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閑話 その5

前門のメアリー&アデリーナ擬き(処刑人の剣装備中)に後門の王太子・・・

イジメ上級生達は追い込まれた!

しかし伯爵令嬢にも悪役令嬢としての意地がある!


「わたくしはアデリーナ様を教育していたのですわ!」


「教育?集団で取り囲んで罵倒して体罰を加える事がお前の家での教育なのか?」

伯爵令嬢の言い訳に不快そうな笑顔になる王太子ヤニック。


「それで?・・・えーと?すまん名前が分からんが、そこで師匠に頭を掴まれているお前。

確かどっかの子爵家の令息だったな?」


《師匠・・・バルドル様はヤニック王太子殿下のお師匠様だったんですねぇ?》


《押し掛け弟子じゃがな》


メアリー擬きにガッツリと頭をホールドされて必死に踠いてる大柄男子生徒。

掴んでいる手を両手を使って振り解こうとしているがピクリとも動かない。


「な・・・んでこんな??」

全力で力を入れているのでこんな小娘の手首を折る事くらい造作もないはずだが、掴んでいる手は鋼鉄の様に固く重い。


「ほれほれどうした?王太子殿が呼んでおるぞ?返事をせぬか、この無礼者めが」

ギリリリリ!と手に力を込めるメアリー擬き。


メキメキメキメキと頭蓋骨が悲鳴を上げる!


「ぎゃああああ?!すみません!すみません!真実を言います!

僕たちは、そこの伯爵令嬢に命令されたんです!アンタの妹に乱暴しろって!!」


「んな?!貴方達だって乗り気だったではありませんか!」

大柄男子生徒に裏切られて激昂する伯爵令嬢。


メアリーとアデリーナは美しいと言うより可愛い顔をしているがプロポーションは良い。

ロリフェチにはたまらない女の子達なのだ。


「この!変態共がぁあ・・・まぁ良い分かった・・・

次!えーと?すまんがまた名前が分からん。お前達はなんなんだ?そこで何をしている?」

ヤニックは自分にとってどうでも良い人物の名前を覚える事が無い、この辺りは実に王族らしい。


ヤニックの視線の先には伯爵令嬢の取り巻きの子爵令嬢3人がお互いに抱き合いガタガタと震えている。


ヤニックの圧力に弾かれる様に飛び出して、

「ごめんなさい!ごめんなさい!私達は、お嬢様の家門下の立場で断れ無かったんです!」

そう言いながらヤニックに対して土下座をする令嬢達。


「ふーん?お前達は横でクスクスと楽しそうに見えたがな・・・

だが俺に謝ってどうすんだ?謝る相手を間違えてないか?」


ヤニックの言葉でイジメ上級生達全員が一斉にアデリーナ擬きを見ると彼女は段々と飽きて来て暇なのか「処刑人の剣」でブォンブォンと素振りをしていた。


ブォン!!ヒュン!!ブォン!!ヒューーーーン・・・


アデリーナ擬きの素振りの風圧でメアリー擬きがぶっ壊した壁の瓦礫の山が空の彼方へとドンドンと消えて行っている。


《ふわー?クローディア様、凄いですぅ、お掃除要らずですねぇ》

アデリーナも謎の余裕が出来たのか暢気に空に飛んでいくが瓦礫を見ている。


《うふふふふ~、実は「波動」と「圧縮」のスキルを使っているのよ。

剣撃に合わせて圧縮した魔力を撃ち出して物を飛ばしているいるのね。

結構応用が効く技でアデリーナも覚えるのは簡単よ?》


令嬢がそんな技を覚えれる訳ねぇじゃん?!


《なるほどぉ、覚えたら庭のお掃除するのに便利そうですねぇ》

そんな暢気に答えるアデリーナなのだが、この後にマジでこの技を会得するのだ。


それよりも人外共がぶっ壊した建物の修理代は誰が払うのだろうか?

