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閑話 その4

遂に学園内に乗り込んだ人外共。


颯爽と学園の廊下を歩くメアリー擬きとアデリーナ擬き、余りにも颯爽とし過ぎて周囲の生徒が振り返る。


「あの子達どうしたんだ?いつもはオドオドしているのに・・・」


「と言うか・・・早っ?!あの子たち歩くの早くない?」


「あんなに急いで何処に行くんだろう?」


「ほら、あの子達・・・」


「ああ・・・酷い連中に目をつけられて可哀想に・・・」


そんなヒソヒソ話しを尻目に人外共はその酷い連中を探す為に学園内を歩き回る。


《して?連中は何処におるんじゃ?》


《この時間なら私をイジメる為のミーティングをする為に教室に集まってます》


《そんなどうしようもないミーティングなんてしてんだ・・・》


人外共はアデリーナから得た情報を元にイジメ上級生達がたむろしているだろう教室目掛けて進撃を開始するのだった。


「む?何やら濁った魔力を感じるぞ?これは酷いな」


「あー・・・これダメな連中だわ、近くに居るだけで殴りそうになるわー」

まだ姿が見えていないのに龍の逆鱗に触れるとかよっぽどだろう。


その濁った魔力にターニングポイントを変える人外共。

更にスピードを上げる!


すると進撃方向先の廊下の突き当たりにターゲットを発見した人外共。


戦隊モノの悪役の如く8人綺麗に横並びで立っている。

メアリー擬きとアデリーナ擬きの姿を確認すると男共がニタァと気色悪い笑いを見せて女共も何が可笑しいのかクスクスと笑っている。


そして1列になって接近して来た?いや何で1列?これは・・・・・フラグか?!


《はいムッカー、死刑確定じゃな》その卑下た笑いがメアリー擬きの逆鱗に触れる。


《死刑にしちゃダメですぅ》


《先頭の男!顔がなんかムカつくわ!コイツ・・・本物だわ!

バルドル!先制攻撃よ!エクスキューショナーズソードを貸して頂戴!》


人外共は戦い前の駆け引きなどしない!可及的速やかに目的を果たすのだ!


《よし来た!》スタスタスタ!戦いの狼煙を上げるべく更に歩く速度を上げる人外共。

既に行軍の速度は時速60kmを超えている!


《よし来た!じゃないです!止めて下さいバルドル師匠!》

しかしここで別の人外から待ったが入る!


《あれ?何で付いて来てるのヤニック坊?》スタスタスタ


《貴方達の監視に決まってます!学園内での「処刑人の剣」は使用禁止です!

クローディアさんのパワーで本気で振り回したら「王都が半壊」します!》


《ええ?!半壊しちゃうんですかぁ?!》慄くアデリーナ。


《えー?私は海龍よ?そんな破壊的な事しないわ》

「おい!おまっ?!」ドオオンン!ドン!ミシィ!グシャグシャ!

ワーー?!キャーー??何かを弾き飛ばしたアデリーナ擬き。


《どうだか?クローディアさんは最近イリス師匠と組んで変な事してますよねえ?

ケンタ君で何をしようとしているんですか?》

「で殿下??あの?きゃー??」

ドン!キャー?!ドカドカ!ドカドカ!何かを踏ん付けたヤニック。


《何でその事を?!》

ドン!バキイ!ドン!メキイ!ギャーーー?!わーーー?!キャーー!

また何かを弾き飛ばしたアデリーナ擬き。


《あー・・・儂はその件についてはノーコメントじゃ》

ゴゴゴ!ドオオオーーーンン!ガラガラガラ!!

「うわー?!崩れるぞ!!!逃げろー?!」何かをぶっ壊したメアリー擬き。


ここで堪らずメアリーがツッコミを入れる。


《あの!皆さん!上級生の方々を「轢き逃げ」してます!》


《え?》


《え?》


《え?》


《あの?壁も壊しちゃってます・・・》


「「「あ・・・しまったぁ!やっちまったい!」」」


念話での会話に夢中になっていた人外共は前方不注意になってイジメ上級生8人を真正面から直進して轢き倒し踏み付けながら通過して行き更に正面の壁をブチ抜いて中庭に歩き去ったのだ!


「あら?嫌ねー・・・全然気が付かなかったわー」


「よし!戻るぞ!」スタスタスタ、ドオオオーーーンン!!


「だから何で、わざわざ違う壁をブチ抜いて戻るんですかぁーー?!?!」


もの凄い埃を巻き上げながら学園内へ再度来襲する人外共!

これには周囲の生徒達もドン引きだ!


そして人外共に轢かれたイジメ上級生達は完全に伸びている。


人外共は少女の姿に見えてもその質量は変わらないのだ!

ちなみに海龍のクローディアさんの体重は「8トン」ある・・・

よくもまぁ「クチャ!」と行かなかったモノである。


と思ったらクローディアにぶつかった生徒は、体重差により盛大に弾き飛ばされて3m先の壁にめり込んでいる!


でも君達良かったね!もしもクローディアに踏まれてたら「内臓ブシャアアアア!」で死んでたよ?!

ちょっと痙攣して死に掛けてるけど大丈夫大丈夫!セーフ!セーフ!


