ユグドラシル編 5話 「アスティ公爵領の戦いとその後」
天舞龍リールは超音速で空を飛びながら転移陣の痕跡を辿り敵の本陣を探していた。
既に中間地点に居た敵は全て討伐ずみだ。
「「見つけたよ!!」」リールは転移陣の終着点を見つける!
転移陣を18の中間地点に散らばして索敵を困難にする工作がされていたが、しらみ潰しに当たれば良いだけの話しだ、天舞龍リールにかかれば造作も無い事だ!
アスティ公爵領の南にある古い城塞、ここが魔族の拠点だ!
「「君達さあ・・・自分達は安全なところで高みの見物とか虫が良いと思わないかなぁ?幼い天龍や地龍を使ってさあ!!!!」」
リールの青い体が怒りと共に蒼い閃光を放ち始める「天舞龍の逆鱗」怒りに身を任せて天舞龍は今まさに愚か者共に神罰を下す!
スピードを緩めてわざと敵に発見させる!
自分達の敵が誰なのか思い知らせる為にそして全てを絶望させる為にだ!
「北東から天龍が接近中!魔導砲用意!」練度が高い砲兵なのかすぐさま照準をリールに合わせる!
「徹甲弾装填完了!斉射開始!」
ガガガガガガァン!!!!
6門の砲から300mmの砲弾が一斉に発射されるがリールはお構い無しに突っ込む!3発の砲弾が命中するもアッサリと弾かれる、弾かれた弾が城壁にいた魔族の部隊に直撃して20人程度の魔族が粉々になりながら吹き飛ぶ!
「なあ?!」驚愕の表情の砲兵達!
「「残念!私の体の方が硬いんだよねぇ!!!」」と気合い一閃リールは全長15mほどの長剣で魔導砲を薙ぎ払う!
メキメキ!!バキバキバキバキ!!!魔導砲を斬った剣撃がそのまま100m以上の城壁を吹き飛ばす、城壁ごと魔族や公爵の私兵が斬り飛ばされバラバラになりながら地面に落下して行く
「うわああー!!」「気をつけろ!普通の天龍じゃないぞ!」「ひいいいい!」
城壁の兵士は恐慌状態に陥り右往左往し始めた、しかしリールは関係無し!とばかりに無作為に走り回る城壁の兵士26人の首を一撃で刎ねた!
その直後に魔力の残滓が爆発を起こしその爆風が更に周囲の兵士を吹き飛ばす!
ゴオオオオンン!!!!
城塞の兵士は慌てて全バリスタでリールを撃つも飛ぶ速度が早くてかすりもしない、当たったところでチクリともしないが、リールは見せ付ける様にかわし続ける。
「「今更気がついても遅いけどねぇ!」」リールはバレルロールをしながら左右にある射塔を横斬りで粉砕しつつ急上昇し長剣を上段で構えたまま射塔の上で静止する。
射塔の兵士の命運が尽きた瞬間だった!
「うわわああああああー!!!!」
恐怖で兵士の気が狂った悲鳴を聞きながら今度は上段から長剣を振り下ろす!
ズゴオオオン!!!!
ズドドド!ドオオオオオン!!
バリスタごと高さ20mの射塔が真っ二つになり兵士の死体や瓦礫が下の兵士や魔族達に降り注ぎ次々と生き埋めにして行く。
その時キイイイイインンン!!と甲高い音と共に空気が変わる!リールの怒りで大気が悲鳴を上げ始めているのだ。
リールは与える恐怖はもう充分とトドメの一撃を放つつもりだ!
急激にリールの大きな翼の蒼い閃光が強くなりその閃光がリールの口元に集積され蒼白い閃光に変わって行く!
天龍の咆哮!ドラゴンブレスだ!
「「はああああああ!!!!!!!」」
ゴオオオオオオオンンン!!!!!!!
数百の雷が一斉に降り注いだ如くの轟音がアスティ公爵領全てに響き渡り蒼白い閃光が空を覆った。
空の光が元に戻った時には全ての物が消滅していた。
消滅
文字通りにそこにあった筈の小山と城塞は全ての兵士と魔族と魔物と共に完全に消滅していた。
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その日ピアツェンツェア王国には直前の王城襲撃など吹き飛ぶ衝撃が走った!
