んでいる、この子達が未来の天龍になるのだ、ドライアドの森で岩竜と樹竜に懐かれたのと同じ理由で一緒に空を飛んでいる。


いつもリールは物凄いスピードで飛び去るので今回は滅多にない機会に遭遇した飛竜と雷竜達はラッキーだ。


「ピィーヒョロロロ」」「ピピッピィー」「クールルル」「ピーピーヒョロロロ」とみんなご機嫌で可愛い声で歌を歌っている。


「わっ♪わっ♪可愛いです!歌を歌ってますよぉ!」シーナ大興奮!


「「そうだねー、この子達は歌でコミニケーションを取るからねー、ラーラララー♪ララララー♪ランラー♪」」

とリールもサービスで歌を歌う、天を抜けて行く様な美しい声だ、周りの竜もシーナ達もうっとりと聞き入る。


しかしここでリールの強力な一撃が入る!


「「そう言えば地龍って歌を歌わないの?」」「「「ぐふう!!」」」シーナ達は精神的な大ダメージを受けた!


「「えっ?地龍って歌わないの?」」え?どした?と言った感じのリール。


大変だ!妙な誤解を招く前に解説しておこう!

地龍は歌を良く歌います、そして上手いです、天龍は讃美歌の合唱的な歌なら地龍はオペラ的な歌と言った違いと思ってくれて良いです。


ただ・・・現実世界でも上手い人とあまり上手くない人がいますよね?


そしてシーナ達3人は・・・うん・・・歌えなくても死にゃあせんしね!つまり下手な人達なのだ!

「うん・・・ありがとうナレーション説明してくれて、後で〆る」とエレン


かつてアリーセの学校で大恥かいたこともありましたね?

「うっ!過去の傷に塩を塗ってくれてホントありがてえよナレーション、後で殴る」とガイエスブルク


その時のアリーセの感想が「なんか!おたけび見たいです!」でしたね?

「わああん!アリーセちゃん!後で絶対に泣かしますよ!ナレーション!」とシーナ


「「あっあははは、そっそうなんだ」」と苦笑いのリール。


そんな話しをしていたら遠くに天空城が見えて来た。


「天空城」○ピュタの様に空中にある訳では無い。


天龍王からの名前拝借でアメデ山脈と呼ばれている大連峰の中で世界最高峰の山グリース、その標高9200mの頂上付近にある天龍最大規模の軍事拠点の巨大城塞と複合防御施設群を総表して天空城と言われている。


天龍は他世界各地に軍事拠点を持ち世界の空を監視している、その総司令本部だ。


なので当然完全な戦城で武骨そのものだ、芸術的な要素皆無の実用性重視でファンタジー感はゼロ、ラ○ュタ的な物を想像した人はすみません。


その為に戦士でない天龍達や非番の天龍達はグリース山の麓の都市で普通に生活している、ここに勤務する天龍達もそこから出勤しているのだ、その都市もピアツェンツェア王都の5倍はある大都市である。


こんなに高い所に拠点を作った理由は3つ、防御に優れて通信がしやすく監視も楽だからと夢も浪漫も無い軍事的理由からだ、後は魔導砲の打ち下ろしにも有効的だ。


なのでリールは最初はこんな何も無くてつまらない天空城より麓の都市にある自分ん家に連れて行こうとしてたのだが父親の天龍王アメデがシーナに会いたいと言い出したので仕方なしに天空城へ向かう。


本当は簡単に外部の人間は地龍や海龍でも書類申請して許可が出ないと入れないのだが天龍王アメデが許可を出しているのでアッサリと中に入れた、やはりここでも書類は大事だ。


中は更にこれぞ軍事施設!的な印象で余計な物は何一つとして無い「何もありませんねぇ?」とシーナが呟くと案内してくれていた天龍の龍戦士が「「余計な物を置くとそこに侵入者が隠れ潜んでしまいますからねぇ」」と至極真っ当な返事が帰って来た。


しかしガイエスブルクとエレンは等間隔に配置されてる大型魔導砲に興味津々だ目が輝いてる。

「「王の許可が出れば後で見学します?」」と龍戦士が気を使ってくれた。


「「はい、お願いします!」」超食いついた!!シーナは天龍の龍戦士が装備するロケットブースター付きの装甲甲冑をジィーと見ている、君そう言うの好きそうだもんね!


「これ装備したら地龍君もお空飛べるかなぁ?」とシーナが地龍君にフラグを立てたました!はい!解りましたよ!作者も大好物です!ありがとうございます!!作者のテンションも上がって来ましたよ!


「ふっざけんなぁ!ここではやめれ!」と地龍君に怒られたので外伝でやります、しかしここで新たなフラグが!


「「あっ大丈夫ですよ、人型用もありますから」」と天龍さんのネタ提供ですよ!


「何が大丈夫なんですかぁ?!」ありがとうございます天龍さん!シーナざまあ御馳走様っす!あざあっす!


「ざっまああああ♪♪♪」地龍君が超嬉しそうです!私も嬉しいですよ!


「あっ!私は普通にやりたいです」勇者エレンお姉さん登場ですよ!