良く見ると少し離れた場所で仙人学園長が複数の教師と共に何やら書きながら賠償金の計算をしている。


「うん!やっぱりこの剣良いわねー、コレ私にくださいな?」


「ダメだ、その剣は真魔族の開祖から伝来の業物じゃからな。

その代わりに儂がレプリカを幾つか作ったから帰ったらそれをやろう」


「本当?やったね」


「あの・・・アデリーナ様本人は気にしてない見たいですけど?」


「そうだな・・・クローディアさん?仕事して貰えませんか?」


魔王バルドルは物を作るのが趣味なのだがそれを保持する事にはこだわっていない。

割とポンポンと作った特級呪物を人にあげてしまうのだ。


「まぁ・・・いずれにせよ「未遂」だからな。

この場で俺がお前らを罰する事は出来ないが、厳重に申し渡しておくぞ?

2度とメアリー嬢とアデリーナ嬢には関わるな。

しかしアデリーナ嬢に怪我を負わせた分の慰謝料と治療費は払わせるからな?」


「はっ・・・はい!」


確かに現状でイジメ上級生達の罪はアデリーナを取り囲んでの罵倒と背中を扇子で打ち付けた事だけだ。


「あら?もう終わり?」


こうしてこの問題は王太子ヤニックが出て来た事で荒事にならずに解決した。

いや・・・王立学園の建物が受けた損害は半端なモノでは無いのだが。




しかし・・・




『・・・・・・・・・・・・・甘い。



甘いぞ我が弟子ヤニックよ・・・



腐れた精神は腐れた身体から来るモノだ・・・



コヤツらは精神も身体も腐っておる・・・



いずれまた同じ過ちを繰り返すだろう・・・』




「こっ?この声は??」

まるで地鳴りの如く低く、しかし圧倒的強者感が全開の声が聞こえる。

声の主が誰だか分かっているが一応は乗っておくメアリー擬き。



「まっまさか・・・」

そしてヤニックも声の主が誰だか一発で分かっているが色々とお付き合いと言うモノが有るので乗っておいた。



「あ・・・この子達・・・もう終わった・・・」

あーあー・・・これから大変ねぇ?と他人事のアデリーナ擬き。




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

地鳴りが更に大きくなり・・・


ドゴオオオオオオオンンンン!!!!

地面が裂け!土砂を天高く巻き上げ土煙の中から巨大な何者かが姿を現す!!!!


《きゃああああああ?!何ですかぁ?!》


「真打ちの登場よ」



「ふはははははははは!!!哀しき者どもよ!!

我はマクシム!!!魔王軍四天王の末席にしてヴィグル帝国を滅ぼす者なり!!!!」


うわー?!マクシム君が出て来てしまったーーー?!つーか何でお前は土の中に潜ってた?!


そしてマクシム君が持つロープの先には縄で縛られた4、5人の男達が転がっている・・・えーと?どちらさん?


「さあ!お前達も来るが良い!我と共にラーデンブルクを制圧しようではないか!

うりゃ!なんとお!!」


マクシム君の訳分からん掛け声と共に背中からロープが生き物の様に飛び出してシュルルルと、まとわり付くヘビの様にイジメ上級生達を捕縛して行く!


「きゃあああ?!」「いやあああ?!」「何だー?!」「助けてー?!」「おかーさーん?!」「ヤニック殿下ーーー?!」「メアリー様!手を離さないでーーー?!」


マクシム君の緊縛術で、あっという間に芋虫状態になったイジメ上級生達が悲鳴を上げる!

助けを求められた人外共は無表情になっている・・・いや笑いを堪えている?!


「お前達よ暫し故郷との別れだ。肉体と精神が極限まで鍛えられし時、帰還が許されるであろう」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


そう言いながらゆっくりとまた地面の中へと沈んで行くマクシム君・・・

それに伴いロープで繋がれているイジメ上級生達と謎の男達も地中の中へと引き摺り込まれて行くのだ・・・いやだから?そちらの方々はどちら様ですか?