「アスティへの神罰」と後の歴史書に記される事になる天舞龍リールの一撃、700人の魔族と2500人のアスティ公爵の私兵が城塞ごと完全に消し飛ばされて、残ったのは直径300m高さ20mのクレーターだけだったと伝令が来たのだ。
「天龍教」が国教の国が守護者たる天龍から怒りの一撃を受けたのだ!
もしこれが地龍であればここまでの恐慌にはならなかったが神罰を与えたのが自分達の信仰する天龍だ!民衆は怒り狂った「我々の神になんて不遜を!!」
イタロ・フォン・アスティ公爵と残った私兵達は息子のグイードが率いる「アスティ公爵家正規兵」に屋敷を包囲され捕らえられた。
協力したとされる取り巻きの貴族達は自分の身内や領民に捕らえられた、これから裁判が行われるが死刑は免れないだろう。
城内で一隊を率い魔物と戦っていた王妃ファニーは一報を聞いた時ノイミュンスターの言葉を思いだした。
「天龍は罪人に対しては地龍より苛烈」もし城塞を攻撃をしたのが地琰龍ノイミュンスターだったなら、背後関係や龍種の洗脳に関する情報を知る為にある程度の攻撃を行った後に降伏勧告をしただろう。
もっともその後に来るであろう苛烈な処断に情けなどかけないが。
ほとんど苦しみ無く消滅するのと命が助かる可能性に賭け長く苦しむのとどちらが慈悲深いかと聞かれると分からない。
とにかく一連の魔族の陰謀は天舞龍リールの手により粉砕され魔族の野望を大きく後退させる結果になった。
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「・・・・全く、お主はやりすぎじゃ全部消し飛ばしてしもうたら情報が入らんではないか」呆れた感じでリールに苦言するノイミュンスター。
「いやー頭に血が昇り過ぎて細かい事全部飛んじゃってさぁ」ノイミュンスターの苦言にスッと目を逸らすリール。
「今後天龍は魔族と全面戦争ですかな?」スカンディッチ伯爵がノイミュンスターに尋ねると、
「いや・・・お父様からは事態の収拾の後は愛し子護衛の任務続行せよだってさ」
父である天龍王アメデからはもう怒られているリール。
鍛冶屋にノイミュンスター、リール、スカンディッチ伯爵、ニームが集まり今後の事が話し合われていた。
例の如くマッテオは既に気絶して退場、オーバンは給仕、ガイエスブルクはニームの膝に抱えられてご機嫌だ。
「どうも魔族の本命の狙いは私達じゃない見たい、本命はゴラド王国らしい」何とか話しを逸らそうと必死のリール
「ふむ・・・まぁ現実的な狙いだな奴等の食糧事情を考えると最優先だろうて」
「何故奴等はピアツェンツェアに仕掛けて来たのでしょうな?
戦略的にも戦術的にもリール様を王城に釘付けにするのが最適と思うのですがな?」
解せぬと言った感じの伯爵。
「さあ、馬鹿だったんじゃない?戦って見たけど雑兵の集まりだったよ、高位の魔族はいなかったぽい」と言うリールだが、実際には3名の高位魔族がいたのだが何も出来ずに消し飛ばされてしまっていた。
「ではシーナ様はご帰還に?」
「いやのぅシーナは龍戦士を目指す事になってのぅ、しばらくは本国で地龍王様と鍛錬だそうだ」
「なんと?!」驚くスカンディッチ伯爵。
「へぇー地龍の王様が直々かぁ・・・そりゃ凄い」私も手合わせして欲しいと言った感じのリール
「左様ですな私もシーナ様の今後が楽しみですじゃ」
「そうじゃのぅ」
誰も「なぜお姫様が?!」と言わない所がじつに龍種らしかった
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王城襲撃とアスティの戦いから半年が経過した。
裁判は終わり元公爵イタロは死罪、公開でギロチンでの斬首が行われた。
協力した貴族達は軒並みが貴族身分剥奪の上で犯罪奴隷落ち、複数人は服毒での自殺が認められた。
協力はしなかったが通報もしなかった者も軒並み降爵か役職剥奪などの厳しい処置がされた、貴族としての責務の放棄と見なされたからだ。
アスティ公爵家は息子達が積極的に王家に協力した事で当代のグイードは男爵へ降爵になったがその子孫には公爵位の復位の検討の余地は残された。
次男のオスカルと三男のマッテオは貴族の位を剥奪されたが公務への参加は認められた、起きた事柄を思えば破格の温情だった。
ちなみにドサクサに紛れてひっそりと狸宰相が何かの責任を取りこっそりと宰相を辞任しようとして当然の様に国王と他側近の皆に却下されていた。
それから国王は襲撃の時から裁判終了までの間、終始に渡りかなり頑張って働いたが案の定目立たなかった、見てる人はしっかり居るから頑張れ!