「「あの・・・お父様待ってるからそろそろいいかな?」」

あっはいすみません。理性がぶっ飛びました。


するとリールはヒュンと人化した、この龍化と人化の切り替えの早さも個人の能力に影響される。


ガイエスブルクやエレンは人化するのに必要な時間は5秒程度とかなり能力が高い。


それに空間魔法を同時に発動しないと人化したら素っ裸になってしまう、シーナは空間魔法が苦手で出来ないが通常は武器の換装も同時に行われる。


今日のリールの格好はメイド姿では無くて、シーナから思念波を受けた時に普通の青いワンピース姿で家で読書しながら紅茶を飲んでたらしいので青いワンピース姿だ。


「ここは何も無いけどお父様の居住地の王宮は普通だから安心してね、あっでも少しビックリするかも」とリール、びっくりとな?


「ビックリですか?」とシーナも不思議そうだ。


「「どうぞ」」と案内の天龍さんと王の居住区に入り本当にビックリした3人、


本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本本

でいっぱいだ!


「ふあー凄いですねぇー」と圧倒されるシーナ


高さ30m幅15m長さ500mほどの通路の両脇に本が所狭しとズラーと並んでいる。


「これマジで何冊の本があるの?」と興味深く周囲を見回すガイエスブルク


「どれも凄い貴重な本ばかりだわ」と多少、本の知識があるエレンの目が輝いている。


「それがここにある本は一部分なんだよね、今お父様がいる書斎にはこれの5倍はあるよ」

と本棚の本を撫でるリール、父娘で本が大好きなのだ。


おおよそ世界にある貴重な本はここにあると言う、総数は不明だが1000万冊は越えてるとの事、天龍王とリールもまだ読んでない本も多いらしく現在新しく出版されている本もここに随時収納されて行っているとの事。


この世界の歴史資料館と言っても良い。


「お父様はここに居る時は本を読む為に人化しているから緊張しなくて良いよ」と一行は奥へ進んで行く。


本の通路を抜けると書斎の名をした巨大図書館に出た。


左に向かって螺旋状になってる通路が下へ降りて行き、当然その右側は本棚になっていた、

歩きながら本を探せる構造だ「ほへー」と本を眺めながら通路を進むと長さ2mの人間用の机と椅子がそれぞれ100脚ほど置かれてるスペースがあり10名ほどの人化した天龍達が思い思いの本を読んでいた。


「ここは普通にみんなにも開放してるからね、本の持ち出しはお父様の許可が要るけど」

リールに気づいた天龍達が軽く会釈する、図書館で大袈裟な礼は迷惑になるのでやめましょう。


リールも軽く手を上げて応えるとそのまま先に進む、ちなみにネタ提供してくれた天龍さんは図書館入り口の門番の1人だったのでそのまま任務を続行している。


螺旋状の通路が終わり直接の通路になりすぐに普通の扉があり両脇に警備の龍戦士が2人立っていた。


「着いたよ」と言いながらリールが警備の龍戦士に手を上げると1人が扉を開けてくれた。


龍戦士に頭を下げて中に入ると、少し大きめの書斎になっており正面のこれまた普通の書斎机に1人の金髪碧眼の青年が座っていた、リールに似た美しい顔立ちの男性、天龍王アメデである。


気配は穏やかそのもの、だが奥の深さは地龍王クライルスハイムと同様に全く分からない、3人は背筋を伸ばして整列した。


「お父様、地龍王クライルスハイム様のご息女のシーナ様と臣下のエレン殿、ガイエスブルク殿をお連れしました」とリールがこちらに手を差し伸べたので、


「天龍王アメデ様、御初に御目にかかります、地龍王クライルスハイムの娘、シーナと申します」

と胸に手をやり目を瞑り斜め45度に頭を下げると両脇のエレンとガイエスブルクは無言でシーナと同様の礼を取る。


するとアメデはゆっくりと立ち上がり、

「私は天龍王アメデと言う、地龍王クライルスハイムのご息女よ、良く参ってくれた」

とアメデもシーナ同様の礼をする、龍種同士の礼は見苦しくなければ良いのでこれで充分なのだ、口上とかも必要無いと言うかそんなモノは無い。


「まあ座って楽にしなさい」とアメデが指し示すソファに座る一同、臣下が後ろに立つのは護衛の時のみだ、ここでエレンやガイエスブルクが遠慮して後ろに立つと「お前の事を信用していない」と取られるとんでもない非礼になるので普通に同席する。


全員が席に座るとアメデがシーナに

「やっと直接会う事が出来たなシーナよ、私の事は覚えておるか?」と聞いて来たので、


「あっはい!子供の頃に毎日教会でお話ししてましたね」と笑顔になるシーナ


子供の頃に「天龍教」教会でシーナは天龍王アメデの像を磨きながらずっとアメデに話しかけていたのだ、その時だけはユグドラシルではなくシーナ本人が話しかけていたのだ。


その内にアメデが応えて毎日たわいの無い会話をしていたのだ、これは今まで誰も知らない事でリールも驚いている。


「今日は難しい話しは無しだ、ゆっくりとして行きなさい」


とアメデはシーナに微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