ここでメアリー擬きが体重8トンについてツッコミを入れる。

「そうなのか?クローディアよ、体重が8トンとは少し軽すぎやせんか?」


いやそっちかい!確かに海龍の平均体重は「35トン」ほどだ。


「そうなのよ・・・ご飯食べても体重増えなくて」

海龍にしてはメチャクチャ小柄なのがクローディアの悩みの種なのだ。


「そうかなら今度飯を奢ろう。しかし完全に伸びとるなぁ」

雑談をしながらメアリー擬きは片手で180cm超えの大柄な男子生徒の頭を掴んで軽々と持ち上げて観察している。


《あ・・・あの?可哀想なのでもうその辺で・・・》

轢かれた時の惨状が余りにも酷すぎて心優しい少女アデリーナはイジメ上級生達の助命を人外共に請うたのだった。


しかし人外共に情けなどはない。


「だめよー?徹底的に矯正して上げないと、この子達の為にならないわ」

いやお前、初っ端に「処刑人の剣」でブッた斬ろうとしたよね?!


「ほら!回復して上げるから全員起きなさい」

クローディアは範囲回復魔法でイジメ上級生達を回復する。


「うううう・・・」すると比較的被害が少なかった(ヤニックに踏まれた)主犯の伯爵令嬢が1番最初に目を覚ました。


するとアデリーナ擬きを見つけると・・・

「この!無礼者!男爵令嬢の分際でわたくしにぶつかるなんて!」

と激昂して手に持っていた扇子をアデリーナ擬きの頭に振り降ろした!

さすがは悪役令嬢だ!


まぁ、お前を踏んだのは王太子のヤニックだがな。


バチーーーンン!!「きゃーーーーー?!?!」周囲の女生徒達から悲鳴が上がる!


そして!


「いたーーーーーーーーーーいいい?!?!」

絶叫と共にアデリーナ擬きを叩いた伯爵令嬢が手を押さえて転げ回る!

そりゃ8トンの高密度物体を思い切り叩いたらそうなるわ!


「貴女?何してるの?「手首が折れた」でしょ?もお・・・しょうがないなぁ・・・」

そう言ってまた回復魔法を伯爵令嬢に掛けてやるクローディア。


「ああああ・・・あああ」

あっという間に手首の骨折は治ったが激痛を受けたショックで放心状態の伯爵令嬢。


「ふむ・・・そろそろ起きぬか?もう怪我は治っておろう?」

メアリー擬きは、頭を鷲掴みにしている手に少し力を入れる。


ギリギリギリギリギリリリリ!!!


「!!!!!!痛えーーーーー!!!頭が?!頭がぁあああ?!?!」

頭がクシャ!と行きそうになった大柄男子生徒が痛みで目を覚ました!


「ふむ、目を覚ましたか・・・お主?儂をどうにかするつもりじゃったのか?」


少女に化けていようが「女言葉」などを使う気などサラサラ無いメアリー擬き。

いつもの調子で尋問を始める。


年下の少女を集団で舐ろうとした男達に対してバルドルは割とマジで怒っているのだ。


「痛えーーー?!先ずは手を!割れる!頭がぁーーー?!?!」


「ほれ?お主達の王太子も見ておるぞ?素直に吐いた方が身の為じゃぞ?」

ギリリリリギリリリリーーー!!!


「ぎゃああああ?!殿下ーーー?!お助けをーーー!!」


「ん?何で俺が強姦未遂犯を助けにゃならんのだ?

クローディアさん?「処刑人の剣」の使用を許可します」


超アッサリとイジメ上級生達を見捨てる王太子ヤニック、と言うかヤニックもイジメに対して激オコなのだ。


「え?良いの?なら・・・バルドルー?」


「うむ」


バシィイイーーーンン!!バリ!バリバリ!!バリ!!


突如として青白く空間がスパークしてアデリーナ擬きの頭上の空間に長さ15mの巨大な漆黒の剣が姿を現す!!


「処刑人の剣」エクスキューショナーズソードだ!


パシッ!と「処刑人の剣」を軽々と掴むアデリーナ擬き。

ズドン!!!剣の重さとアデリーナ擬きの自重が重なって足元の石畳が強度限界を超えて蜘蛛の巣状にひび割れる!


ガシン!と肩に「処刑人の剣」を担ぐアデリーナ擬き。

そしてヒュン!と剣を一振りすると・・・


ピシーーーーン!・・・ガラガラガラ!!!ドドドオオオーーーンンン!!

長さ20mに渡り壁が中央部に沿って斬られ屋根諸共轟音を立てて崩壊する!


それを見て、いよいよここが危険だと分かって、きゃー?わー?と逃げ出す野次馬生徒達。


「さて・・・お主らに今一度問うぞ?

儂の妹をイジメてあまつさえ集団で儂らに乱暴しようとしておったな?

ご覧の通り我が妹は強いぞ?今すぐ罪を認めて懺悔すれば命は助けてやろう。

王太子ヤニックの前で答えるが良い」


メアリー擬きの言葉で次々と気絶から目を覚ましたイジメ上級生達は恐る恐るとヤニックを見る。


「テメェら嘘付くんじゃねえぞ?嘘付いたら・・・俺が殺すぞ?」


そこには腕を組んで「勇者覇気」を垂れ流している「神虎」が居たのだ。

しかしイジメ上級生達の真の恐怖はここからだ。

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