誤解が無い様に説明をしておくとこの国王はかなりの名君で宰相と王妃が目立ち過ぎてるだけである。
それじゃいかんだろ!と宰相は辞任しようとするが毎回国王に阻止されている、自分の名声より国家第一をしっかり実行してるのも英傑たる所以である。
今回の魔族の失敗は国王の力量を過小評価したのも大きな原因だ。
つまりピアツェンツェア王国の現在の王家は誰もが歴史に名を残せるほどの英傑が集まった歴代最強の王家なのだ。
それから大事なのはシーナの今後の立ち位置だ当然第一王女として帰属させたかった王家だったが・・・
シーナ自身が拒否してしまったので本人の気が変わるのを期待して保留状態だ。
世界情勢としては西の大陸でヴィグル帝国とゴルド王国で覇権を賭けての戦争が激化し西の大陸進出を目論む魔族も介入してかなり酷い混乱の様だ。
天龍達の「天空城」は完全に静観している。
以上の点からも今回の事件はかなり妙な点が多いのだが詳細はリールが全てを消し飛ばしてしまって不明だ。
シーナの現状は「龍都」にてエレンと修行に明け暮れている、もう少しすれば地龍王との修行を開始出来るだろう。
オーバンは完全に鍛冶工として働いていてレンヌとも上手く行ってる様だ。
ガイエスブルクはリハビリがまだ必要でニームが付きっきりで世話している、この事で騒動があったが話しはその内に。
リールは・・・天空城にて改めて天龍王アメデに怒られて始末書の作成だ。
「「何でよおおお??!!」」とリールは言っているが逆に怒られないと思う方が不思議だな。
様々な要因が揃うのはまだ少し先の話しだ。
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「拠点の城塞に天舞龍リールが来襲し特務隊隊長アミアン様!情報部オーバン様に以下随伴大隊785名が全滅した模様です!!」
「なんだとぉ!それは本当か?!」
「はい・・・観測隊によると天舞龍のブレスの直撃を受けて間違い無いとの事・・・残念です」
「そうか・・・彼ら同士は良く頑張ってくれた・・・栄えある戦死と公表せよ・・・すまんが・・・1人になりたい」
「はっ!・・・・・・・・」
・・・・行ったか?
ドンッ!!
俺は椅子に座り足を机の上に今の心境のままに乱暴におき目を瞑った・・・
「クソ!やはりオーバンは痛かったなー、ヤバくなったら撤退しろと言ったのにな」
おっと思わず声に出ちまったよ。
俺の名前はブレスト、魔族軍の第六軍の軍団長だ。
今、ピアツェンツェアに行っていた連中が全滅との情報だ。
「全く余計な色気出しやがってよー」
イラついて声に出ちまったがもう誰もいないから良いや。
しっかし天舞龍リールからのブレスの直撃で全滅食らうなんざどう言う状況だ?失敗するとは思ってたがド派手過ぎねぇか?
