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戦乙女の英雄 その17

ヤニックから怒涛のキス攻撃を食らって、ヤニックとの婚姻が確定したファニー。


余りにも訳分からない出来事のせいで武闘大会云々の事は綺麗サッパリと頭から消去されて自室に籠り1人、自分の置かれた状況に頭を悩ます・・・


しかしまだ混乱しているので考えが纏まらない。


「わたくしが殿下の婚約者?婚約者・・・んー?・・・・・・・え?!えええええ?!

婚約者になるのが決定ですってぇ!!!!」


やっと状況を理解して絶叫し、更にヤニックにキスされた事を思い出して・・・

「ひゃああああ?!?!」

ボウン!!と熱を出して寝込んでしまう。


無論、パタリと倒れたファニーに辺境伯邸は上へ下への大騒ぎだ!


「殿下にキスされた、殿下にキスされた、殿下にキスされた・・・・・・」


「お嬢様?!しっかりーーー!!」


熱でうなされて同じ事を延々と呟くファニーを見て軽々とお姫様抱っこしてベッドへ寝かせるメイドさん。


「ファニー!!倒れたって大丈夫なのかい?!」


「ええい!!お嬢様の症状が悪化するから、お前はまだ出てくんなぁーーー!!」


グワシ!!ズルズルズルズル


「うわああ?!ファニー?!あれ?!振り解けない?!」


駆け付けたヤニックを有無を言わさず首根っこを掴んで部屋から叩き出すメイドさん!

ぬう?!こやつ強い!一体何者?!


「クローディア、メイド長!ナイスです~」パチパチと拍手をする他のメイドさん達。


「本当にアグレッシブな王子様ねぇ」

パンパン!と手の埃を叩きながらファニーの寝室へ戻って来たクローディア。

メイドさんの名前は「クローディア」さんと言うらしい。


・・・・・・・・・・・・ん?クローディア?クローディア・・・クローディア・・・

・・・・・・・・ああーー!思い出したぁあああ!!

いや!この人・・・この龍が何でこんな所でメイドなんかしてんの????


あー・・・あの、海湊龍クローディアさんね・・・

そりゃ強いわ、王太子のヤニックの事をお前呼ばわりの不敬を働いても、首根っこを掴むわしても納得だな。


こちらでは初登場の海湊龍クローディアさん。

超簡単に説明するとクローディアさんは海龍王直属の側近で龍種のお偉いさんです。

勿論めちゃくちゃ強いです。


多分・・・今はヴィアール辺境伯領にスパイをしに来てるんだと思います。

そしてスージーが龍種の存在に気が付かない訳がないから、話しが着いていて黙認されてるんだろうね。


後でコッソリその事をクローディアさんに直接聞いて見たら、

「いや貴方を監視しているのよ!魔王バルドル!あのケンタウロスのゴーレム!

なんなのよ?!凄く面白い・・・とても調査したいからケンタ君を私に下さい」


と怒られてケンタ君を取られた・・・ええ?!儂の監視なの?!儂は悪者なの?!


そしてヤニックをボコった事でエルフの女王イリスからも怒られた。


「バルドルさんは、やり過ぎなのよ。そしてケンタ君を私にも下さい!」


どさくさに紛れてケンタ君2号もイリスに取られた。

別に良いけどさ、ケンタ君を何に使うつもりなの?君達の方が怪しいんですけど?


その後、ハイエルフを乗っけたケンタ君2号が魔物を相手に「後ろ馬蹴り」をしている目撃情報が報告されるのであった。


イリスは移動手段としてケンタ君が欲しかったらしい・・・いやケンタウロスを?

ホントに感性が変わってるよねイリスって。


その後、真魔族領にて因縁のリベンジマッチ!

ヤニックVSケンタ君3号の戦いが勃発してめちゃくちゃ白熱する!主にトトカルチョ的な意味で。


いや勝手に入ってくんなよ・・・そして兵士達よ侵入者を使ってトトカルチョすんな!