「助けてーーーー??!!!」「いやああああああ?!」「アデリーナ様ーーー?!」

「メアリーさま!メアリー様ーー?!」

その絵面は正しく地獄に引き摺り込まれる罪人だ。


「あーーーーー??!!・・・・・」ゴゴゴゴゴゴ・・・ゴゴゴ・・・・

地鳴りが鳴き止んだ時には、人外共の前からイジメ上級生達の姿は消えていた・・・





《・・・・・・・・・・・・・・・・・先ぱーーーーい?!》


《しししししし死んだ?先輩達、地面の中に引き摺り込まれましたよー?!》


突然、「土の中からこんにちはマクシム君」の襲来に大パニックのメアリーとアデリーナ姉妹。


「死んではいないわよ?これから大変だろうけどね」

パンパンとマクシム君にぶっ掛けられた土を払うアデリーナ擬き。


「あの人何で土の中から出て来たんですか?」


「知らん」


何故、彼が地中から出て来て、彼の周囲に転がっていた男達が何者なのか・・・

それはマクシム君にしか分からない、一つハッキリしているのはイジメ上級生達は数年は帰って来ないと言う事実だけなのだ。





「まぁ・・・5年ほどしたら飽きて帰してくれるじゃろうて」





こうして王立学園での上級生達による男爵令嬢イジメ事件は覚醒魔王マクシム君の力技で強引に幕を閉じたのだった・・・


これより3年後、彼らに良く似た男女8人組が西の大陸の僻地の森で槍を片手に兎を狩っている姿が目撃されたが多分別人だろう。




後日談。





「お姉様!見て見て!貰っちゃったのー!」

魔王バルドルから自分専用に調整された「処刑人の剣」をブォーンブォーンと振り回すアデリーナ。


海湊龍クローディアに憑依したせいで魂の形が変わり性質が「海龍」に近くなり肉体も再構成されメチャクチャ物理的に強くなったアデリーナ。

要するにアデリーナも人外になってしまったのだ。


「わあ!凄い凄い!」

こちらも魔王バルドルに憑依したおかげで「吸血鬼」となったメアリー。

元々ファンタジーオタクだったのが功を奏して様々な特殊スキルの獲得に成功する。


そして本人は吸血鬼化した事を余り気にしていない。

ここにガチで世界最強の男爵令嬢(人外)が誕生したのだった。




「バルドル様?多額の賠償金請求がピアツェンツア公国より来てますが?

・・・・つーかオメェ今度は何をしでかした?さっさと吐きやがれ」


推定2億円(相当)の賠償金請求に財務大臣である四天王筆頭からギチギチに絞られた魔王バルドル。

ファンタジーオタク仲間を得た代償は大きかった。




「「それで?発電機用の「魔石」は確保出来たんですか?」」


「「!!!!!忘れてましたーーーーー!!!」」


「「何やっているんですか!クローディアーーー!!」」


「処刑人の剣レプリカ」をゲットしてホクホクしながら帰ったら本来の目的である魔石の事を完全に忘れていて海龍王アメリアからメッチャ怒られた海湊龍クローディア。




人外共は今日も平和でした。







「酷え?!何じゃ!この酷い話しは?!」


「この話しから「世界の創造主」が感銘を受けた漫画が全く連想が出来ないんですけど?」


『ん?読んでいたのは「悪役令嬢のおかあさま」じゃが?』


「こんな「悪役令嬢のおかあさま」があってたまるかーーー?!」


『ええ?!男爵令嬢も出て来たし扇子でパチンも有るぞ??』


「改稿作業も碌にやらんと、こ・・・こんな話しに2万字以上を費やすとは・・・」


『次は「ループ物」を書いて見ようかと思っておるんじゃ』


「本当にもういい加減にしないと私達は、もう出張をブン投げて実家の「龍騎士イリス」に帰るかんね・・・」

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