隻腕の龍戦士修行編 10話 「ゴルド王国王都包囲戦」
今回はナレーションのみの説明回です
注意!
かなり生死の描写に厳しい表現が多い回です、見なくても問題ないので苦手な人はスルーして下さい^^
正直書きたくない話しでしたが・・・
超弩級変態ジャコブ登場に作者も一定のダメージを受けて滞っていた本編の執筆を再開しましょう
ごめんなさいもうしません、でも楽しかったっす!
ブザンソン要塞包囲に足止めを受けたガエル侯爵が率いていた軍団とは別の戦線の軍団は順調にゴルド王国の王都包囲網を完成させていた、劣勢のゴルド王国からは停戦交渉の使者が来たが自分達の現状を全く把握出来ていない尊大な交渉内容だったのでヴィグル帝国の皇帝は一蹴し戦闘は予定通りに続行されていた。
そんな中でブザンソン地方に龍戦士襲来の報が入り皇帝と側近達には緊急が走ったがガエル侯爵より「問題無し」の伝令が届き一同は胸を撫で下ろしたが、ガエル侯爵から皇帝への密書を読んだ皇帝の胃痛は悪化した・・・しっかりと養生して下さい。
ガエル侯爵軍はブザンソン地方より王都方面に転身したが攻撃開始時には間に合わないので遊撃軍となった。
遊撃軍とは各地方よりやって来る王都救援の軍団を抑える役割なのだが今まで散々に蔑ろにしていた辺境地域から果たして救援に来る奇特な軍など本当に有るのかは甚だ疑問だが・・・
「これより王都周辺の城塞、要塞、補給砦の攻略を行う」
と皇帝の攻撃命令が下り展開中のヴィグル帝国軍が王都周辺の防衛線に一斉攻撃が始まった。
しかし開戦直後から無理矢理に周辺の村から集められた老人兵や農民兵が一斉に投降しヴィグル軍がそれを受け入れたので数で優っていたはずのゴルド王国の王侯貴族が率いていた守備隊総勢15万は次々と敗退して戦線は崩壊して8日間で全ての軍事目標は陥落、
敗残兵達は大半は逃亡若しくは投降して王都に退却出来た人数は20分の1と言うちょっと信じられない結末を迎えた。
如何にゴルド王国の内部が不健全だったのかが解る戦いだった。
城で悠々と夜会などを催していた愚か者共もこの時になってようやく自分達が如何に危険な状況か理解した、ゴルド王国の王侯貴族達は慌ててヴィグル帝国に再度停戦の使者を出したが「お前達に残された道は無条件降伏か討ち死にしかない、好きな方を選べ」とヴィグル帝国皇帝に再度一蹴された。
その間にも北部では魔族による土地の切り取りが順調に進み、北部全域が魔族領になった瞬間にヴィグル帝国と不戦条約を締結して領土保全すると言う、未だかつて無かった魔族の慎重な戦略に衝撃を受けたゴルド王国の国王だった。
次々と打てる手を事前に潰されていく!屈辱にゴルド国王は更に狂気を孕み出す。
その頃になると海岸線の都市は次々とピアツェンツェア艦隊が攻略戦を行い全ての町や村は降伏済みなのでいよいよゴルド王国は王都周辺にのみ領土がある状態になった、と言ってもその領土の民ですらヴィグル帝国を歓迎してゴルド王国王家になど協力するつもりも無いのだが。
こうなると包囲しての兵糧攻めか全軍突撃での一気に強襲かの2択だがヴィグル皇帝は迷わずに包囲戦を選択、王都周辺を12万5千の軍で包囲して砦を築き橋を抑え道を完全に封鎖して降伏して来る者の保護を行った。
「免死」今降伏して来る者の命は奪わないとヴィグル帝国皇帝の名の元に宣言したのだ。
そしてそれは完全に守られた、死地に生を見つけ王都の民は一斉に縋った、平民を人とも思わないゴルド王国を捨てたのだ、その事に激怒したゴルド国王は兵に逃げる民の討伐を命じた。
しかしその命令が行使される事は無かった。
毎日数百人単位で王都から逃走する平民達を抑える事が出来ないゴルド王国軍、それもそのはずで住人逃走を武力で抑えるはずの兵士達が住人を守りながらヴィグル帝国に降伏してしまうのだから。
瞬く間に王城と王都から平民達が消えて行った、残ったのは奴隷達が200名程度であったがゴルド国王の憂さ晴らしの為だけに無惨に殺されてしまう。
1ヶ月後には王都と王城には王侯貴族と縁者のみが4500名強のみ残った、この人数の多さは異常だ、大国ピアツェンツェア王国でも全国全てを合わせても王侯貴族と縁者の総人数は1000名にも満たない、いかにゴルド王国が搾取の国だったのが良く解る。
この頃から高位貴族の投降も目立って来たが自分達で身支度ひとつ出来ない連中、服は薄汚れて悪臭を放ち髪はボサボサでまともに食事も作れなかったのだろう、頬は痩けてガリガリに痩せて細っていた。
投降して来た貴族の話しだと王城内部では狂乱した国王が粛清と言う名の暴力を繰り返しており死者も出てる始末らしい、粛清を恐れた虚偽の密告も横行して疑心暗鬼による暗殺すらある始末。