「遂に勝ったぞーーー!!ケンタ君ゲットーーーー!!」

渾身の雄叫びを上げるヤニック!!


「うおおおお!!!ヤニック!ナイスーーーー!!」

トトカルチョで勝った魔王軍の兵士も雄叫びを上げる!おめでとう!


6回戦目で勝利したヤニックに賞品としてケンタ君3号を取られた・・・

イリスにケンタ君2号を自慢されてヤニックもケンタ君が欲しかったらしい。


別に良いけど・・・師匠共々ホントに変わってんね君達!


さて話しを戻そう。


ヤニックが真魔族領でケンタ君戦に夢中になってる間にケロリと復活した英雄ファニーは、

ピアツェンツア王国首都に帰って行った、このままだと王立学園で留年するからだ。


その3か月後、真魔族領で遊んでいて、ファニーに置いて行かれたヤニックも慌ててケンタ君3号に乗り王立学園へ帰ったが、時は既に遅しで出席日数不足で見事に留年した・・・

マジでお前何してんねん!


「はぁ・・・ヤニック殿下・・・本当に、本当に色々と信じられないですわ」

婚約者そっちのけでバトルに熱中し留年をかました王太子・・・有り得んね。


「申し訳ありませんでしたーーー!!」

ファニーの絶対零度の視線を受けて土下座敢行するヤニック。


「自分の婚約者である王太子殿下が王立学園で前代未聞の留年!」のインパクトが余りにも強すぎて、キス事件はファニーの頭の中から完全に消去された。


中々、便利で都合の良い思考回路を持つファニー、

これにて第一回ファニー実家に帰る事件は良く分からん結末を迎えたのだった。


そして新学期を迎える。


当然ながら生徒達の顔に困惑の色が隠せない。


「あれ?!何でヤニック様がこのクラスに居るの?1学年上だよね?」


「何でもヤニック殿下は外交での外遊で忙しくて出席日数が足りずに留年したらしいですわ」


「まぁ!お可哀想に!

学園の方で配慮とかは無かったのかしら?」


思い切り個人的事情でのサボりなので配慮が有る訳無いじゃん?

一応は何とか国の総力を上げての隠蔽改変工作が功をそうして、ヤニックの名誉はギリギリ保たれた・・・国として良いのかよ?それで。


「お前よぉ、マジで馬鹿なのか?そしてケンタ君を警備用に俺に貸してくれ」


「はい・・・」


馬鹿な弟弟子の後始末に奔走させられた兄弟子の勇者イノセントは腹いせに元凶である、

ケンタ君3号を強奪した。







「ケンタ君の存在感があり過ぎるんですけど?」


この28年後に自宅のエントランスにバッチリと格好良いポーズを決め展示されているケンタ君3号を見てセリス夫人が呟いたと言う・・・


その次の瞬間!!!バターン!!ドタドタドタドタ!!!


「ヒャッハー!!!!」邸宅に強盗団が押し入る!!


いきなりの急激展開に、

「きゃああああああああああ?!」悲鳴を上げるセリス夫人!怯えるメイド達!


「おい!可愛い姉ちゃんが居るぜ!!」


「ヒャッハー!!!」


このセリス夫人の絶対絶命の大ピンチに、

{ぴぴぴ、自動迎撃モード発動、侵入者確認、行動開始、敵を排除します}

28年の沈黙を破り、我らがヒーローのケンタ君3号が再起動する!よっしゃあああ!!

キタキタキターーーー!!


「うええええ?!ケンタ君!動けるのぉ?!?!」

押し入って来た強盗団より彫像と思っていたケンタ君3号が急に動き出した事にめっちゃ驚いたセリス夫人!


「とお!」と華麗なジャンプを決めて強盗共の前に踊り出るケンタ君3号!!