文字通りの全滅で何も解りゃしねえよ・・・
最初にアミアンの野郎達から計画を聞いた感想は「馬鹿か?こいつら正気か?」だった。
とにかく来春までにゴルドの北側を削らん事には冬には食糧危機だ、下手こきゃ餓死者も出る。
全く何の徳もねぇピアツェンツェア王国なんかに手を出してる場合じゃねえよ・・・
とは思うが龍種に代わって魔族が世界の統治を!つうプロパガンダがある以上は龍種にちょっかい掛けない訳にも行かないのがキツい所だな。
ピアツェンツェア王国のラーナ姫にシーナ姫か・・・・
こんなやべえ案件に頭突っ込める奴の精神が解らん、俺なら見なかったの一択だ。
天龍王だの地龍王だのに勝つどころか戦うなんて選択肢すらねえよ。
どちらの姫に手を出しても必ずどっちかの龍王が出てくるって、どんなホラーだよ!
つうかこれ下手撃ちゃ両方の龍王出てこねぇか?
魔王様から協力しろって言われなけりゃ誰が戦力なんか出すか!って話しだったんだよ。
仕方ないから中堅処の大隊とオーバンを貸したんだが聞いた通りに全滅だ。
あれだけ深入りしねぇでヤバくなったら逃げろと言い聞かせたのによー
最初は上手く行ってたんだぜ?天舞龍リールをピアツェンツェア城に誘い出して貼り付けに出来たんだからな。
「よし!お前らでかした!」なんて褒めたのが悪かったのか?奴等のテンション上げちまったのか?
しかし王城に貼り付けにしてたはずの天舞龍になんで全滅食らわされたんだ?
あー・・・・多分、洗脳した天龍と地龍を使っちまったんだな。
あれは本来なら防衛用に持たせたヤツだ理性を失ったやつの使い道なんぞ防衛で敵に突っ込せてその隙に逃げるくらいしかねえのにな・・・
龍種の洗脳ですら龍王の介入の危険があるから細々とはぐれ者をコッソリと捕らえて刺激しない様に気をつけてたんだが・・・本当に余計な事やってくれたもんだ。
いずれにせよピアツェンツェアへの作戦は全面中止だ、もう冗談じゃない。
とにかく早くゴルドの北の港を抑えないと時間が無い、
また余計な馬鹿を出さない為にもピアツェンツェア王国の姫さんの話しは封印だ、二正面作戦なんぞ今の魔族に出来る力はねえ。
とは言え死んだ連中の葬式だけは盛大にやってやんねえとな・・・
やっぱりオーバン・・・痛すぎるぜ・・・あいつだけは・・・
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我の名前は地琰龍ノイミュンスター。
地龍王クライルスハイム様に仕えて5000年程の地龍だ。
存在自体は10000年以上前からしていたのだが3000年ほどは特に何もせずに世界を見ていた。
クライルスハイム様の気配は感じていたが長くお互いに特別干渉する事はなかった。
とても長い話しで詳しく此処で話すのは叶わぬがある時不意にクライルスハイム様に仕える事となった。
ユグドラシルが枯れて世界は動乱の時代だったからのぅ・・・さすがの我もただ世界を静観する事は出来なんだ。
その内に人間達が文化を築き始めた、
「面白い」と我は思い積極的では無かったが少し人間に関わる様にもなった、関わる様になると短い有限の命で精一杯生きる生物が更に面白くなった。
それから3000年程の時間が過ぎた頃に天龍王様の加護を受けた1人の人間が我等の山のある大陸に一つの国を作った、
これが、なかなか愉快な男で我も色々と手を貸した。
しかし最初の国王は面白く良い男で我も積極的に関わったがその子孫が全然ダメだったのじゃ、良き親から良き子が産まれるとは限らぬと初めて知った。
その為に我も王国に興味も失い、我も関わるのをやめてしばらくして大陸に病が広がった、タチの悪い病で人間のみならず動物に果ては竜達にまで広がって行った。
地龍王様が調べて見るとその見捨てた国の王族達の仕業と解った、世界の調和の為に地龍王様は一度王家を滅ぼす事に決め龍戦士達と共に王城を攻め滅ぼした。
その後は一応の様子を見ると地龍王様が仰せになり監視の為に山の麓に一つの町を作ったが我はその頃には我は人間への興味を完全に失い関わる事は無かった。
魔族などもまた王国の中で暗躍し始めたが我には預かり知らぬ事だ、好きにすれば良い。
その後長い年月が過ぎた。
その内に我等の山を登る女を見つけた。
赤子を抱きしめて必死な様子だ、共に見ていた同輩から彼の国の王妃だと聞いた。
ほう、何故に1人で王妃が?