それを恐れた者は王都へ逃げたが平民が居ない街はゴーストタウンだ絶望して自殺も相次いでるらしい。
今、王都へ総攻撃を掛ければ間違いなく勝てるがヴィグル皇帝は動かなかった、1人の犠牲もこんな連中の為に出したくなかったからだ、徐々に兵力を帰還させており2ヶ月後には包囲戦力は5万人まで減らして戦後復興を開始した。
3ヶ月後には投降してくる貴族も居なくなり王城や王都から連日聞こえて来ていた悲鳴や怒鳴り声も聞こえ無くなった。
そこでヴィグル皇帝は始めて斥候を放った、帰って来た斥候の話しでは王都に人影は無く王城も静まり返っているとの事、城門や通用口は開いており侵入は容易い事との事だった。
万全の準備を整える為に総攻撃は二週間後で兵力は3万人で行う事が決定した。
総攻撃の当日王都の東門と南門から突入した、と言ってもゆっくりとした騎馬での突入だった、街は酷く荒廃しており悪臭が都を覆い白骨死体があちこちに散乱してる始末だ、最早人が住める状態じゃない、廃墟の方が遥かにマシに思える死の都だ。
この世に現出した地獄だった。
それでも町を探索するとチラホラと生存者が発見され始める、途中衰弱してる貴族だったと思われる男か女なのかも分からない姿のゾンビの様な人間数人が助けを求めて来たので保護する。
王都内で生存していた人数は60名ほどだった、王都に転がる遺体のほとんどの死因が餓死だったのだが驚く事に食糧品店の倉庫からはまだまだ食べられる保存食が大量に見つかった、それも彼方此方だ、概算で2万名が半年間賄える量だ。
攻撃軍が王都内の探索中も王城からは何一つの動きは無かった、あの国王ならば怒り狂って襲いかかって来て良いはずだが・・・この時ヴィグル帝国皇帝はゴルド国王の死を確信したと言う。
回収した食糧は毒混入の恐れがあるので焼却後に地中へ埋める事が決定した。
さていよいよ王城への突入だ城門は解放されており見張りなどもいないが念の為に皇帝は再度斥候を飛ばす、一兵たりとも無駄死にをさせるつもりはない。
「問題無し」との斥候の報告で場内への突入が開始された。
王都より更に酷い有様だった・・・あちこちに血と思われるシミが壁に染み付いており、そこらかしこに手足を切断された白骨死体の山だ、悪臭が立ち込めて蝿がカーテンの様に飛びかっている。
城内に入る者全員にマスクの着用が命令された。
死体が廊下にオブジェの様に置かれた異常な光景の中をヴィグル皇帝が近衛兵と共に進む、この目で確認せねばならん事がある以上は怯んでる場合では無い。
探索の結果1番酷かったのが大舞台ホールだ上段の観客席のバルコニーから首を括られた死体がざっと150体ほど吊るされていた、その下には首が無い死体が4、50体ほど散乱していた、おそらくはゴルド国王の仕業だろう。
生存者は絶望的と見られていたが乳母に守られて隠し部屋に逃れていた幼い伯爵令嬢と友人の男爵令嬢の3人が生存していてすぐに保護された。
そうして王の間、王座に座り身体に8本の槍を突き立てられたゴルド王の死体が発見された、王の間とその周辺には激しく戦った後があり300名以上の死体が折り重なっていた。
結果王城内から発見された遺体は1400名以上、人物の特定が出来ない程に遺体が破損しており誰が誰の遺体は判定不能だったのが大半だった。
王都と王城での推定死者数は3800名、最早遺体の運び出しも不可能で王城、王都の復興も不可能との決定でここを彼等の墓標とし大量に見つかった金銀財宝もろとも鎮魂の意味を含めて焼却する事となった。
城内、王都に残されていた油や火薬など可燃物が隅々まで撒かれ、総員退避を確認後に点火、轟音と共にゴルド王国王都と王城は火に包まれ10日間燃え続けて全ては灰となり消えた。
文字通りのゴルド王国の完全なる滅亡だった。
焼失後は魔法で整地され更地になった王都跡地には鎮魂の石碑が建てられて禁足地とされた、怨霊の地として人々に恐れられ敬遠され以降500年に渡り人が足を踏み入れる事は無かった。
踏み込んだ歴史学者の話しでは足を踏み入れた瞬間に天気雨がパラパラと降ったらしい。
ここで死んだ人達が500年忘れさられていた事に、そうして500年後に思い出してくれた事に、色々な事への涙だったのだろうか?
これにてヴィグル帝国とゴルド王国の戦いはヴィグル帝国の完全な勝利で幕を下ろした。
勝利したヴィグル帝国にも得る物が少なく失った物の方が多い戦争であった。
「「マジで前回とギャップが酷すぎるだろ?!」」
だから君達をこんな話しに登場させたくないから変態を投入したんじゃないですか
「えっ?!そうだったんですか?」
やはり私は鬱展開が嫌いです