{tornado spear}ブオオオオオンンン!!!バキバキ!!メキメキメキメキ!!!


「うわああああ!!!何だコイツーーー?!?!」


ケンタ君3号が巻き起こす凄まじい竜巻に数人の強盗が、エントランスにあった調度品ごと吹き飛ばされる!!


バギーーンンンンン!!ガッシャーーーンン!!!


「きやああああ?!?!とってもお高い壺があーーー?!?!」


邪魔な物を吹き飛ばしてエントランス内が綺麗になり動き易くなったので、ここからがケンタ君3号の本領発揮なのだ!!


「連続後ろ馬蹴り発動}ズドゴオオオオンンン!!!!

「ぎゃあああああああ?!?!?!」ケンタ君3号に蹴られてぶっ飛ぶ強盗!!

ベシィーーーンン!!


「きやああああ?!?!とってもお高い絵画があーーー?!?!」


セリス夫人お気に入りの美しい風景が描かれたセンスの良い絵画に顔面から激突する盗賊!

鼻血ブーで絵画が鼻血で真っ赤に染まる!!


{ギャロップダンス発動}タタン!タタン!タタン!ステップを踏みつつ、

Sランクのゴーレム、ケンタ君3号の必殺技「後ろ馬蹴り」が次々に強盗共に炸裂する!

ヒャッハー!!格好良いぞケンタ君3号!!強いぞケンタ君3号!!


ズドゴオオオオンンン!!ゴオオオン!!バゴオオオンン!!

次々と壁だの扉だのを、ぶち抜いて飛んで行く強盗団!!

そして、ドンドンぶっ壊れて行く邸宅!それを見て唖然としているセリス夫人!!


強盗襲来から僅か15分後・・・


ケンタ君3号が30名程の強盗団を一方的に壊滅させた頃には邸宅は、あっちこっち穴だらけで半壊していた・・・ケンタ君3号の強さが光る素晴らしい戦いだったね!


そして役目を終えてビシィ!とポーズを決めて定位置で彫像モードに戻るケンタ君3号。

ポーズも格好良いぞケンタ君3号!ヒューヒュー。


その10分後・・・


自宅に強盗来襲の急報を聞き、駆け付けたイノセントが見たのは、ボロッボロに破壊された魔法で強化されていたはずの自分の邸宅の惨状であった。


「こ・・・この破壊力は?」


現時点でうセリス夫人や家人に怪我とかが無いのは分かっている。


何せイノセントは「献身の守護者」と言うスキルを24時間発動させている。

邸宅内に居る限りセリス夫人や家人が受けるはずのダメージは全てイノセントが代わりの受けるのだ。


そしてイノセントに全くダメージは来ていない・・・

つまりセリス夫人や家人はかすり傷一つ負ってないのだ。


しかしその反面、邸宅が受けたダメージは甚大だ!

上級魔法でも弾く強固な魔法障壁は粉々に砕けて、鋼鉄に近い強度まで高めたはずの外壁に大穴が空いているのだ!


「マジかよ?龍種でも暴れたのか???」


この時のイノセントはヤニックから巻き上げたケンタ君3号の存在の事は綺麗サッパリと忘れている。

おうおう!イノセントよぉ、ケンタ君3号の存在を忘れるたぁ、どう言う了見じゃい!


どこに飛んで行ったのか・・・扉が無くなった正面玄関から邸内に入るイノセント。


すると愛しの妻であるセリス夫人が・・・暗闇の中で、

「ケンタ君は陛下にお返しなさい」

ぶっ壊れたエントランスに椅子を置き姿勢正しく座り、イノセントに無表情で返品を促す。


「はい、分かりました」

そう言う事しか出来なかったイノセントだった・・・


{ガーーーーン?!}

オーバーキル全開のケンタ君は邸宅警備の任務とかには全然向いていなかった・・・残念。

って、すぐに話しがケンタ君に戻って全然物語が進まねぇ。

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