久しぶりに人間に興味を持ち女と関わって見る事にした。
これがなかなかに愉快な女だった。
まず胆力が良い、力自体は低いが精神力が強い、気を失う瞬間まで我の目を見続けておった。
己れの命より子の事を思う心根も天晴れだ。
良し!久しぶりに人間に手を貸そうと赤子を手にして驚いた。
今はもう亡き懐かしきユグドラシル様の気配がするではないか!
赤子は小さな手を出して一生懸命に我に話しかけて来るが残念ながら何を言っているのか分からない、
だが、何故だかこのユグドラシルの気配がする赤子を守らねば、とそう思った。
ファニーに聞くと赤子の名はシーナと言う、うむシーナか良い名だ。
ファニーとは離れなければならない境遇と知って我が子として育てる事にした。
なぜかそうしなければならないと感じたからだ。
王妃を王都へ転送させ古き友が治めるスカンディッチに向かう途中にクライルスハイム様と出会った。
なんと有り難い事に我が子に祝福を授けて頂けるとの事だ。
この子にとって有益な事となるであろう。
するとクライルスハイム様の右目とシーナの右目が共鳴を始めたではないか。
はて?これは?とクライルスハイム様を見ると我が王も解らぬと仰せだ。
ふむ、これはどうした物か?と思っていたら突如クライルスハイム様が御自身の右目を抉り出してしまわれたではないか!
慌てる我を後目にクライルスハイム様が御自身の目をシーナにかざすと・・・
シュッとクライルスハイム様の目がシーナの右目に入ってしまった!本当にそうあるべきかの様に自然に・・・
我が動揺しているとシーナがクライルスハイム様の娘になった事を告げられた。
おおっ!それはめでたい事だ!
そうかそうか、なれば我はシーナを導く師となろうではないか。
それからシーナは地龍らしく成長していった、半分は人間のはずなのだがとにかく地龍の気配が強い。
それは喜ばしい事なのだが人間の生活も覚えておかねばと思い色々と教えたのだがやはり地龍の気配が強く人間らしさ欠如しておる。
ううむ、龍化が出来ぬシーナは人間の町で住む事もあるだろう・・・
さて、どうした物か・・・子育てとは難しいのぅ。
そうしていると魔族が地龍王様の娘であるシーナの誘拐を企ているとの情報を天舞龍リールから届いた。
怒りの余り付近の山々を噴火させてしまう所だったわい!
少し寂しいと感じたが身の安全の為にシーナは地龍王様のおられる本国に送った。
安全が確認されるまで我が友の子エレンと共に保護して貰う事になった、ならば我はその間にシーナの敵の排除に勤しむ事としよう。
すると古き友や天龍達が色々な事情の者達をここに連れて来る様になった、全くここは保護施設ではないのだがのぅ・・・
まあ、良いのだがな。
ある日の事だ、シーナの敵共を怒れる天舞龍リールが木っ端微塵に吹き飛ばしてしまった。
少し情報源を残せば良いのに天龍とはやはり苛烈だのぅ・・・
しかし気分は爽快だ!我もたまにはドラゴンブレスを爽快に放って見るか!
と言ったらマッテオとオーバンに涙目で止められた、むう、残念じゃわい。
それにしてもどいつもこいつも、此処は集会場では無いのだから押し掛けて来るのをやめんか!
まぁ、最近は退屈せず良いのだがな!
今の我の望みはシーナが幸せに過ごしてくれる事だけじゃ。
シーナの魂が世界に帰る日まで共にいようではないか。